最終章part17『ホルマリン漬け』
牧野:東京駅 昼
牧野です。
記憶を失ったアミリンを連れて、色んな所を巡っています。
そして初めて会った東京駅前にアミリンを連れてきました。
「アミリン、ここだよ。ここでアミリンがタマのことを助けてくれたんだよ」
「・・・・記憶にねえな」
「アミリン・・・」
「というか、あたしとお前がお友達。信じられねぇなあっ。大体牧野とか言ったな。お前一体何者なんだ?」
「私は牧野玉藻。スケールっていう事務所に所属してる、駆け出しのミュージシャンで、レインバスの社員だよ」
「レインバス・・・うっ・・・」
アミリンが頭を押えて苦しがり始めました。
「アミリン、どうしたの? 大丈夫??」
「痛ぇ・・・レインバス・・・思い出したぞ・・・あたしは、そこで男に刺されたんだ」
「男? それ、ホントなの?」
「ああ、間違いねぇ。男だ。あたしは男に刺された・・・頭がズキズキするけど、思い出したぜ・・・」
私はこの事実を蘭にLINEで伝えました。
蘭:パトカーの中 昼
蘭です。今、成田警部補と共にレインバスに向かっています。
牧野さんからLINEがきました。
『蘭、アミリンが記憶を少し戻した』
『本当ですか?』
『自分を刺したのは、男だって!』
『男? 姉はそう言ったんですか?』
『うん』
『わかりました。教えていただき有難うございます』
『どう致しまして』
「誰からだ」
「短気なお嬢さんからです。姉が自分を指した人物を男だと言ったそうです」
「間違いないか」
「はい」
「今井警視に連絡しろ。一気に容疑者が絞れるぞ」
「LINEで伝えます」
「俺たちはこのまま引き続き、矢島実里の元へ向かう。いいな?」
「はい」
蘭:レインバス エントランス内 午後
蘭です。
レインバスに着きました。
受付には矢島実里の姿があります。
「行くぞ、女子高生」
「はい」
と、そこに、今井警視から電話がかかってきました。
「もしもし、蘭です」
「女子高生か? 今、法月の自宅に侵入した。」
「侵入? 管理人に頼んだんですか?」
「ああ、部屋の中にホルマリン漬けにされた朝稲小弦の頭部があった」
「・・・そうですか」
「法月幼成は、重要参考人だ」
「わかりました。こっちはどうしますか?」
「法月は俺が追う。女子高生は成田警部補と一緒に矢島の口を割らせろっ」
「了解です。では、後ほど本庁で」
「今井警視からか?」
「はい。法月幼成の自宅に、朝稲小弦の頭部がホルマリン漬けにされてたそうです」
「なんだと・・・大変だっ」
「私達は、矢島実里を吐かせろと指示を受けました、行きましょう。警部補」
「わかった」
私は受付の方に視線を向けました。
そこには指野さんと楽しそうに談笑している矢島実里の姿がありました。
私達はゆっくりと矢島実里に近づいていきました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます