第126話 休日とパンチラと秘密基地

「えへへ、璃月、りつきぃー、えへへ、璃月の膝の上は楽しいなぁー、えへへ♡」

「はしゃいじゃって、可愛いんだから、もぉ~よちよち」

「りちゅき~、しゅき~、ちゅき~、とぅきぃ~♡」

「嬉しいことゆってくれちゃって。抱っこだけじゃなくて、頭も撫でたあげる」

「わーい♡」


 春の訪れが来そうで来ない2月の下旬。

 日曜日の昼下がり。

 璃月の部屋には、大好きな女の子の膝の上で抱っこされ、めいいっぱい甘やかされている狂気の16歳児がいた。その正体は、もちろん僕である。

 どんな経緯で璃月に抱っこされたのか、いささか記憶にございませんだが、璃月の抱っこはぬくくてずぅーっとくっついていたいし、抱っこ大好き‼

 また、彼女の顔は春の木漏れ日のように優し気で綺麗だ。抱っこをされていれば、それをずっと眺めることができる。ここから降りる選択肢はないよね‼

 今日も璃月はキレイだなー。

 なんて見ていると、璃月は言う。

 

「こうして、のんびり鳴瑠くんを甘やかすの、えへへ、好きだなぁー」

「僕もね、僕もね、璃月に甘やかされるの、大好き‼」

「鳴瑠くんは甘えん坊さんなんだから、おっぱい飲む?」

「のむぅー」


 僕の頭をよちよちと抱いてくと、僕の顔をおっぱいに押し付け飲ませてくれた。

 はわわー、柔らかで乾いた喉は潤わないけど、気持ちは潤っていくよ、えへへ。

 これからの水分補給は、璃月のおっぱいで決まり‼

 冬は乾燥するし、もっと言えば夏は暑くて汗をかく。1年中璃月のおっぱいが欠かせないまである。これからの水分補給が楽しみになった僕がいた。

 水分補給は大切だもんね‼

 新たに水分補給の大切を学ぶと、「ぷはー」とおっぱいから顔をあげる。


「ねー、璃月。僕ね、欲しいものがあるの?」

「んー?欲しいもの・・・・あっ、わかちゃったんだから――‼」


 ぱぁーっと顔を明るくさせると、璃月は言う。

 さすがは璃月か。

 僕の思考なんて簡単に読めちゃうんだもん。隠し事なんてできない。

 意気揚々と、璃月は僕の欲しいものを口にする。


「――鳴瑠くんの欲しいものって、私でしょ‼」

「違くはないけど・・・・、・・・・・今回言おうとしてたのと違う」

「・・・・え」


 璃月、わかっていなかった。

 先ほどまでのぱぁーっとした顔からは一転、絶望感に満ちた顔をする璃月。目の端には涙も溜めていて、今にも泣いちゃいそうになっている。

 ふぇぇん、そんな璃月の顔も可愛いけど、笑顔でいてほしいよ‼


「え、なんで、欲しいものが、私じゃないのぉ・・・・?」

「璃月も、璃月も欲しいけど‼」

「なら、私だけでいいじゃん、うぇぇん」

「泣かないで。頭とおっぱい、どっち撫でられたい?」

「あたまぁー」

「よしよし。そもそも璃月」

「ぐしゅん。なにぃ?」


 頭を撫でられながら璃月は、涙目のまま上目遣いで訊ねてくる。

 涙目の上目遣いって可愛い。

 とか思いながらも、僕は言う。


「そもそもの話、璃月はもう僕のだよ」

「え・・・・私はもう、鳴瑠くんの――」


 確かめるようにポツポツ言葉を漏らす。

 それから、


「えへへ、私はもうナーくんのだったね。今更お願いされるようなことじゃなかったよ。もぉー、ごめんね、ナーくん、勘違いしちゃって。もぉーナーくん、私のこと好きすぎぃー、うへへ。あ、おっぱい、また飲むぅー?」

「のむぅー」


 だらしない顔をすると、璃月はおっぱいを再び飲ませてくれる。

 うん、うん。

 やっぱり璃月は絶望してる顔よりもだらしない顔をしてる方がいい‼

 元気を取り戻した璃月に、たくさんおっぱいを飲ませてもらい僕も元気いっぱい。このままおっぱいを飲みながら眠りたい衝動に駆られるが顔をあげることにする。

 それから璃月は「ナーくんは私のだよー」なんて言いながらほっぺをムニムニしてきて、気持ちがいい。元気を取り戻した璃月は、僕に訊ねてきた。


「それで鳴瑠くんは、何が欲しいの?」

「実はね、僕――」

「うん、うん」

「――秘密基地が欲しいの‼」

「秘密基地?」

「うん‼」

「秘密基地かー。うん、うん。秘密基地ね。鳴瑠くんはショタだもんねー。秘密基地に憧れちゃうお年頃だもんね。いいよ、作ろっか。あ、2人だけの秘密のだからね」


 ノリノリになってくれたのは嬉しい。

 けど、けれどだ。

 納得の仕方がおかしくないかな?

 なんて言うのかな、納得の仕方に性癖が滲みでてんだよね。

 まぁ、そんな璃月も大好きだけど。

 そんなことを思っていると、璃月は更に続ける。


「で、どんな秘密基地が欲しいの?」

「あ、それはもう決めてんだ、えへへ」

「なになに、気になっちゃうよ」

「えっとね、実はね、場所は璃月の部屋がよくってね」

「私の部屋かー。まぁ、いいけど、秘密基地感、薄れない?」

「そんなことないもん。秘密基地って響きがいんだもん」

「鳴瑠くんがいいなら、いいけど。他には?」

「あとね、璃月に内緒のがいい‼」

「うん、うん――最初から難易度高いね‼」


 璃月は僕の頭を「よしよしー」と撫でてくる。僕は撫でられるのが好きだ。けど、この撫で方は普段やってくれるような僕を甘やかす撫で方ではないのがわかる。

 これは聞き分けのない子をあやすときにする撫で方。

 完全に子ども扱いしてくるときの撫で方だってすぐにわかった。

 伊達に僕は撫でられ続けていないというわけである。

 むぅー、璃月ってば、僕を子ども扱いして。

 ヒドいんだ。

 ほっぺを膨らませて、僕は抗議する。


「難易度高くないもん。できないと思うから、できないの」

「いやね。私に内緒の秘密基地を作ろうとしてるのに、私に話を持ち掛けて一緒に秘密基地を作ったんじゃ根本が破綻してる気が・・・・・」

「璃月、よく考えて」

「ん?」

「この僕が璃月に秘密にできることなんてないと思うの」

「うん、鳴瑠くんって、すぐに私にお話ししたくなっちゃうよね。まぁ、そうゆーところが可愛いし。何より続けてもらいたいところではあるかも」

「そもそも璃月」

「なに?」

「璃月に内緒だからと言って、僕が璃月に話さないとでも思ったの?」

「はい、はい。意味がわからないことはいいからね。よちよち」


 抱っこされている僕は、上下に揺らされてあやされる。

 にゃわわ、上下に揺らされたら楽しくなっちゃうじゃん‼

 自然と笑顔になる中、璃月は更に訊ねてくる。


「そもそものお話、なんで鳴瑠くんは私に内緒の秘密基地が欲しくなったの?」

「決まってる。璃月に内緒でこの部屋に秘密基地を作ればね。僕と一緒にいない時の無防備な璃月の姿が見れるでしょ。そんなの作らないわけにいかないでしょ‼」

「あー、そうゆーこと。まぁー気持ちはわかるかも。私だって、鳴瑠くんの無防備な姿を見るために監視カメラじゃなくって、アホ毛を覗くことあるもん‼」

「あー、僕も璃月のアホ毛、遠くから覗いたことあるぅー――ん?監視カメラ?」

「鳴瑠くぅーん、おでことほっぺと口だったら、どこにちゅーしてほしい?」

「ぜんぶぅー‼」

「欲張りさんだなぁー、もぉー。したあげる――ちゅ、ちゅ、ちゅ♡」

「璃月にちゅーされるのすきぃー♡」


 なにかを誤魔化された気がする。

 まぁいいや、ちゅーをいっぱいしてもらえたし。

 ちなみに、アホ毛を覗くと相手がどこにいるのかくらいはわかったりする。寂しくなるとどこにいるのか気になって、ついつい見ちゃうんだよね、これが。

 それはさておいて。

 実は僕。

 既に秘密基地候補ってやつを見つけていたりする。


「秘密基地が欲しい理由はそれくらいにして、実はね。秘密基地候補に目星を付けてたりするんだ‼」

「へー、そうなんだ。あれれ、でもそうなると私に話を持ち掛けた意味が・・・・」

「あるよ、もちろん」

「そーなの?」

「うん‼と、いうわけで璃月、立ち上がって‼」

「う、うん?」


 璃月に立ってもらうべく、名残り惜しいが膝の上からどく。それから彼女は僕の言う通り立ってくれて、僕は対象的にしゃがんで四つん這いに。ハイハイをしてそのまま、立ち上がった璃月の足元――ロングスカートの中に入っていった。

 スカートの中に全身が入るように丸まると、顔だけをスカートの裾からだして満面の笑みで璃月に僕は言う。


「えへへ、璃月のスカートの中が僕の秘密基地♪」


 楽しい僕。

 それとは裏腹に、璃月はジト目を送ってくる。

 えへへ、璃月のジト目‼

 ただでさえ璃月のスカートという僕が興奮してしまうエリアにいると言うのに、ジト目までくれるともう興奮が止まらないよ。もっとちょーだい?

 おねだりしちゃいそうになるが、興奮し続けると何をしでかすかわからないので、グッと我慢。我慢できる子な僕に、璃月は呆れた様子で言う。


「私、思うの。足元に鳴瑠くんがいたら気づくよ。つくづく最初に言ってた『私に秘密の』ってやつが不可能に近づいているんだけど。そう思うの私だけ?」

「僕も思う。一緒のこと考えてたね‼」

「うん、うん。私も鳴瑠くんと同じこと考えてて嬉しいな。けど、このやりとり、もっと別なところでやりたかったな、うん。あと、この基地。何にも秘密にできてなくないかな。場所だけでなく、鳴瑠くんのえっちさとかさー」

「璃月‼」

「んー?」

「動く秘密基地ってカッコよくない?」

「うん、うん、カッコいいね。それに裾から顔をだして、私をキラキラお目目で見上げてる私の鳴瑠くんが可愛い。とはいっても、私のスカートの中が秘密基地ってのが、すべてを台無しにしてると思うの・・・・」

「僕、璃月のスカートの中、入るのすきだよぉー♡」

「いや、私。その秘密基地の中に入れないじゃん・・・・」


 確かに・・・・それはあるかも。思いながら、僕はこの秘密基地の居心地を確認する為に、顔もスカートの中へ入れることに。そして、思う。

 ふにゃ~、りちゅきのしゅかーちょのにゃか、あったかぁ~。

 スカートによって薄暗いそこは、脳が蕩けそうになるくらいにぬくかった。気を抜くと寝てしまいそうになる。また、上から伸びる2つの柱――璃月の足を食べたくなっちゃうよ。思うがはやく僕は「ぱくっ」と太ももを口の中にいれていた。


「にゃ、バカ鳴瑠‼」

「はむはむ」

「太もも、食べないで。くすぐったいよ・・・・ん♡」


 外から璃月の甘い声。

 それと共に、璃月が足をモジモジ動かしてくる。その拍子に、僕の顔は璃月の両太ももに挟まれてしまう。太ももでほっぺをムニムニ乱暴にされて・・・・。

 これはよもや、よもやだ。

 おっぱいとはまた違う、細いながらも柔らかな感触のある璃月の太もも。それが僕の顔を挟んでいるこの状況。僕は今だかつて、太ももに顔を挟まれた経験はない。

 膝枕はあれど、立っている璃月の太ももに挟まれたことはなかった。

 故に、これは新体験。 

 いい、いいぞ、璃月の太ももは、おいしいぞ‼

 何より僕が太ももをハムハムするたびに、気持ちよさそうにモジモジしてる璃月がかわいすぎるッ‼

 僕は璃月の更なる魅力を引き出せて、とっても嬉しかった。

 それはさておいて、僕にはスカートの中に入った時から思っていたことが1つある。太ももから口を放して食べるのをやめる。それから挟まれたままに思う。

 璃月のスカートの中って、いい匂いがするッ‼

 太もも食べてる場合じゃない。

 匂い、嗅がなきゃっ‼


「にゃ~くん、もぉー、はむはむしてくれないのぉ?」


 太ももハムハムで気持ちよくなってしまい呂律が回らなくなっている様子の璃月。彼女は寂しそうに、可愛いことを言ってくれる。だけどごめん、璃月。

 今はスカートの中の匂いが嗅ぎたの。

 心の中で謝って、僕は全集中‼

 鼻呼吸で、璃月の匂いを体内に取り込むことにした。

 はにゃ~、最高‼

 匂いを嗅ぐたびに、璃月はくすぐったいのか、更にモジモジし始める。

 可愛い。

 更に、僕は思うことができた。

 よくよく考えたんだけどさ、上を見たら璃月のパンツ、見えるじゃん‼

 なんで気が付かなかったんだろ。

 太ももに挟まれたり、匂いに包まれたりで、完全に失念してた。

 灯台下暗しとは、このことか。

 いや、パンツがあるのは上だけども。

 さて、ここで最初に知っておいてほしいことがある。

 それが何かと言えば、――璃月は絶対にパンチラをしない、ということ。

 璃月は僕の前であろうと、絶対にパンチラをしないのだ。

 パンツは見たことがある。

 履いていないのも、履いているのも、脱ごうとしているのも、履こうとしているのも。璃月のパンツ自体は何度となく見ていて、えっちだと思っていますとも、ええ。

 謎に敬語になっているのはいいとして。

 何より、僕が璃月にお願いをすれば、パンツを見せてくれたりもする。

 けれど、だ。

 しゃがんだ時には絶対に見えないし、見せ方もスカートをたくし上げたりは絶対にしない。

 彼女にお願いをすると、スカートを脱ぎ始めるのだ。もっと言えば、そのままパンツを脱ぎ始めるし、更には僕のパンツを脱がそうともする。否、絶対に脱がす。

 脱がされるのは最高なのでさておき、璃月なりのポリシーがあるようだった。

 曰く、『パンチラはヒロインとしての格が下がる』だとか。

 曰く、『裸よりもパンチラの方が恥ずかしい』だとか。 

 前にそんな話を聞いたことがあった。

 さすがの僕でも璃月が嫌がることをしたくはない。

 けれど、同時に璃月のパンツを、下から見てみたい欲がないわけでもない。

 多くの想いが複雑に絡み合う。

 そして、自分がめんどくさいことを考えているのが嫌になった。

 璃月は素直な僕が好き。

 今の僕が素直かと言われれば違うはずだ。

 正直に言う。

 僕は璃月のおぱんつ、下から見て見たい‼

 興味津々だよ‼

 大好きな子のことが気にならないはずがないじゃん‼

 最終的に開き直った僕がいた。

 さーて、見上げよっと。

 太ももに挟まれたままの僕は、どうにかこうにか顔を動かしてどうにか上を向く。それから〈アホ〉をよく凝らし深淵を覗いた。そして、ようやく見えてきそうになったとき――、


「にゃーくん。さっきからにゃーくんのかみのけ当たってくしゅぐったいよぉ。ん、もぉ・・・・たってらんないよぉ」


 ――言いながら我慢できなくなった璃月は腰を抜かす。

 もちろん、下にいた僕が彼女の下敷きになって潰されないはずもなく。


「はにゅー」


 下敷きになった僕は、璃月のパンツを見れずに終わってしまう。

 けれど、璃月に潰されるのも悪くないので、結果的には悪くない結末だ。

 僕は新たな深淵せいへきを覗いていたのだった。

 ちなみに、


「私のスカートの中が秘密基地だと、私が鳴瑠くんと入れないでしょ。寂しい思いをさせたのは怒ってるんだから。太ももで気持ちよくしてくれたのは、ありがとーだけど。それでも鳴瑠くんにはお仕置きが必要なんだから‼」


 とか言いながら璃月はほっぺを膨らませると、僕は服を脱がされて押し倒される。それから泣いても気持ちよくし続けられる快楽責めのお仕置きをされた僕がいた。

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