第2話 アスパラガス戦記・・・?

 第2話 プロローグその2


 鹿児島の田舎町で生まれてから高校卒業までずっと生活してきた。


 家族は、両親と妹が1人の4人家族。


 仲が特別悪いわけではなかったが、何となく一度は都会に出てみたいとのありふれた理由で東京の大学を受けて何の間違いか受かってしまった。


 幼少期から自転車で轢かれてもかすり傷だけ、勉強してなくても何かの試験を受けてもなぜか受かる。(学校の成績は下から数えるのが早かったが・・・)


 このまま、トントン拍子で大学を卒業して、とりあえず就職して恋愛して結婚して子供ができて、縁側でお茶をすすりながら老後を過ごすのだろうと思っていた・・・。


『どうしてこうなってしまったのだろう・・・』


 運がいい人生を歩んできただけに、この失恋からの挫折から立ち直れずに、もう2年経とうとしている。


『まあ、考えても今は何も改善しないか・・・』


 何となくいつものように一瞬人生を嘆いてから、起動したパソコンの画面へ意識を移した。


『さてと』


 今夜は、一大決心をしていた!

 世間の人から言わせたら何が一大決心だ!大袈裟な!と言われそうだが…。


 あえて言おう!

 今夜は、『 一大決心をしている!』と。


 失恋冷めやらない頃から、無課金で頑張ってきたMMORPGが衰退気味になってきて過疎化してきたため、今夜引退し新しいMMORPGを選ぶと決めていた。


 先ず、今まで残っていたギルメンに引退の報告をし、もし新しいところであっても同じキャラ名で作るつもりだから声をかけてくれと、名残惜しく話をしてログアウトした。


 不思議とあまり悲しさはなかったが、少しうるっとしている自分がパソコン画面に映っていて涙を拭った。


『楽しかったなぁ・・・』


 少し感傷的になってきだしたので、新しいゲーム探しにパソコン内をサーフィンする事に集中した。


『あまり他のゲームを気にしたことはなかったけど・・・新しいゲームがかなり増えてるな。』


 今まで、幾度も目にしたことのある有名どころから、見たことのないものまで説明文を見て回る。


 2時間ほど見ていたが、日本発のもの、アメリカ、韓国など色々とあったが今までしていたMMORPGよりいいと思えるものがまだ見つからないでいた。


 すると、


『おっ・・・』


 絵と動きが今までのものに似ているが、まだ、参加者も少なく出来たばかりであろうものにふと目が止まった。


・・・?』


『いや、名前がアスパラガスって・・・何これ?』


 取り敢えず、どんなものか試しにダウンロードしてみようとクリックする。


 PC画面に


 転移しますか?

【YES】 【NO】


 と出る。


『転移?どういう事?』

 取り敢えずYESを押してみる。


 すると再度PC画面に


 転移しますか?

【YES】 【NO】


 と出る。

『あれ?さっき押したよね?』

 と、もう一度YESを押してみる。


 すると、今度は頭に直接優しそうなでも、少し戸惑いがあるような女性の声で


『本当に転移してもよろしいですか?』


 と聞かれ

 いい加減に早くしてほしいと、またYESを押して


『あれ…?』


 声?と思った時には意識が飛んでいた。


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