第10話 進路先は傭兵ルート
この成長と退化を繰り返す世界において、就職は終身まで現役となるモノが多い。
冒険者然り、傭兵然り。
国家の暴力装置が軍隊。血流は物流だ。
政治形体は君主制や王政が多く、民主制は少ない。強者に蹂躙されにくく、不便で辺境な国でなければ、議会や議院制による多数決の決定を、待つ時間は無い。
ハッキリ言って、民主制はメリットより、デメリットが多めだ。
独裁でも王政でも良いから、決定までの時間や権力は、国の代表たる君主に掌握させ、地方を貴族や領主、役人に任せておく。
賄賂等の腐敗はあるが、手足が腐っても替えは効く。民主制では手足の駄々に付き合うと、頭まで死に絶えてしまう。
何より、異界の土地は王政や貴族の土地だったモノが多く、民主制の国に混ざっても、異物感が強く簡単には馴染めない。
故に王政や君主制の色合いが強く、そんな国々の国境付近では小競り合いが多い。
隣国であれ、遠い国であれ、分かり合えないから他人であり、他国だ。合併や合同が簡単なら、国境とか思想とかに縛られる事もない。
資源の譲り合いが可能なら、小競り合いも戦争も、ましてやゲリラ戦に山賊や盗賊は発生しにくい。
衣食住に礼節、これらが民度に直結する。満ち足りていないから、暴力沙汰が多くなり、他人を平然と騙す。
尊厳については最初から無い。死んでもクローンや転生があるからだ。クローンとかが確立する前は、それなりに人権について尊重されたが、蘇生や転生が身近となり、死と生への恐怖に執着はほぼ皆無。代わりに、借金への恐怖が植え付けられた。
死んでクローンになって、更に死んでも転生したり、蘇生されたりすれば、借金は山積みとなる。幾ら働いても借金が減らない。そんな状態となる。
返し終えるまで、この世に戻されて働かされるのだ。
踏み倒しは出来ない。が、利息はないので、働き続ければいつかは終わる。
死ぬ危険が少ない職業ほど、低賃金。死にやすいと高収入が見込まれる。
ダンジョンで死なないまま攻略すれば、装備品を新調してなお一財産は稼げる。
繰り返していけば、有名になって仲間も強くなる。正のスパイラルだ。まさに理想形の冒険者。
軍隊もダンジョンの攻略に成功すれば、有名な部隊として一目置かれる。
ただし、戦場では勝手が違う。
兵站や補給を意識しなければならない。
ほぼいつでも帰れる、死んでもリスポーンする、ダンジョンではない。
死んでしまえば、ネクロマンサーによる死兵やゾンビ、さ迷う手足だけとなって、戦争が終わるまで戦わされる。
逃亡しても、ナノマシンで追尾される。
戦場にダンジョンが出来たら、呉越同舟で偵察と攻略を行う。
土地が転位した場合は、双方から殺戮と略奪され、土地しか残らない。死んだ原住民は双方のネクロマンサーが使う。
モンスターが戦場に現れたら、殺して素材の奪い合い。モンスターのスタンピードなら、合同で始末していく。
他国とも協力するのは、ダンジョンの勢力やモンスター達からすれば、どちらも同じ人間だから見境がない。だから三つ巴にはならず、早めに処理される。
そして、人間の敵は人間となるのだ。国同士で争い、同族を殺す。
亜人も国に属する以上、どこかの国の国民として戦う。人間と亜人が同列となるが、軍隊内部で抗争が起きれば、他国に攻められ、モンスターにやられるだけだ。
内ゲバは人的資源と弾薬の浪費でしかない。
それすら理解していない連中は、自軍が招いた強者によって粛清される。
強者にとって、群れた弱者ほど目障りな存在は無い。
足を引っ張るなら、容赦無く巻き添えにしてでも処分する。戦場で事故は付き物だから、問題無し。
文句を言うなら相手国の強者として、戦争へ参加するだけだ。
それだけの実力や権利はある。強者を蔑ろにする国は、別の国によって滅ぶ。
基本的には厚待遇だが、給料は安い。接待と金は別と言える。
払うべき金すら払わないようなら、内側から潰されるだけ。
内部での派閥抗争と強者による粛清は別モノ、もし、強者による粛清中に攻めて来たとしても、前線の兵士は死ぬだけである。
ゴーレムやオートマトンを投入して、ようやく強者を抑えられるものの、全身義体や部分義体では、少し分が悪い。
義体は元人間である為、人間以上の反応速度は短時間しか意識的に行えない。また、骨格が耐えられる威力程度しか、格闘も出来ない。どうしても人間の脳による処理が追い付かないのだ。
電脳による補助や、魔法による知覚認識向上を使っても、全力稼働は一時的にゴーレムを上回るだろうが、ゴーレムの骨格防御や反応速度と比べると、威力が足りない。倒せない以上、勝てない。
強化外骨格やらパワードスーツを駆使しても、格闘では足止めがせいぜいとなる。
重火器や魔法は、ほぼ当たらないか、そもそも効かない。むしろ、ゴーレムが装備する重火器を、防ぐ事の方が難しい。
大きさも人並みから四メートルとバラバラで、それでいて普遍的な戦力を持つ。あと、素早くて機敏、タフで硬い。
割りとどうしようもないのだ。
しかし、序列六十位以上の強者は、異能や魔法で粉砕する。
人が造った以上、人に壊せない道理は無いと言わんばかりに、地形もろとも破壊していく。
当然、巻き添えとなる歩兵も少なくないが、跡形もなく消失してもクローンとして甦る。この代金は国持ちなので、借金にはならない。
戦争の後片付けも軍と強者が行う。
ただし、家屋や家畜は戻らないので、インフラや街の復興はゼロからとなる。
道路に橋、ダムやトンネル等は軍の工兵と地元の土建が造り、戦場になるとまた破壊される。
カイ達が通る道路も、壊されたのは一度や二度ではない。
車や二輪車が通る、道路の状態は良好だ。
ただ、田舎故か交通量は少なく、トラックやバスが多め。
リヤカーやサイドカーの車輪を付けた、荷雪車をガイスト・アーマーに牽かる。流石に荷雪車をそのまま使うと、摩耗が早まるので、リヤカーモドキに改造したのだ。
「なんで荷雪車だったんだよ」
「加工しやすかったから」
「車輪も最初の一つだけで、ガイスト・アーマーやショート達が作ったらしい」
「ついでに、廃人達も手伝わせたわ」
ソラの主力である廃人な冒険者達は、ギルドに返還されている。
連れては行けない、廃人には廃人の生活があり、医療費は病院や看護士に還元されるもの。
「……まぁ、車輪なんて丸太の輪切りに、穴を空けただけだし」
「ベルトは樹皮を編んだモノ、服を草で作る要領で、冒険者達は作っていたわね」
ゼロからの、サバイバル術による応用だ。リクやクウも、手間取るが濾過装置や火起こしが出来る。
インフラが整っていない僻地だったり、山奥や孤島では必須技能だ。いまだにダンジョン内や戦場で使われている。
ダンジョンの場合、階層が深いと飲み水が不足し、戦場では浸透襲撃の準備中、どうしても物資の補給が受けられない状況となる。
敵基地で自軍の兵站を頼れるなら、浸透襲撃とかそもそもしない。
「スケジュールは大丈夫だっけ?」
「道なりに行って、隣町から鉄道に乗り、最寄りの空港で外国へ向かう」
「チケットやら切符は手配されているから、遅れるとマズイ」
「ガイストの牽引だと、間に合うけど、ギリギリね」
鉄道や空港もあるが、マリ達は送り出したらノータッチだった。手のひらを返したかの如く世知辛い。
道中は盗賊やモンスターも出るが、移動しながらの戦闘となる。
盗賊は盗ったバイクや車で襲って来るだろう。おそらく無免許だし、燃料も乏しい上、臭いし外見の汚れも酷い。
「ところで、盗賊と山賊の違いって、何?」
「山間部に出るのが山賊、その辺に湧くのが野盗やら盗賊」
海賊に空賊も居ると聞く。
落ちぶれた冒険者や、除隊した兵士が山賊になる事もあり、空賊は愛機を用いて輸送ヘリを狙うそうだ。ちなみに、愛機となる戦闘機を壊されるくらいなら、嫁代わりに貰うと言うのが、連中の主張だったりする。
ヘリや船をパクり、賊として生活する内に組織の一員となるケースもある。
統率の取れた山賊や海賊は、野良の軍隊だ。軍隊のノウハウを活かして、効率良く襲っては奪う。
町や村を支配する代わりに、モンスターとも戦うので、シャバ代を払う村長は、意外と多い。
そんな連中は傭兵稼業もする。有名になると、貴族の私兵として雇われたりもする。
が、財産を奪ってばかり、人を殺してばかりだと、軍隊や強者が黙っていない。
そこそこ使えるからこそ、国も基本的には所在地の確認だけで済ませる。
これで麻薬を配るようなら、潰す方向で動く。
身の程を弁えた山賊や海賊は、町や村としても有難い存在だ。あまりいないが。
傭兵としての戦力は、装備や兵站能力、練度によってバラつく。
国軍と同等の傭兵集団も居れば、自警団と変わらない小さな傭兵達も居る。
給金は活動内容で差が大きい。偵察と基地周辺の治安維持、戦場で何をどうしたか、自分達の手勢のみならず、自軍兵力の損耗を最小限に留めたかどうか。
デスクワークや後方支援はどうだったか。
真偽は直ぐに分かるので、虚偽報告は無意味だ。
査定やら監査やらを通して、働きに見合うだけの金や、現物支給となる。
故に、盗賊は怖くないが、山賊は怖い。カイ達でも規模次第では殺されるだろう。
基本的に殺ったら殺られる。だから、手を出すのは相手から、となるのを待つ。
それまでは言葉の応酬や威嚇に留め、警察機構の到着や連絡をする隙を伺う。
殺し合いは最終手段だ。そして、殺し合いになったら、一人残らず殺す必要がある。復讐やストーカーを予防するには、改心よりも死体が一番の特効薬。
モンスターの場合は、殺して素材を剥ぎ、残った部分はモンスターの魂を憑依させ、フレッシュなゾンビやスケルトン、または浮遊する死骸として、ソラが管理する。
「盗賊は売れる、生け捕りなら高値がつく」
「それって、内臓の鮮度の関係でだろう?」
距離にもよるが、輸送距離が短いなら縛り上げて、自力で歩かせる。遠いなら死体にして、臓器を冷凍保存する。鮮度次第で移植用、生け贄用、モンスターの食用とかに分類される。
無理なら耳や鼻を削ぎ、教会で蘇生や、病院でクローンとして復活させる。マージンが入るのでおいしい為、生かすも殺すも勝者次第だ。
警察に突き出しても、取り調べた後で一旦殺される。捕まえた人と、殺した人にマージンが分配される。
逆に蘇生させないと、高い罰金を取られるので、ほとんどの人が蘇生処置を行う。
被害者が加害者を返り討ちにして放置したとする。最悪の場合、被害者が警官や弁護士に殺され、喧嘩両成敗な感じに蘇生。両人が死んだから罪に問えない上、借金だけが残る。死人を裁く法もなければ、人権もないので、警官や裁判官も平然と殺す。
ガス、電気、水道のライフラインに道路や車、鉄道に飛行機と、ほとんどの国がインフラを整備しているのだ。なのに、人権はない。復活や義体、クローンがあるので、命の値段は安い。
そのくせ、モンスターの命は高価だ。テイマーやサモナー、ネクロマンサー、錬金術師、有効利用する方法は幅広い。
が、ダンジョンのモンスターは野生のモンスターよりも安値で売られる。深部のモンスターなら価格も上がるが、浅い階層のモンスターは、人間より少し高い程度だ。
「拘束して私の近くに置けば、ゲット出来る様になったわ」
「あ、俺も異能が成長して、雑談するなり、聞かせるなりするだけで、好感度が上がるんだ」
「僕は、何故か闇魔法を覚えた。呪いを集めていたから、闇への耐性と闇系統に、なったんだと思う」
「私は、種族特性が強化したよ。貯水や吸収、毒物濃縮、成分分離、捕食者としての管理もある」
クウはカイの目を見ながら話す。暗に、薬物投与な特性の実験台となれ。そう言わんばかりだ。
「誰か助けて……」
青ざめるカイを見て、リクとソラは明後日の方向へと顔を向ける。
有用な特性能力なのだろうが、カイの犠牲によってクウは強くなる。
「大丈夫、脳内麻薬でエンジェル・スマイルになるだけ。微笑みつつミルクを出していれば、それで済む」
クウはカイを逃がさない。肩を掴み尻を撫で上げる。
「……インテリジェンス・アームズはどう?」
「基本的には、メイルとショートの人格だけが、表に出ているな」
複数の
なので、代表はメイルとショートだった。ついでに言うと、ハーレム状態ではリクの身が持たない。知性的武器の全員とソラを相手にしたら、どう頑張っても腎虚するし、腎虚しても止めてくれないだろう。
五感を共有しているので、メイル達へのスキンシップは、全員に還元される。感受性の個体差を除けば、好感度は少しずつでも上がっていく。交代しなくても、全員がリクを、それぞれのイメージやらフィルターやらを通して好みのマスターに見ている。
認識への補正もあるので、武器毎に違って見えてもいる。都合の良い共有であり、そうであればいい、と言う願望の虚像しか見ていないとも言う。
つまり、リクの中身や外見はどうでも良いのだ。だから神通力の触手でもみくちゃにする。メスいき、ショタなぶり、それぞれの性癖を満たすだけに、穴という穴を責めるのだ。
ソラはそれを見て、嫉妬やら独占欲を爆発させ、私も私もと締め上げるので慈悲はない。
「と、ところでさ。知性的武器って、魔法や異能はあるの?」
「異能は無いけど、神通力を使える。魔法と似て非なる後天的なチカラらしいぞ。勿論、魔法も使える奴が居る。どっちかにしか集中出来ないから、同時に使う事は無いんだってさ」
堂々とセクハラ的な痴漢をされつつ、カイがクウと見つめ合い、いや蛇に睨まれた蛙の様に固まったまま、リクに問うと、返事は来るものの、依然としてソラと遠くを見ている。決して、薮蛇でソラに注目されたくは無いのだ。
「闇魔法って、どんなの?」
ソラもクウと内ゲバは面倒なので、それとなくリクに聞いている風を装いつつ、興味本位でカイに聞く。
「デバフを与える呪いや、闇や影を操り、暗黒を作って、状態異常を敵へ与える魔法」
呪術寄りの黒魔法であり、呪術と闇魔法、黒魔法は厳密には似て非なる系統である。
呪術は、相手の毛髪を利用して攻撃する。藁人形に五寸釘を使うのが有名だろう。
石化に即死、死体をゾンビにして操る死霊術とも被るが、死霊術ほど融通は効かない。
要するに、殺意や殺気を込めるのだ。
闇魔法は影や暗闇を使う。視覚を塞ぐ上、自分や周りの地形、または相手の影で身動きも縛る。
負の感情による精神攻撃も可能だ。
黒魔法は攻撃全般の総称で、ファイヤー・ボールとかも含む。広く浅くな魔法形体なので、専門性の高い魔法系統には遅れを取りやすい。
例えば、死霊術と黒魔法の使い手が戦えば、事前にゾンビをどれだけ用意出来たか、黒魔法は魔力の残量や回復量、それに見合う魔法戦で、継続戦闘能力をどれだけ残せるかで、勝敗は別れるだろう。
ちなみにカイの闇魔法は、正確に言うなら暗黒魔法となる。
呪術、死霊術、闇魔法を含めつつ、黒魔法よりも深めに系統化された魔導。
つまり、特化型の魔法使いと言えよう。苦手な系統とは相殺可能だが、基本的には支援寄り。と言う事をカイが話しつつ、今はクローンな先輩達から聞いた事を、リクとクウが補足する。
「簡単な呪いは、足をもつれさせての転倒。元々は妖精が使う悪戯の魔法で、妖精は地形を使う事が多いとか」
僅かな段差、水溜まり、風、木の葉、泥濘、坂道、柔らかい地面と硬い地面。妖精は発見されても逃げる上、小さいので攻撃が当たりにくい。
「へー、試したの?」
「自分自身にかけたら、数歩で転けた」
普通、呪いは自分へ掛けるモノではなく、自分以外に掛けるモノなのだが、悪戯の魔法がより攻撃的なモノとなった為だろう。
「呪いによるデバフは行動阻害、ステータス低下とか」
殺意や殺気、恨み等負の感情を用いて、対象に圧力や威圧を掛ける。レジストするには精神的強さや、力量による差がなければ難しい。
「……負の感情。それはつまり、反転させたら、ガイスト・アーマーとかの霊魂と、同じようなモノになる?」
「だからって、板やスコップに呪いを掛け、濃縮して魅了のパッシブで好感度を上げ、呪いを変化させても、知性的武器やガイスト、リビング・アーマーにはならないと思う」
カイの恨み憎しみ、負の感情が根元の呪いではあるが、霊的なチカラはほとんど無い。
生霊でもないし、専門的な死霊術や霊能力、呪術や妖術に比べて、霊の効率的運用だって低い。
カイの暗黒魔法に対する技量も、覚えたてなので拙く、高度な魔法を扱う術や魔力も無い。
「魅了も、パッシブでは好感度とか、上げるのは時間掛かるぞ」
「呪いの濃度も、強奪がほぼ使えないから、かなり上げにくい」
これからは地道な努力の積み重ねが重要となる。
「墓荒らしとかして、死霊魔法を覚える必要があるわね」
「捕獲のチカラで、霊が見えるんだから、降霊術による憑依強化も出来そう」
「シャーマンやネクロマンサーな人達と、霊の取り合いになりそうだな」
浮遊霊や自縛霊は、墓場や戦場、ダンジョン内に良く漂っている。
それらは動物や昆虫、モンスターの霊だ。人間や亜人は少ない。
ガイスト・アーマーの霊魂も、元々はネズミやゴキブリ、ハエや蟻の魂である。
言う事を聞かない訳では無いが、細かい指示を出しても理解出来ない。故に、動くだけで済む様に、行動力の規格化として、歯車等の小さめの部品を組み合わせていく。
力を出す方向を決めている為、単純な作業だけなら、自律行動も出来るのだ。
「狙うなら、盗賊が効率的ね」
こちらが先に手を出しても、対処可能な人数と強さであれば、盗賊は理想的な資源だ。
街中では強盗も出るが、強盗は警察や自警団が対処する。事件に巻き込まれても人質にはならないが、肉壁にされる。反撃に失敗すれば殺されるだけ。
犯人をどうするかは早い者勝ち。
ただ、強盗も数人規模。一人二人ではカモとなる。
いずれにせよ、ソラは死霊魔法を覚えようと思った。
雑談をしている内に、隣町へと着く。
「リヤカーとかどうするんだ?」
「貨物列車に積み込み、目的地まで空輸してもらう。ガイスト・アーマーも同様よ」
ソラがこの町の警察官を見かけ、列車と空輸の手続きをする。
行政機関の一部である、郵便や警察は、管轄違いでも可能な範囲で対応してくれる。
でなければ、盗賊を警察に引き渡すまでの間に、逃亡されかねない。ケガをしているなら医者の手配も要るし、人数が多いなら鮮度も落ちる。
ギルドに任せたいなら、依頼料も掛かる。
手間暇掛けても損する割合が多く、その苦情は市役所に向かう。
そして、小さな不満は燻り続けると、テロ行為を招く。
手続きはつつがなく終わり、四人は駅のホームまで移動し、自転車や荷雪車、肥料や苗を貨物として積み込んで貰う。
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