第49話 王都ギルドへ


 第49話 王都ギルドへ


 ふわふわのお姉さん=にょにょんさんだが、双子が「ふわふわのお姉さん!」と呼ぶため僕もそう呼ぶことにした。


 一緒にギルドに向かう途中、街の中の男性(特に中年)達の視線が双子に注がれているのに気付いた。出かける際に、洋服を選んでいたのだが、スパンコールのボディースーツをどうしても着て行きたいと言い張る双子を何とか(30分ぐらい)説得して、キツネのおねぃさんから購入したという浴衣を着せることに成功していた。着物を購入した時のおまけについてきたと言っていた。


 ピンクとブルーの浴衣に名前は知らないが花が描いてある浴衣でお揃いであった。背中の襟首のところに狐のお面がアクセントとして刺繍してあった。


 その可愛い浴衣姿で、カラフルなふわふわを「「はむはむ」」と食べているため、キュンキュンしている中高年の視線が注がれていた。


「さあ、もう少しでギルドにつくよ!ギルドは、各都市に1個大きな建物があって、その周囲の村に小さなギルドか立札があってどこでも依頼は受けることができるんだよ!」


 ギルドに入ろうかと思っていることを、ふわふわのお姉さんに話をするとお姉さんは、ギルドについて説明しながら連れて行ってくれていた。


「年齢制限は無いし、ランクの低いときには街のドブサライとかお使いクエストとか安全なものもあるから安心して登録していいとおもうよ!」


 ギルドのランクとは、水晶に手を置いてその時の実力と悪いことをしていないかステータスカードでのギルド長の判断で決まるとのこと。ランクは、SSSが現在再上位ランクで賢者様もSSSであるとのこと。

 ・・・そう、もう教える事は無いと言って山にまた籠ったあのハル先生がSSSだと言う。


 とんでもないランクが出るか年相応のランクになるのか、双子はどれくらいなのかなど心配と心配と心配と少しの期待を込めながら、ふわふわのお姉さんについてギルドへ向かうユウキであった。


「「ユウキ様、あそこにすっごい大きな建物が見えてきましたっ!」」


 付きつ離れず、ユウキの周りをまわったり先に走って行ってみたりとせわしかった双子が報告してくれる。


 双子が指し示す方向に、周りの建物とは別格に大きな建物がそびえ建っている。また、その建物に吸い込まれるようにたくさんの冒険者が列をなしている。


「登録にかなり時間がかかるんじゃないかなぁ・・・。お姉さん。どれくらいかかるんでしょうか?」


 行列を見て心配になったユウキは、お姉さんに尋ねる。しかし、お姉さんはにこにこしたまま「大丈夫よ」と言い中に入っていく。実は、初めての登録の人は王都では珍しい状態であるとのこと。なぜなら、普通の人は5歳で適性検査としてギルド登録を義務のように行っているとのこと。


 ・・・つまり、ユウキは普通の成長をしなかったためその機会を逃していたのだった。


 ・・・あれ?ということは、ユキと、フユも既に登録しているんじゃ?


 と思ったが、不遇な対応をされていたため、こちらも未登録であるとのことだった。だが、魔王族が登録できるのか、大騒動にならないかと別の不安も出てきた・・・。


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