11章
第101話 正月その1 ベットの中
1月1日、ようはお正月。
僕が目を醒ますと、日付をまたぎ、年が明けていた。
・・・・。
あれれ。どうして僕は全裸でベットの上にいるのかな?
昨日の僕は夜更かしをして「朝まで璃月と遊ぶんだ‼」なんて意気揚々と言っていたはずなのにな。いざ蓋を開けてみれば寝落ちしていたわけで・・・・。
うわぁぁぁ、恥かしぃ‼
イキッてたみたいで恥かしくなってきてしまう僕がいた。
恥ずかしさのあまり、璃月のベットを転げまわりたくなってしまう。
さて、本当にしようかな。
ちょっと考えてみることにした。
まず、璃月のベットで転げまわるってことは、僕の身体に璃月の匂いがつく可能性が高い。また、璃月の匂いもかぐことが可能。何より、好きな子がいつも全裸で寝ているベットを全裸で転げまわるのってえっちくない?
・・・・。
・・・・。・・・・。
・・・・。・・・・。・・・・えへへ、ありだよ、これ。
考えただけでも興奮してきてしまう。
「今の僕って羞恥のあまり転げまわりたい気分なんだよね。さーてと、転げまわろうかな。むしろ、転げまわる選択肢しかないまであるよ、うん」
自分に言い聞かせるように呟く。
羞恥のあまりに転げまわりたい僕などここにはいない。いるのはえっちな理由で好きな子のベットの上を全裸で転げまわりたい
さーてと、左回転、右回転、前転、後転、はたまた側転、どれにしようかなー。
なんてアホなことを考えていると、布団の中から2本の腕が出てきて、そのまま僕の両頬を「むにゅ」と挟んでくる。それから頬の柔らかさをを楽しむように、むにゅむにゅとしてきて、気持ちよく楽しくなってきてしまう。
布団の中から出てくる腕というのは、なんともホラー要素が強い気がする。
だが今回に限ってはホラー嫌いの僕でも怖くはなかった。
手の形や爪の形、頬に当たる指の感触から璃月だとわかるし、璃月の部屋の璃月のベットから違う人が出てくるわけがない。もしも璃月以外が出てきたらホラーよりも怖いかも。何より璃月以外と裸で寝るとか僕が絶対に無理だし。
頬をむにゅむにゅされる僕はされるがままに。
璃月もむにゅむにゅするのに満足したのか、スポンと布団の中から可愛い顔を出す。そんな彼女はジト目をしていて、興奮してしまう僕がいた。
「もぉー、璃月。ジト目を送ってきちゃってさ、僕を興奮させないでよ、えへへ」
「全然、困ってなさそうだし。何より年明け最初の会話とは思えない切り出しだよ」
「璃月、璃月」
「なに?」
「ジト目、もっと、もぉーっとちょーだい」
「お年玉をねだるように何をゆってるのかなぁ!?」
言いながらも璃月はジトーっと僕を見てくれる。
何やかんやサービス精神旺盛な璃月が大好きだし、ジト目が可愛い。
もぉー、ちゅーしたい。
そんなわけで、ちゅーすることにした。
「ちゅっ」
「何、急に。可愛いなぁー。でも、これ以上、えっちなことはめっだよ」
「そーなの?なんで?えっちぃこと、僕にしてくれないの?」
「うっ、可愛い目でお願いしてもダメ、なんだから。パパとママがお家にいるんだからね。えっちぃことをしてるのパパとママにバレたら大変なんだからね」
すでに僕ら、全裸で抱き合ってベットに寝てるんですが?
とか思うがここはあえてツッコまないでおく。
「え・・・・」
「その反応なにかな」
「なんて言うか、璃月なら声を我慢するプレイとかで興奮しそうだし、えっちなことを平気でしてきそうだなって思ったり。あとは――」
「むっ、私はそんなにえっちくないけど」
文句を言いつつ、「あとは?」と続きを促してくる。
どれだけこの後、自分に損なことを言われるのがわかっていても、彼女は僕の話を聞かない選択肢はない。それくらい僕が大好きで、話を聞きたがりなのだ。
もぉー、ほんと可愛い。
そんな彼女に僕は、話しの続きを聞かせてあげることに。
「――何より、璃月が常識的なこと言ってて、僕は心配。僕の知ってる璃月はもっと非常識なんだけどな。熱あるかもだし。僕が寝かしつけてあげるよ」
「ヒドイことゆわれるのは察してたけど、普通にヒドイよ‼」
言いながら璃月は僕の頬をむにゅーと再び引っ張り、むにゅむにゅと手のひらで僕の頬を弄んでくる。これ最高。もしかすると、おっぱいを揉まれる感覚ってこんな感じなのかもしれない。などと元旦からどうでもいいことを発見する僕がいた。
こんなことを思ってしまうのも、元旦のせいで気持ちが緩んでしまっているせい。
ほら、元旦ってさ、お財布のひもも緩んじゃうじゃん?
それと同じで、脳も緩んで変なことを考えちゃうものなんだよ、きっと。
ほっぺたとおっぱいの揉まれ心地が同じなのかは、おっぱいが僕にはついてないから検証できないからおいておき。僕は1つ思うことがあった。これはきっと、今年の中で1番、すんごいことだと思うの(今年が始まって5時間)。
それが何かというと、もうちょっと璃月に呆れらればがら、文句を言われたりしたい僕がいなくないこともない(言われたい)。
切実な気持ちの僕である。
「・・・・鳴瑠くん。真面目な顔して変なこと考えてるでしょ」
「うん‼」
「元気なお返事は偉いけどね、そこは元気なお返事をするところじゃないと思うの。『どーしてわかったの!?』って慌てふためるところだからね」
「はーい」
「もー、絶対にわかってない。けどそこが仕方がない子で、可愛いんだから」
と呆れ交じりにお姉さんぽいことを言う璃月。
そんな彼女は僕の頭を愛おしそうに撫でてきて、撫でられるのが好きな僕としては至福の時間となる。だが、人間とは欲深いものだ。
故に、僕は撫でられる以上に、もと甘えたくなってきてしまう。
僕が思うがはやく、璃月は嬉しそうに笑い、僕に訊ねてくる。
「もっと甘えたい?おっぱい飲む?」
「甘えたい‼飲む‼」
「もー甘えんぼーさんなんだから。いーよ、おいで」
璃月は布団を少し持ち上げ、中に入るように態度で示す。もちろん、断る選択肢のない僕はそのまま布団の中に潜った。すると、今までは布団で隠れていた璃月の身体を見ることができ、お正月から縁起のいいものが見れたな、なんて思う。
縁起がよくなったところで、僕はさっそくおっぱいの方へ突入することにした。
――ぽふっ。
僕の顔を璃月のおっぱいが受け止めてくれる。
それから、
――むにゅっ。
我慢できなくなり、彼女の細い腰に腕を回してより密着する。
すると、顔全体に柔らかな感触が広がって、その柔らかさを楽しむように自然と何度も顔を動かしてしまう。はわわー、ずっとぉ、こーしてたい。
「な、なーくん。くすぐったいよぉー」
耳から伝わる璃月の声。
それを聞き、もっとくすぐったくさせたくなってしまう。
にしても、時折、服を着たままの璃月におっぱいを押し付けられることは多々ある。もちろん、それもいいのだが、やはりおっぱいは生に限る。
再確認させられた。
一生懸命、おっぱいに抱き着く僕を見て、璃月は何を思ったのか頭を撫でてくれる。そうすると、もっと甘えられている気がしてよかった。呼び方も、璃月お姉ちゃんにした方がいいのか悩ましい。悩み僕に、璃月は言う。
「もー、そんなに一生懸命、私のおっぱい飲んじゃって。かわいんだから」
「だって好きなんだもん」
「そっか、そっか、大好きか。ならしかたないね」
「うん」
「私のおっぱいはずぅーっと、ナーくんのだからね♡」
完全に子ども扱いをしている言葉。
だが、それがよかった
背徳感めいたものを覚えて心が快感に震え、彼女の声が鼓膜を揺らすたびに気持ち良さをどんどん強くする。好きという感情が湧き出て止まるところを知らない。
そう言えば、今日はまだおっぱいに関してしか『好き』と伝えていなかったことを今更ながらに思い出す。この気持ちを伝えることにした。
「りつきぃー」
「ん、なーに?」
「えっとね、あけましておめでとー。そしてね、璃月のこと大すきぃー」
「あけおめ。そして、ありがと、私もナーくん大好き。でも急に、どーしたの?」
「今日、ちゃんと伝えてなかったから」
「もー、ナーくんが私のこと大好きなの知ってるのに。でもゆってくれてありがと」
「それとね、ごめんね。イジワルなことばっかり言って」
「いーよ。許したあげる」
「そーそー、もう1つ言わなきゃ」
「ん?」
キョトンとする璃月。
そんな彼女に、照れくさいながらも、続ける。
「僕ね、年明け最初に璃月と会って喋れてうれしいんだ。きっと、いい1年に・・・・ううん、璃月とはずっと一緒だから、いい一生になると思うんだ」
「むぅー、ほんとに、ほんとに、ナーくんは私を嬉しくさせる天才なんだから‼」
言葉を聞いた璃月は、身もだえたかと思うとそのあとすぐに僕に覆いかぶさって、これでもかとちゅーをしてくる。ちょっといつもより激しめな気がする。彼女において「正月だし、少しゆっくりするか」などという一般的な考えはないよう。
とか、くだらないことを考えられるのも少しの間だけ。
脳をかき混ぜられるような、暴力にも等しい快感に、僕の思考は奪われてゆく。
無我夢中でちゅーを僕もするのであった。
この数時間後に、密かに思い出す。
今日はえっちなことしないんじゃなかったっけ?――と。
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