第21話 くノ一再び
第21話 くノ一再び
父親に魔法の基礎を学び
執事から剣術の基礎を学んだことで
成長した体を動かしやすくなってきた。
以前、ゴブリンたちを倒してから奥に行っていなかったが
久しぶりに奥まで行ってゴブリン相手に魔法を試してみようと、暗い中心部まで移動してきた。
もちろん索敵魔法を使用しながらここまで来たので、特に危険もなく進んできている。
『ん?木の上に人影があるな…。』
それまで索敵には、小動物しか探知できていなかったが木の上に小さな人影が探知された。
さらに気づかれてしまった様子で相手が木の上を移動しようとしてしまう。
「僕は、敵じゃないですよ~!」
木の上の人に声をかける。
森の中で、人に出会うのはゴブリンなどをとした時以来なく
その際もなぜそこに人がいたのかも聞けなかったので、話がしたかったのである。
(ガサガサガサッ・・・ドスンッ!!)
声をかけてしまったことに驚いてしまった様子で、木の上から以前助けた女の子が落ちてくる。
相変わらず大きな胸が零れ落ちそうなくノ一衣装である。
落ちてきた彼女に手を指し伸ばしながら
「大丈夫ですかお姉さん。
こんなところで何をしていたのですか?」
声をかけると、その手をつかみながらくノ一の女の子は起き上がる。
手を触れた瞬間にステータスが表示され、
くノ一の女の子も年を重ね14歳になっていることがわかる。それ以外のステータス変化は見られない。
「こ・・・子供がどうしてこんなところに・・・。」
「あ・・危ないからこんなとこに来てはいけませんよっ!」
くノ一の女の子(桜・舞姫)は、自分も子供であることは棚に上げ僕に諭すように注意をしてくる。
以前、ゴブリンやオークから助けた時にはまだ2歳の体であったために同じ人物であることは気づいていない様子である。
「ん・・・っ・・・あっ・・・」
僕に注意をしてすぐに、頬が赤くなり悶えた感じに体をよじらし始める。
僕も何が起きたのかわからず眺めていると、数分で元に戻る。
「何だったんだろ・・・?ごめんなさいね・・・子供の前で変な声出しちゃって・・・。」
桜は、恥ずかしそうに謝ってくれる。
のちに分かったことだが、【隷属魔法】による効果であった。
僕は、なぜここにいるのか聞いてみた。
すると桜は、極秘任務であり他言無用であると前置きしたうえで
「この奥にある、オークたちの砦の監視をしています。
最近はほとんど動きはないのですが、以前私も襲われたことがあるのです。
なので、危険があるといけないから私も帰るので一緒に帰りませんか?」
今度は、丁寧に説明してくれる。これも【隷属魔法】の効果の一つで質問すると嘘がつけないようである。
今回は、練習台のゴブリンも居らず、桜の勧めもあるため一緒に帰宅することにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます