第22話 オークエンペラー

王宮を抱える大きな都市


【王都オルタナス】


現在その脅威となりうる存在が闇の森の中に潜んでいる。


桜は、その監視の任務に就いているが


はっきり言って、僕の特訓の邪魔・・・。


今回は、それを避けるためにユウキが少し努力をします。


あと、脅威のオークたちの動きも・・・!


第22話 闇の森での特訓(本番その2)


楽しく読んでもらえればうれしいです!



 第22話 オークエンペラー


「キャー!


ぱっちぃぃぃぃぃぃん!!!」


 目の前に、若い女の子のおしりを触って叩かれている司祭のような人が見える。


 「おっ! 城の中の人の動きまで見れるようになってきた!」


 僕は、前回、特訓をしようとして桜に邪魔されてしまったため索敵魔法の強化を1週間していた。


 その成果により、【探索魔法】が規定レベルになり【遠視魔法】へ進化した。


「さてと、森の中を見てみるか。」


 森での特訓を再開するにあたって魔物以外は邪魔になる。そのため、誰もいない時間帯を狙って特訓することにした。


「ん~。今は、また桜がいる・・・な・・・」


 おやつのケーキを食べながら【遠視魔法】を使用すると桜が隠れているのが見える。


 そういえば1週間に1回は桜の見回りだった気がする。



「桜がいつ動くのか今日は観察するか…」


 桜の動きを見るために常時【遠視魔法】を発動させることにした。


 現在、おやつタイムであるため大体、昼の3時ごろかな?


 しばらく魔導書に没頭していると、アリスが夕食の準備ができたと呼びに来る。


 大体同じくらいのタイミングで、桜が移動をはじめて城に報告に戻り始めている。


 どうやら夜は、見張りはやめるか変わるようである。


 夜も森を見張っていると、見張りの姿はない。


 しかし、ゴブリンやオークたちが砦から森の入り口近くまで移動しているのが見える。


「なるほど、夜は活発化するのか・・・。あれじゃ見張りに入るとやられてしまうな・・・。」


 しかし、ゴブリンたちも反対に人界を見張るように森からは出ようとせずに朝までには砦に引き上げていく。


 数はかなり多く、見張りだけでも数百は出てきているようであった。


「前倒した分よりゴブリンの数が多くなってきているか…?」


 少し嫌な予感がよぎる。


「早いうちに特訓というより倒したほうがいいのかも・・・。」


 夜は、自由に特訓ができることが分かったため、明日の夜から少しずつ倒していくことにした。


~オークの砦


「ようやく・・・。


ようやく兵力が1万を超えた・・・。


何かわからない敵に半分倒されてしまってから、ようやく兵士が揃った。」


 人間の女たちは、すでに精神は崩壊しており使い物にならなくなっていた。そのため、同族交配での繁殖を経て以前の兵力の倍にまですることができた。


 これで、城を攻め落とし人間の女たちをさらにかき集めて欲望のままに蹂躙できると、幹部たちはにやにやしながらエンペラーの出撃の号令を待っていた。


 そして、ついにその日が来たのである。


 幹部全員が、エンペラーの前に呼び出される。


「皆に告ぐ!


この日をもって我々はこの森より出て


あの城を奪い取る!


今より部隊を整え攻撃ののろしを上げよ!!」


⦅うぅぅうぅぉぉぉぉ!!!⦆


 幹部全員が、雄たけびを上げ部隊編成のため我先にと扉を開け散っていく。


「ようやく・・・


ようやく念願が叶う・・・。」


 幹部が全員居なくなってから、【オーク・エンペラー】は感慨深そうにつぶやいた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る