第125話 料理と『さしすせそ』 夕ご飯作り編  

「よーし、鳴瑠くん。夕ご飯を作るよ‼」


 僕の家のキッチン。

 時間は夕暮れ時。

 服の上からエプロンを身に着けて、お風呂上りでまだ少しばかり濡れている艶やかな髪の毛を2つのお団子に纏めた可愛くてえっちな璃月は、拳をあげて宣言した。

 それを聞き、彼女同様にお風呂上りで服の上からきちんとエプロンを付け髪を2つのお団子に纏めた僕は、力無く「おー」と彼女に続く。

 璃月と一緒な僕は基本は元気いっぱい。なのに僕に元気がないのは単純な理由。

 璃月に根こそぎ体力をもっていかれた為だ。

 というわけで璃月が腕をあげた際に垣間見える璃月のおっぱいの横側でも見て体力を回復しよう。ふへへ、何度見てもえっちだぜ。さいこー。

 そんな感じで体力は回復しとくとして。

 今、僕と璃月がキッチンに立っている状況説明でもしようと思う。

 先日、僕と璃月、それからお姉ちゃんの3人で、夕ご飯の買い物をしたことがあった。その際に、璃月と「一緒にご飯を作ろう」と約束をした。

 当初はお昼ご飯を作る予定だったのだが、お昼と呼べる時間は気が付いたら過ぎて夕暮れ時に。今から夕ご飯を作ることになったのである。

 ちなみに、どうしてお昼をご飯を作り損ねたのかは謎。憶えていることがあるとすれば・・・・そうだね、気持ちよかったことくらいかな(目を逸らしながら)‼

 何はともあれ、作るのはクリームシチュー。

 寒い夜が続く冬には身体が温まってピッタリだと思う。

 ま、お風呂に入りたてだから、身体がポカポカだけどね。

 もっと言えば、軽く運動したまである。

 意気込み十分な僕は、胸の前で両手を握り、


「よぉーし、がんばるぞい‼」


 と呟く。

 そんな僕に続くように、璃月も負けじと意気込んだ。


「可愛く意気込んじゃって、えへへ。さて、鳴瑠くんを調理――じゃなくて、鳴瑠くんとお料理を始めよう‼」


 何かおかしなところがあった気がするような。

 まぁ、僕の勘違いだろう。

 そういうことにして、料理を作り始めることにした。


「さて、鳴瑠くん。ここからは私のことは『璃月お姉ちゃん』って呼ぶんだよ。鳴瑠くんは私にお料理を教わる側。で、私は教える側。ちゃんと線引きをしなきゃ」

「え、うん。わかった、璃月お姉ちゃんって呼ぶー」

「はうっ、ナーくんが私のことをお姉ちゃんって‼」


 とっても喜んでる様子の璃月。

 完全に自分で言わせてたような気がするけど・・・・璃月が喜んでくれてるならいいか。にしても、こういう場合って、『先生』とか『師匠』とか呼称があるような気がする。璃月は僕にお姉ちゃんって呼ばれるの好きだしいっか。

 僕は璃月の趣味というよりかは、性癖にも理解がある系の彼氏。

 彼女が喜んでるなら、いくらでも付き合っちゃうぞ‼

 ちなみに、璃月をお姉ちゃんというのは、僕も好き。


「で、璃月お姉ちゃん。何から始めるの?」

「いい質問だね、鳴瑠くん」

「えー、いい質問だなんて、えへへ、褒められちゃったぁー」

「これゆわれて喜んでる子、初めてみた。けど、鳴瑠くんが可愛いからいいや」

「それで、璃月お姉ちゃん」

「まずはね、おててを洗ってもらいます」

「口に入るものを作るんだもんね。綺麗にして当然だね」

「でしょ。けど、鳴瑠くんはお料理初心者だからね。私が手伝ってあげる」

「手を洗うのを?」

「うん‼」


 にんまりしてとっても可愛い笑顔の璃月。

 やっぱり璃月は笑うととっても可愛いな。

 笑顔にドキドキしながら僕は心の中でツッコミを入れることにした。

 確かに料理はしたことがない。

 だけど、手は洗ったことあるよ‼

 心の中でとどめたのには理由がある。

 なんでかって?

 決まっている。

 璃月が一体、どんな風に手を洗うのを手伝ってくれるのか、気になるからだ‼

 僕は璃月の助けを受け入れることにする。

 そもそも、璃月を受け入れない選択肢などあってたまるか。

 鬼気迫る感じで、僕は心の中で叫ぶ。


「はーい、鳴瑠くん。こっちおいでー」

「わーい、璃月お姉ちゃんのとこ行くぅー」


 シンクにくるように促される僕。

 心の中と現実の温度差に、風邪をひいてしまいそうだ。

 くだらないことを考えていると、璃月は僕の背中側からぎゅーっと抱き着いてくる。背中に当たるおっぱいがやわらかで気持ちがいい。

 彼女はそれから、抱き着いたまま手を僕の前に持ってゆく。器用に石鹸を自身の手に付けて泡立ててゆく。そして、泡まみれの手で僕の手を包み込むように重ねて、

 

「私がこのまま、鳴瑠くんのおててを、キレイキレイにしたあげる」


 なんて、お姉さん風に言うと僕の手を洗い始めた。

 もみもみ。

 こしこし。

 絡み合うように、手のこうに手のひら、指から指先、指の間に爪の中まで、きっちりあらってくれる。石鹸によって滑りやすくなった彼女の柔らかな手が、僕の手を綺麗にするために絡み合ってきて、マッサージされてるみたいでとっても気持ちいい。

 また、彼女が手を動かす度に、背中に当たるおっぱいの潰れ方が変わってゆく。むにゅむにゅと背中に当たるおっぱいのが感触も楽しくて仕方がなかった。

 手と背中。

 どっちも気持ちよくって、どちらに意識を集中するか迷ってしまう。

 そもそも、自分で洗える手を、人に洗ってもらうのってダメになってゆく感じが凄い。このダメになってゆく感じもまた、たまらなく背徳感があって僕は好き。

 何より、後ろから抱き着かれがら絡ませるように手を綺麗にされるのって、なんかえっちことをされているみたいな気がしてきて、妙な恥ずかしさがあった。

 僕は璃月とお風呂に入った時は身体を洗ってもらうし、逆に身体を洗ってあげたりする。ついさっきだって、実のところは洗いっこをしている。

 にも関わらず、それと同じくらいにえっちなことをしている気分になってしまう。

 服を着ているし、ただ手を洗っているだけなのに。

 はうー、すんごく好き。

 璃月に後ろから抱き着かれながら、手を洗ってもらうの。僕は璃月と暮らすようになったら、毎日手を洗ってもらうことにしよう。そんなことを心の決めたのだった。


 ♡☆


 手は洗っていれば綺麗になるもの。

 洗い終わると璃月が離れてしまう。

 ちょっぴりそのことに寂しさを募らせながら、僕は訊ねる。


「それで璃月お姉ちゃん。次は何をするの?」

「えっとね、次はじゃがいもの皮をむいてもらいます」

「じゃがいもの皮むきっ!?」


 璃月が最初に出したまもともな料理の工程を聞き、僕は思わず驚いてしまう。

 その理由は単純。

 本当に自慢ではないが、僕は包丁とか握ったことがない。最初はピーラーでニンジンの皮をむいて切るくらいだと思っていた。なのに、最初からゴツゴツしたじゃがいものの皮むきだなんて。レベルが高すぎる気がする・・・・・。

 ちなみに僕が握り慣れているものと言えば、璃月の手とお姉ちゃんの手くらいのもの。あ、でもよくよく考えてみれば、璃月って僕には甘々だけど、僕以外の人には容赦がなくてある意味では切れ味が凄い。ということは、璃月は刃物と同義。

 刃物って切れ味が凄いし。

 三段論法的に言えば、璃月は刃物だ。

 なーんだ、僕は刃物を握ったことがあったみたい。

 よかった、璃月が僕の彼女で、えへへ。

 僕は変な解釈をして、不安を取り除くことができた。

 そんな僕をジト目で見る璃月。


「むぅー、鳴瑠くんさ。なんか、私の悪口思ってない?」

「そんなことない。僕はただ璃月お姉ちゃんが彼女でよかったって思ってるもん」

「ほんとにー?」

「うん。璃月お姉ちゃん大好きだもん‼」

「はうっ、名前にお姉ちゃんって付ければ何でも許したくなっちゃう。いや、付けてくれないくても、全然許しちゃうけどね。で、鳴瑠くんは何を驚いてたの?」

「えっとね、じゃがいもの皮向きって僕には難易度が高くないかなって・・・・」

「あーそのことね。なら心配はないよ?」


 璃月は得意げに「ふふーん」と笑う。

 それから胸を張っておっぱいをむにゅっと僕に当て、人差し指を立てて続けた。


「実はね、じゃがいもの皮をむく簡単な方法があるんだよ」

「え、そうなの!?」

「じゃがいもに十字に切れ目を入れて、レンジで温めると簡単に皮がむけるのだ‼」

「ほんとに‼」

「ほんとだよ。といことでやってみよう」

「うん‼」


 で、実践してやってみたら本当にできた。

 難しそうと思っていたことが、あまりにも簡単にできて僕ははしゃいでしまう。


「すごーい、すごーい‼」

「ふふーん、でしょでしょ」

「璃月は何でも知ってるんだ‼」

「えへへ、褒めないでよぉー」


 照れながら笑う璃月。

 確かに僕はじゃがいもの皮を簡単にむく方法を知らなかった。

 けど、別のことは知っている。

 この間、璃月はカレーを作った時、地道に包丁でじゃがいもの皮をむいていたのを。ようするに、璃月は――、


 僕に褒められたくて、ネットで簡単に皮をむく方法を調べたに違いない‼


 ――やばい、璃月がスマホでじゃがいもの簡単な皮のむき方を調べている場面を想像しただけで可愛い。何より、やってることが可愛すぎて、僕の璃月が可愛い。

 もはや、璃月が可愛すぎて、僕はもう璃月が可愛いってことしか考えられない。


「それで可愛い璃月お姉ちゃん。じゃがいもの次は何をするの?」

「きゅ、急に可愛いだなんて。どーしたの?」

「可愛いんだもん、可愛いって名前の前に付けて何かダメだったかな」

「ダメじゃないよ、えっと、ありがと――次はニンジンの皮をむいて、切るよ」

「うん‼」


 璃月はニンジンのように頬を染め、次の指示をくれた。

 ニンジンの皮をむくやり方は僕でも知ってる。

 ピーラーなる道具を使って、スルスルーっと皮をむけばいいだけだもん。

 僕は璃月に見守られながら、皮むき。

 で、ニンジンを切る段階に入って待ったをかけられた。


「鳴瑠くん。包丁を使うのは、注意が必要です」

「うん、刃物だもんね。指を切ったら大変。璃月お姉ちゃんに舐めてもらって璃月お姉ちゃんに絆創膏を貼ってもらわなきゃいけないもんね。それは悪いことなの?」

「自分でゆって自問自答しないの。もし指を切ったら舐めたあげるし、絆創膏も張ったあげる。けどね、指切ったら痛いんだから。あとわざとやったらやったあげない」

「ごめん、真面目にやる」

「ちゃんと反省できて、鳴瑠くんはいーこだね」


 えへへ、褒められちゃった。

 僕は璃月の褒めて伸ばすタイプの教育方針が悪くないと思って仕方ない。

 それはさておき。

 璃月の包丁使い方講座は続く。


「まずは、鳴瑠くんは右手が利き手だから、右手で持ってね。私のマネっこをしたいかもしれないけど、我慢だよ。利き手で持つんだよ。いいね?」

「うん、うん」

「で、左手はねこさんの手で食材を抑えるの、はいやってみて」


 璃月は僕にそんな風に促してくる。

 料理経験のない僕でも、食材を抑える手はにゃんこの手にすることは知っている。だから、璃月からやってみてと言われれば、できなくもない。

 だが、僕はあえてここではやらない。否、知らない体にする。

 だって、これはチャンスなのだから。なんのチャンスかと言えば――、


「ねー璃月お姉ちゃん。僕は料理初心者です。にゃんこの手がわかりません」

「え、ねこさんの手だよ?手をグーにする感じなんだけど?てか何で敬語?」

「僕にはわかりません。わからないったら、わかりません――」

「え、それは大変」

「――というわけで、璃月お姉ちゃん。実践してほしいです」


 クイ気味の僕のお願い。

 それに対して、璃月はジト目を僕に向けてくる。恐らく彼女は気づいたはずだ。

 僕がただ璃月ににゃんこのマネをしてほしい事に。

 少し考えて僕に甘々の璃月はというと、


「えっとね、まずね、手をグーにするの」


 実践してくれるようで、右手でグーを作り始めてくれた。

 僕はここぞとばかりに口を挟む。


「うん、うん、で顔の横に手を持っていくんですね」

「いや、食材を抑えるんだけど・・・・・」

「うん、うん、顔の横に手を持っていくんですね」

「もぉー、やったあげるよ‼」


 ニンジンみたいに顔を染めながら、璃月は右手で作ったにゃんこの手を顔の横に。ついで左手でもにゃんこの手を作ってくれて、エプロン姿のにゃんこになった。

 えへへ、可愛い、写真とっちゃを。

 ――パシャリ。

 更に僕は動画モードにして続ける。


「璃月お姉ちゃん、そのまま、鳴こう」

「うぅぅ、鳴瑠くんになんか辱められてる気がするよぉ」

「してくれないの・・・・?」

「するから、けほん・・・・、にゃん♡」

「えへへ、いい動画が撮れたよぉ、可愛い。毎日、みよ」

「うぅぅ、動画とるなんてヒドイよ‼」


 璃月、それはブーメランだよ?

 いっつも僕の恥かしいところを動画撮ってくるじゃん。バレンタインの日とかも。

 何より、この後、僕も同じことを璃月にやらされるんでしょ?

 読み通り、にゃんこのマネをさせられ、その様子を動画に撮られた僕であった。


 ♡☆


 璃月にゃんこと僕にゃんこ、互いに動画を撮り終えて手を洗い直して玉ねぎも切る。それから切った野菜とお肉と水を鍋にいれて火をつけてコトコト煮込み始める。

 ようするに、今はクリームシチューの最終フェイズに突入中だ。

 もう使わないものは洗い、今は完全に待ち時間となっていた。

 そんな折、璃月は僕に訊ねてくる。


「そうゆえば、鳴瑠くんはお料理の『さしすせそ』は知ってる?」

「料理の、『さしすせそ』?」

「そー」

「さいすせそー、・・・・さしす、せそ、ね。うん、知ってる知ってる」

「その様子だと、絶対に知らないよね、鳴瑠くん」

「むぅー、知ってるよ。さしすせそ、くらい」


 頬を膨らませる僕。

 そんな僕をなだめるように、璃月は頭を撫でてくれて最高か?

 彼女は頭を撫でながら笑って言う。


「いやいや、さっきの反応は知らない人の反応だと思うの、私」

「知ってるよ、知ってるったら、知ってるもん」

「ほんとにぃー?」

「うん」

「ならゆってみよ」

「いーよ、あっ、そだ璃月お姉ちゃん。正解する度にご褒美のちゅーしてして」

「したあげる。私もちゅーしたいから、ちゃんと正解してね?」

「璃月お姉ちゃんの為に、正解してあげるんだから‼」


 僕はそう意気込む。

 また、思う。

 フタリともちゅーしたいんだし、すればいいんじゃないかなって。

 それはさておき、ルールを簡単に説明しておこう。

 僕が料理の『さ』『し』『す』『せ』『そ』――5つの調味料を答えて正解する度に璃月が僕にちゅーをしてくれるってだけ。ちなみに外しても罰ゲームとかはない。

 というわけで、料理の『さしすせそ』当てが始まりを迎える。


「それじゃ、まずは鳴瑠くん。『さ』は?」

「砂糖‼」

「おー、正解だよ、鳴瑠くん‼」

「璃月お姉ちゃん、ちゅー、ちゅーして」

「いーよ。――ちゅっ」

「えへへ、ありがと」

「それじゃ、次ね。『し』は?」

「塩‼」

「うん、うん、正解。――ちゅっ」

「もっと、もっと、ちゅーして」

「えー、もぉー、仕方ないな。――ちゅっ」

「えへへ、璃月とちゅーするの好きぃー♡」


 璃月は甘々だ。

 けど、よく考えてほしい。

 1問正解の度に何回するかは指定していなかったはず。だから、1問正解の度に数回しても問題はないと思うの。心の中で弁解しつつ、更に問題は続く。


「えっとね、『す』は?」

「酢でしょ」

「おー、半分まで正解できたね。――ちゅ、ちゅっ、ちゅ♡」

「はわわ、言わないでも璃月が3回もちゅーしてくれた、優しぃー」

「えへへ、次は『せ』だね。これは難しいよ。私にちゅーさせてくれるかな?」

「『せ』はね、いったん飛ばすぅー」

「おっ、急に怪しくなってきたぞ」


 にこやかな笑顔だった璃月の顔は曇り始める。

 言い訳させてほしいの。

 ほら、『せ』って高難易度だって聞いたことがあるからさ、1番難しいのをメインディッシュにしといた方がいいなって思ったんだよね。ほんとだよ?

 僕は心で言い訳する。

 璃月は特に言及せずに、『せ』を飛ばして『そ』の回答を促してきた。


「えっと、それじゃぁ、『そ』は?」

「ふふん、これは自信あるよ」

「お、すごい意気込みだね」

「うん。――ソース‼」

「・・・・」

「あれれ、ちゅーしてくれないの?」

「あ、ごめんね、忘れてた――ちゅっ♡」

「もぉー、忘れないでよ。ご褒美なんだから、えへへ」

「そうだね。ご褒美は大事だし、正解だよ、きっと、うん。鳴瑠くん、ソース大好きだもんね。お好み焼きとか、たこ焼きとか、すぐに真っ黒にしちゃうもんね」

「僕、ソースいっぱいかけて食べるの好きぃー」


 何故かソースと言った辺りから璃月が目を合わせてくれなくなった。

 なんでだろう?

 ちなみに、ソースをかけまくるようになったのは、お姉ちゃんの影響だ。

 璃月はコホンと咳払いして、急かすように『せ』の回答を促してきた。


「それで鳴瑠くん。次で最後だね、『せ』は?」

「おっと、璃月お姉ちゃん。先に聞いてほしい話があるんだ」

「ん、なにかな?」

「実はね、僕はね。璃月お姉ちゃんと料理をする前に、こっそり料理の動画を見て勉強をしていたりしてたんだ。お姉ちゃんと一緒に。だからね、料理の基本の『さしすせそ』程度、予習していたりしていたんだよ‼」

「なのに、『そ』を間違えちゃったの?」

「僕、間違えちゃったの?ソースじゃないの?」

「おっと、鳴瑠くんはちゃんと『そ』もゆえてたね」

「えへへ、正解だよね。ちゅーもしてくれたし。璃月お姉ちゃん、『せ』はね――」

「うん、うん」

「――せんえ〇じゃしゅ‼」

「はい、えど〇ん――じゃなくて、調味料じゃないよ‼」

 

 そう言ってツッコミながらも、ベロちゅーをしてくれる璃月。

 とりあず、この後、煮込み終わった食材たちのもとへ、ルーと牛乳を入れてクリームシチューが完成。おいしく完食した僕たち。初めての料理はとっても楽しかった。

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