第20話 3歳の誕生日の出来事
第20話 3歳の誕生日の出来事
「ふぁ~
ママ!おはよう!」
「あっ!」
バタバタ、ポッテン…。
目を覚まし、隣で寝ている母へいつもの朝の挨拶をして飛び起きると、体のバランスが上手く取れずに転んでしまう。
その日、目を覚ますと体が大きく変化していた。
年を取ったからといってもいいのだがさすがにこれは…。
「ぱっ・・・ぱぱぁ~!
パパッ! 早く来て~!」
いつもはおっとりとした声でしゃべる母親が、おっとりとしかし慌てた声で父親を呼ぶ。
その声に驚いて飛んできた父と、メイド長のアリスも目を丸くして僕の姿を見ている。
「ユウキ・・・?
ユウキなのか・・・。」
そう、バランスを崩して転んだ先にある、鏡を見て僕自身が驚いている。
昨夜寝るまではまだ2歳の体であったのに・・・
鏡に映る姿はすでに5・6歳ぐらいに成長していたからである。
「ま、まあ・・・
ユウキは今日誕生日だから・・・
せ、成長したんだよな・・・。」
ちょっと無理な理由をつけて納得しようとする父親と、なぜかすでに受け入れて我が子の成長を喜んでいる母親がそこにいる。
生まれた時から、驚異的な力があったりしていたためか、屋敷の使用人も思ったより早く俺の姿に順応してくれた。
⦅お誕生日おめでとうございます!!
ユウキ・ア・スパラ様~!!⦆
昨年と同様、誕生祝をみんなでしてくれる。
目の前のケーキには
【お誕生日おめでとう 3歳 ユウキ】
と、書いてあるが、ろうそくは5本立ててある。
実年齢と見た目とどちらにしようか迷った跡が感じられ少しおかしくなった。
生まれたときにすでに立ったことや、1歳で木を倒したり、いつの間にか家から出ていたりしていたことも父親から聞いた。
さて、自分でも体の変化にまだ慣れてはいないが2歳の体より自由に動くことは間違いなく、魔法の練習でうまく発音できなかったところも発音しやすくなっていた。
この体の変化のことは、いくら考えても理由がわからなかったので考えないことにした。
~誕生日から数か月経過し、
家族や使用人と話もスムーズにできるようになり、外出も以前はお昼寝タイムだけしかできなかったが普通に遊びに出ることができるようになり
(遠方の闇の森へは隠れて行っているが)
ある程度は、自由に訓練ができるようになっている。
それまで知らなかったのだが、執事もかなりの剣士であったため剣術の練習相手になってくれている。
もちろんスキルを使用すると圧勝するのだが、基本的な体の動かし方などまだ習得できておらずいい練習になっている。
父親からも、以前は隠れて魔導書を読んでいたが今まで読んでいたことを正直に話して許可をもらって勉強することができている。
また、父親が魔導師であることもその時に初めて知り魔法の流れや基本的な制御の方法も教えてもらっている。
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