4の1話 『義妹、
結婚して初めて、ケンカをしてしまった。
何のことはない、最近目に余る勢いだった
その後あーだこーだ言い合って結局仲直りしないまま、僕らは一日のスケジュールをこなしてしまって、今に至る。
「……入りずらい」
僕はなんと切り出していいかわからず、暗いアパートの扉の前で途方にくれる。
「……謝ったらいいんだろうけど、今後のことを考えると、ためにならない気がするし……あーもうッ」
やけになった僕は、構わずにドアを開ける。
「……あっ」
居間からは相も変わらず、今晩も別居中のはずの
「……ずいぶん遅いご帰宅ね。……一体どこをほっつき歩いてきたのかしらっ?」
しかしそこにいたのは
「な、……
「……お久しぶり、
明るめの茶色の髪をゆるふわカールに巻いた、
そんな彼女は、女子中学生にして……
……
「……お腹すいたでしょ? ほら、はやくこっちきて。まずは夕ご飯にしましょっ」
「え、あの……何でキミが?」
「そんなの後でいーでしょ? はい、お箸。じゃあ
「……い、いただきます」
言われるがまま席につき、手を合わせてしまう僕。
食卓にはご飯と味噌汁にサラダと、煮込みハンバーグ……、見た目はかなり美味しそうな感じだけど。
「はむ。はむはむ」
「どーかな?」
「うん、めっちゃ美味しいよっ!!
「ふふ、そうでしょそうでしょーっ」
「……それにしても、褒めるついでにさりげなく口説いてくるなんて。まったく
わざとらしく頬に手を当て、意味ありげな視線を送ってくる。
「いや、どうするも何も……別に口説いたつもりはないし、逆に嫁の妹口説いてどうするのか、こっちが聞きたいくらいなんだけど?」
「またまたァー。
「違うわ! 何だその歪んだ印象ッ!」
「はーやだやだ、何で世界は、こんなにもロリコンばっかりなのかしらっ」
「ちょっとっ? 人がロリコンの前提で、話を進めないでくれます?」
「えー違うの?」
「断じて違いますッ」
「……JKには、手を出したくせに?」
「……ッ!」
思わず僕は、箸を持つ手を止める。
本気で言っているのか、それとも冗談なのか、計り知れないトーンだった。
「……2歳差は、ロリコンとは言わない」
「ふーん。……ねぇー、じゃあ、4歳差は?」
長いまつ毛の間からの流し目が、僕を捉える。
「……ロリですね」
「えー、なにそれー、つまんないなぁー」
「年上をからかって面白がるのも、僕はどうかと思うけど?」
「もー、わかってないなぁ、
「どゆこと?」
「……世の中にはお金を払ってまで、JCと会話したがる人もいるんだよー? 実際ここはー、
「そうかもだけど、そんなこと平気で言ってくるJCに、有り難みとか言われてもな……」
「あははー、言えてるー。……でも」
すっと、
「JKのほうはー、どう?」
「……」
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