最終章part13『蘇る名探偵』

牧野:GAM会議室 夕刻



 牧野です。

 ようやく耳も良くなって、今はアホネン師匠にジャズベースの弾き方を教えてもらっています。

 日下マネージャーも見守ってくれています。


「素晴らしいです。玉藻。あなたは天才ですね。上達が速いっ」

「本当ですか? ありがとうございます、師匠」

「なんか、アホネンが師匠ってアホみたいね」

「日下さん、酷いで~す」

「ごめんごめん。玉藻にとっても息抜きになるし、アホネン、これからもちょくちょく教えてあげてね」

「はい」

「よろしくお願いします、師匠!!」


蘭:大学病院 病棟 個室前 夕刻


 蘭です。

 学校帰りにお見舞いにやって来ました。

 眠っているお姉ちゃんの顔を見て、安心できたら、早速犯人探しに乗り出すつもりです。


蘭:大学病院 病棟 個室 夕刻


 蘭です。

 私が中に入ると、お姉ちゃんが上半身を起こして外を眺めていました。


「おっ・・・・お姉ちゃん!!」


 私がそう呼ぶと、我が愛しの姉が私の方を向きました。

 そしていきなりビンタしてきました。


「ブベラッ」


 痛い・・。


「誰だよ、おめえ。勝手に人の部屋に入ってくるんじゃねぇっ」

「ふえ?」

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