第3話 女神かな・・・? その1

 夢を見ていた。


 小さい頃の夢。


 友達の家に遊びに行った帰りに、自転車で車に撥ねられる寸前に淡い白い光に体が包まれていた・・・。


 試験を受けている時に、大量の情報が頭に流れ込んできて整理をするのが大変だった・・・。


 大学での初恋の彼女の肩に、黒く目が赤く光っている怪しい生き物が乗っていた・・・。


『ん・・・???』


 今まで、見たことがあるが何か違う夢が次々に浮かんでは消えていっている。


『この映像は・・・何だ・・・?』


 頭で整理しようとしていると、どこからともなく声が聞こえてくる。


「・あ・・む・・・。」


 どこかで聞いた声だな・・・。


 あぁ。PCの声か・・・。


 ん??


「アーム・・・

 アームストロングさんっ!」


 『ぶっ!!』


 夢の中だが、ズッコケそうになった!

 

 僕は、頭の中に響いてくる声に向かって反論する。

『いやいや、それは前していたゲームの名前だからっ!

 リアルで呼ばれるとかなり恥ずかしいから!』


 すると、謎の声が

「す、すみません!

 この名前しか知らないもので・・・」


 僕は、その声に対して答える。

『ユウキ。

 アズマネ ユウキが本名だから!』


 何で自分の名前を素直に教えてるんだと思いながらも答えてしまっていた。


「すみませんでした。ユウキさんですね。

 この度は、私の管理しているこの世界を救っていただけるということで、とても興奮していて申し訳ありませんでした。」


 まあ、夢だし自分の都合のいいような展開なんだろうなと思いながら話を聞いていると、声の女性はだんだん良く訳のわからない話をしてきた。


『そろそろ起きようかな・・・

 起きないと嫌な夢になりそうだ・・・。』


 など思っていたがなかなか夢が覚めない。


「あの〜。


 聞いてますか〜?


 聞こえていますか〜?


 お願いだから聞いてください~(泣)」


 突然、顔の前に見たこともないような美女が鼻がつきそうな距離で、涙目になりながら話しかけてきた。


『こんな美女・・・。都合よすぎる夢じゃないか。』


 今まで見た事もない、これこそ美女と呼んでいいぐらいのきれいで整った顔に、大きな胸と引き締まったウエスト、白い洋服に入った大きなスリットから見えるすらりと伸びた透き通るような足。すべてがユウキの理想とする女性像であった。


『夢だから、自分の好みが反映されたんだな・・・。』


 ユウキが、やっぱり夢だと思いながらじろじろと美女を眺めていると、美女が少し足をユウキの視線から隠しながら


「夢じゃないんですってば〜。

 お願いですから話を聞いてください〜。」


 と、さらに涙目になりながら話しかけてくる。


『いや、夢でしょ・・・。

 美女さん体浮いてるし・・・。

 じゃなきゃゲームの世界にでも迷い込んだか?』


 最近、流行りの異世界モノの話を思い出していた。



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