第4話Part4『アホネンの暗躍2』

アホネン:レインバス 営業事務所内 (朝)


アホネンでーす。

隣の席の長畑坊やはまだ帰ってきません。一体どこに行ってしまったのでしょう。

私はなんとなく長畑さんの机を眺めました。

するとあら不思議、机に髑髏のバレッタが置いてあるではありませんか。

これは確か牧野さんの物のはず。

はて? どうして牧野さんのバレッタを長畑さんが持っているんでしょう。

本人が困ってるかもしれないから私が回収して牧野さんに返しましょう。

そうすれば牧野さんの私に対する好感度も爆上がりというものです。

私はそっと長畑さんの机に手を伸ばしました。

「アホネンさん、何をやっているの」

その声は、沖田課長。

「あっいえ、ちょっと」

「今は仕事中よ。ちゃんと集中してね」

「はっはい」

「ん?」

あっ沖田課長の視線が髑髏のバレッタに注がれた。

「これは・・・落し物ね」

ああ、沖田課長がバレッタを持っていってしまいました。

なんということでしょう。



長畑:レインバス 営業事務所内 (朝)


長畑だ。休憩を切り上げて大急ぎで網浜と職場に戻ってきた。

自分の机を確認したが、やっぱりバレッタはない。

「ありませんか?」

「ああ、ない」

「一体どこにやったんですか」

「おかしいな、落としたのかもしれない」

俺は隣の席のアホネンに話しかけた。

「おい、アホネン。ここに髪留めとか置いてなかったか?」

「おーう、私、知りませーん」

「そうか、仕事中にごめんな」

「長畑さん、これは事ですよ。」

「わかってる。なんとかしないと」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る