第4話Part10『夜はカタルーニャ後編』
犬伏:エレベーターホール 夜
犬伏です。すっかり夜遅くなっちゃいましたが、無事退勤できました。
これからカタルーニャ料理店でご馳走を食べに行くところです。
あたしがエレベーターで待っていると、指野さんがエレベーターから降りてきました。
「あ、指野さん。」
「美咲ちゃん。丁度良かった。私少し遅れそうだから、会を先に始めちゃってくれる」
「わかりました」
「あと、これ」
指野さんはポケットから髑髏の髪留めを取り出してきました。
「これ、玉藻のだから、彼女に渡しておいて」
「わかりました」
あたしは指野さんからバレッタを受け取りました。
「よう、犬伏、お疲れ様」
「あっれん坊」
「あら、長畑君。丁度よかった。今日のGAM会にあなたも来ない? ご馳走するわよ」
「本当ですか、じゃあせっかくだし行こうかな。まだ仕事残ってるんで、終わらせたら行きます」
「了解、タイミングを合わせて一緒に行きましょう」
どうやられん坊も来ることになったらしい。これは面白くなってきたな。
日下:カタルーニャ料理店 バルセロナ店内
日下よ。私達は道中一切何の問題もなく店に着いたわ。
「いらっしゃいませ、お客様」
「予約をした日下ですけど」
「ありがとうございます。席までご案内いたします」
「どうも」
「うわあ、すっごい高級そうなお店・・・」
「そんなことないですよ、意外とリーズナブルなんです」
「GAMミシュラン二つ星の名店よ」
「なんですか、そのGAM二つ星」
「私たちGAMが独自で調査した美味しいお店をミシュランに見立てて星をつけているの。」
「へえ、面白そうですね」
牧野さんが感慨深げに店内を見渡している。
「こういう店にくるのは初めて?」
「はい」
「じゃあ精一杯楽しむといいわよ。日常の嫌なことは食べて発散しないとね」
「日下さんの言うとおりですね」
「ははー」
網浜:カタルーニャ料理店 バルセロナ店内 個室席
アミリンです。私は今、バルセロナの店内にいます。
今日は久々のGAM会なので緊張しています。
と思っていたら、個室に牧野さんが入ってきました。
「あっアミリン」
「タマちゃん、どうしたの」
「今日の夕食会に参加することになったんだ」
「そうなんだ」
まずい。まだバレッタを見つけられてない。牧野さんに返さないといけないのに。
「アミリンがいてほっとしたよ」
「本当、うれしいな」
日下さん、矢島さんも個室に入ってきました。
「あっ日下さん」
「今日他の幹事の人は遅れてくるから、先に始めちゃいましょう」
「了解です」
楽しい宴の始まりです。
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