第129話 ふかふかとおやすみ

 璃月が泊まることは、僕のお母さんがノリノリだったこともあり、お姉ちゃんが修学旅行から帰るまでという条件が付きながらも、許可してもらうことができた。

 わーい、わーい‼

 璃月のお泊りセットを取りに行って僕の家へ。それから璃月の作ってくれたご飯を食べて、お父さんとお母さんが帰ってくる前に璃月と一緒にお風呂へ入って洗いっこ。トイレとかも一緒だったし、えへへ、璃月尽くしで彼女がお泊りしてくれるのは楽しい。なんやかんやで1日目が終わり、今はお泊り2日目の夕暮れとなっていた。

 さて、昨日の夜、僕が眠れたかと言えば――、


「りちゅきー、だっこぉー」

「おいでー」

「むぎゅー、眠いよぉ・・・・」


 ――案の定、眠れてはいなかった・・・・。

 抱っこされる僕は、おっぱいに顔を埋め眠気のあまりおっぱいで目を擦った。柔らかでおっぱいで目を擦るの好きかも。えへへ、一生してたい。

 おっと、眠気のあまり思考がおかしな方にいちゃった。

 こほん。

 どうして眠れなかったのか、説明でもしておこうと思う。

 端的に言えば、璃月のせいである。

 昨日の夜、彼女は僕にあるお願いをした。

 何かと言えば、テストが近いから勉強を教えてほしいと言うもの。

 いくら眠くても璃月のお願いなら断る選択肢はないし、彼女が一生懸命な顔をしている横顔が見たくて心よく引き受けたというわけである。まったくもぉー、璃月ってば偉いんだから。頑張り屋さんなところも大好きぃー‼

 まぁ、勉強を教えた後に、ご褒美として朝まで甘やかしてあげたのが寝不足の原因の気もするけど、眠れなかったことに悔いはないのでまぁいい。

 そのようなことがあり、2日連続の寝不足状態。

 どうにか学校には行ったものの、限界は近づきつつある。

 証拠に先ほどから『ノンレム睡眠レム睡眠ノンレム睡眠レム睡眠・・・・』などと幻聴が聞こえ始める始末。安眠やら快眠がしたくてたまらなかった。

 今の僕なら、マグマに落ちようとも、毒になろうとも、死んでも眠りたいね‼

 眠気のあまり混乱している僕は是が非でも眠りたいスヤリストだ。

 とりあえずは、


「クエスト:寝たい・・・・だよぉー」 

「どうしたの、鳴瑠くん」

「僕ね、璃月を寝具にして寝たいの」

「おねむなのかー、え・・・・今日は朝まで私と遊んでくれないの?」


 可愛い上目遣いで、甘えた声をする璃月。

 そんな風にされたら否定しずらい。うぅぅ、可愛いよぉ、大好きだよぉ。

 だが、流石に3日連続でキチンと眠れないのはやっ。心を鬼にして言う。


「ごめん、璃月。僕も遊びたいけど、・・・・さすがに寝たいかも」

「鳴瑠くんがそこまでゆーなら。それに眠れないで鳴瑠くんが倒れたりしたら大変だもん。うん、我慢する。とりあえず、ベットいこっか。はい、ばんざーい」


 璃月は泣く泣くといった感じでありながらも、眠ることに決めてくれたよう。

 僕は彼女の指示に従い、腕をあげた。

 で、何が起きたかと言えば――ふぇー、全裸にされちゃったよぉー。

 そうだった、璃月は寝る時は全裸のどえっちだもんね。寝るとなれば、裸になるのは当たり前のことだった。にしても脱がされたことすら、脱がされた後に気が付く神技。すごい、璃月の僕を脱がす速さは進化し続けているッ(カッコいい)‼

 くだらないことを思っていると、服を畳み終わったのか璃月は手を握ってくれる。彼女の手は小さけど、柔らかくってぎゅって握り続けたくなるから好き。


「お洋服ぬげたから、いこ?」

「うみゅー」


 眠気の為に返事がままならない中、全裸の僕は全裸の璃月に手を引かれベットに。そのまま寝かされてフタリで布団をかぶる。何度もフタリで同じ布団に入ったことはあるが、膨れ上がった睡眠欲も相まっていつも以上に布団の中は幸せな空間だ。

 それから璃月は更に、僕が寂しくないようにぎゅーって抱きしめてくれる。

 パジャマすら着ていない裸の璃月。

 やわっこいし、ぽかぽかぬくいし、おまけにいい匂いがする。

 にゃわわ、こんにゃの、興奮しちゃうよね‼

 すんすん匂いを嗅ぐと、璃月はくすぐったそうに、また恥かしそうにはにかむ。えへへ、可愛い。思う僕に璃月は、両ほっぺを引っ張りながら言ってくる。


「こらっ、イタズラしないの。眠いんでしょ?」

「はーい。えへへ」

「いつも返事が可愛いんだから」


 怒られてしまったが、僕にとってはご褒美なので最高だ。

 と、ふと僕は思う。

 現状でも最高の眠りができるはず。

 だが、今日は久々のちゃんとした睡眠だ。

 更なる高み。

 ようするに、もっといい睡眠法を試してもいいのではないかな‼


「ねー、璃月」

「んー?」

「お願いがあるの」

「どうしたのかな。あ、お休みのちゅーかな?――ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ♡」


 璃月はおでことほっぺ、それから口にしてくれる。

 3か所にしてくれるなんて、優しんだぁー、えへへ。

 嬉しいけど、僕が言おうとしていたことは違う。


「それもだけどね、今回は違うの」

「そーなの?」

「うん‼」

「元気なお返事は偉いけど・・・・本当に眠いんだよね?」

「うみゅー、眠いよぉ?」

「だよね。にしても返事が急な眠気アピールに感じるのは気のせい?」


 璃月のジト目を受けて、嬉しくなっちゃう僕。

 そんな僕に、彼女は「それで?」と訊いてくれる。


「えっとね、僕。すんごく質のいい睡眠法を試したいの」

「そうなんだ。まぁ、だよね、昨日とその前の日は眠れなかったわけだし。しっかり眠りたいよね。それで、どんな睡眠法なの?」

「えっとね、えっとね、僕ね――」

「うん、うん」

「――璃月のおっぱい飲みつつ頭撫でられながら眠ってみたいの‼」

「もぉー、欲張りさんの甘えんぼーなんだから。いーよ、おいで♡」

「わーい」


 よいしょ、よいしょ、と布団の中に潜る。

 それから璃月のおっぱいに向けて、突き進んだ。

 ――ぽふん。

 璃月のおっぱいはとってもふかふか。

 服を着ていないのでいつも以上にふかふかで、あー、やばい。

 何て表せばいいんだろ、この大好きな気持ちを。

 あー、もうね、、世界の真理を見たね‼


「ふかふかぁー」

「ご希望通り、頭も撫でたあげるね♡」

「わーい、なでなでもすきぃー」


 彼女のお腹に手を回して抱き着くと、璃月は頭を撫でてくれる。

 あ、これは絶対にいい夢みれるよぉ。

 そうしておっぱいを飲む僕は、重くなってきた瞼を閉じることにした。


「むにゅむにゅ、おにゃすみぃ~」

「ちょっと、ナーくぅん。おっぱい飲むすぎぃだよぉ、ん」

「むにゃむにゃぁー」

「寝ながらおっぱい飲み続けてるとか、くすぐったいってゆーかえっちだよぉ――」

「すやぁー」


 璃月のえっちな声が聞こえる気がする。

 けど、残念ながらそれを僕は眠ってしまい聞くことはできなかったのだった。


 ☆♡zzz


 翌日。

 目を醒ますと、眠そうでありながら何やらえっちな顔をしている璃月と目があった・・・・。え、寝てる間に僕、何したの?

 とっても気になるが、璃月は恥かしがって絶対に教えてはくれなかった。

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