第8話 幼児期
第8話 幼児期
大きな庭が広がる。その真ん中に、これまた高さ4メートル幹回り2メートルほどの大きな木がそびえ立っている。
最近、1歳になった我が子。生まれた時から立ち上がったりと不思議な子であったが、あれは気のせいではなかったかと思うほど、その後は普通の赤ん坊と同じように成長していた。
そう思っていた…。
バキッ!
ドゴッ!
バキバキバキッ!!
ドーーーーーン!!!
「…。」
「…どっ…どうしたっ!!」
書斎で、ゆっくりと魔道書を読んでいると乾いた音が庭から聞こえ屋敷が地震のように揺れる。
「ごっ!
ご主人様〜!」
メイド長が、慌てて書斎に駆け込んでくる。一緒に中庭まで来て欲しいというため行ってみる。一応、杖も手に取り…。
なっ…
4メートルもあった大木が根元からポッキリと折れている。
「ア、アリス。
これは何がどうなったんだ!?」
状況の理解に苦しむことが目の前で起こっている。何故なら、折れた木の根元には二階の寝室で妻と一緒に寝ていたはずの1歳の息子がキャッキャと手を叩きながら笑っているからである。
「はい。ご主人様。
私も、音に気づいて来た時にはこの状態でして
先程は、土煙が凄くお坊っちゃまの姿は見えなかったのですが…。申し訳ございませんでした。私がちゃんと見守っていれば…先程まで眠っておられたのに…。どうしましょ…。」
これ以上、アリサに聞いても混乱してしまうだけであろう為、取り敢えず息子を二階に連れて行ってもらうよう指示を出す。
二階に戻ってからは、また妻の隣でスヤスヤと眠ったと報告がある。ふと、妻がこれだけの音と揺れでも起きないことに疑問が湧いたがあまり気にしないことにした。何故なら、妻はとても天然の部類に入るからである。
〜2歳の誕生日の日〜
『ん?
んんっ?
確か、パソコンの画面を見てて…
何か声が聞こえて…
んと…。何でこんな豪華な食事が…?
分からない…。知らない人がニコニコと笑いかけている…。』
「スパラ家の御子息。
【ユウキ•ア•スパラ】様。
2歳のお誕生日おめでとうございま〜す♪」
秋葉原くらいでしか見たことのなかった、メイド姿のかわいい女性達が声を揃えて言ってくれる。多分、僕に向かって…。
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