第令和part5「元名探偵、今は刑事」
網浜凛:品川駅構内 午後
みなさん始めまして。あたしの名前は
年齢は21歳で、職業は刑事です。
これでも高校生の頃は名探偵として鳴らしていたんですよ。
今はその実績を買われて警察学校卒業後に本庁の刑事になりました。
現在はとある殺人事件を追いかけています。その殺人事件というのは株式会社レインバス社員の自殺事件。
表向きは自殺ですが、凜は他殺と睨んでいます。おかげでレインバス社内を出入りする生活を繰り返しています。
レインバスは大きな会社だから聞き込みも一苦労です。
GAMという社会人サークルの代表、小野木佳代殺人事件。
これが今アミリンが追いかけている事件です。
と、考えていると、前方から女の子と思しき声が聞こえてきました。
牧野「こらー、返せ! 泥棒!!」
どうやらひったくり犯を追いかけているようです。
凜は引ったくり犯と思しき男の前に立ち、背負い投げをして相手の動きを止めました。
そして手にしていたかばんを奪い取り、追いかけてきた女の子に返しました。
と思ったら何この女の子、めちゃくちゃ可愛い。イケメン。凜は思わず惚れてしまいそうでした。
いや、もうこれは惚れたかもしれません。
牧野「うわ、どうもありがとうございます」
網浜「こちらこそ、気をつけてくださいね」
牧野「はい」
そのイケメンガールは丁寧にお辞儀をすると、その場を去っていきました。
ああ、美しい。可愛い。でもイケメンでもある。凛は美しいものが大好きなんです。
はっこうしちゃいられない。レインバスに行かなければ。
網浜凛:株式会社レインバス GAM運営本部
アミリンです。社会人サークルGAMの運営本部にやってきました。実は凜もこの運営本部に参加しているんです。
このサークルの理念にほれ込んでしまいました。人との出会いと繋がりを大事にする、というシンプルだけど
奥が深い運営理念、素敵です。
でも流石に皆仕事中なので誰もいませんね。椅子に腰掛けてボーっとしていたら、犬伏さんが部屋に入ってきました。
犬伏「おお、アミリン」
網浜「犬伏さん」
凜は犬伏さんと抱き合い、再会を喜びました。
犬伏「今日も聞き込みにきたの? 大変だね」
網浜「はい、大変です。でも仕事だから」
犬伏「小野木さんのこと、あたしはもう話すことがないからね。でも彼女は色んな人と繋がってたから、いざ殺人事件となると誰が犯人なのか、雲を掴むようなもんだよ」
そうなんです。元社会人サークルGAM代表、小野木佳代。彼女の死はレインバスに暗い影を落としています。
しかも殺人事件とあっては社員たちの口も重くなりがちです。
網浜「指野さんはどちらですか?」
犬伏「専務とどっか行ったよ」
小野木佳代亡き後GAMを率いているのは副代表の指野美咲。本来なら彼女が新しい代表になるはずなのですが、事件が解決するまでは、と副代表のまま実質代表の仕事をしています。
犬伏「ねーねー、アミリン、知ってる?」
網浜「なんですか?」
犬伏「実は今度この会社に指野さんの従姉妹が契約社員で入社して来るんだよ」
網浜「へー、それは楽しみですね。犬伏さんはもうお会いしたんですか?」
犬伏「うん、ちょっとだけどすんごい可愛かった。さすが指野さんの従姉妹って感じで」
指野さんの従姉妹か。気になりますね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます