第4話Part11『女の中に男が一人』

長畑:レインバスエントランスホール 夜


長畑だ。仕事が終わった。今日は東矢は予定があるそうなので夜は遅いらしい。

俺は誘われたGAM会に行くことにした。

音声検索で店を探し、現地まで直行だ。


犬伏:カタルーニャ料理店 バルセロナ店内 個室席


 犬伏です。ようやく店内に着き、ルリたちとも合流しました。

 その席には狩川さんの姿もありました。

 やけに賑わっています。

「あら真希っち、随分早いのね」

「今日のために仕事を切り詰めてきたんですよ」

「犬伏さん、ご苦労様です」

「あら、牧野ちゃんも来てたんだ。」

「はい」

「今、指野さんからLINEが来て、今そっちに向かってるって。」

「本当ですか」

「うん、あと今日はスペシャルゲストもいるよ」

「スペシャルゲスト?」


長畑:海岸通り 夜


 長畑だ。海岸通りを歩いていると、指野さんと遭遇した。

「あら、長畑君」

「指野さん、お久しぶりです」

「やだ、今日も会ったじゃない」

「でも話すのは久しぶりですよ」

「そういえばそうだったわね。バルセロナに行くんでしょ? 一緒に行かない」

「はい、ぜひ一緒に行きましょう」

 こうして、俺は指野さんと一緒にGAM会に参加することになった。

「うちの牧野の仕事ぶりはどうですか?」

「凄い仕事熱心で、頑張ってくれますよ」

「そっか、よかった。営業事務は大変だけど、あの子なら出来ると思ってたの」

「指野さんの勘が当たりましたね」

「そうね、ちょっと安心した」

 そう言って、指野さんは俺に柔らかな笑みを見せる。

 正直胸がドキドキした。こんな美人に微笑みかけられると男としては別の意味で辛い。 

 俺は話題を変えることにした。

「今日のGAM会って、何するんですか?」

「特に何も、飲んではしゃぐだけよ。いつもと同じ」

「そうですか」

「男性の参加者は長畑君だけだから、女の中に男が一人ね」

「そうなりますね」

「まあでも長畑君なら私達も歓迎するわよ。あなたは真面目だしね」

「はは、ありがとうございます」


犬伏:カタルーニャ料理店 バルセロナ店内 個室席


 犬伏です。あたし達の席は狩川さんのおかげで盛り上がっています。

 牧野さんはアミリンの隣の席に座っていて、一緒に話をしています。

 あたしはというと、酒を飲みながらカタルーニャ料理のパエリアに舌鼓を打っています。

「う~ん、美味しい」

「流石GAMミシュランの星をもらうだけのことはあるわね。デートにも使いそう」

「ルリ、相手いない癖に」

「うるさいわね、別にいいでしょ」

「まあまあご両人喧嘩しなさんな、それより美咲ちはまだかな」

「もう酒が回ってベロンベロンですう」

 実理はすでに出来上がっているような状態でした。

 ちょうどその時、指野さんがれん坊と共にやってきました。

「おまたせーーー」



次回、衝撃の展開。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る