第7話
土曜日
俺は余裕を持って8時に起きた。
とゆうか目が覚めた。
冷静に考えてみると女の子と二人きりで買い物をするなんて始めてだし、緊張してたようだ。
そこから洗顔や朝食を済ませ服を吟味する。
「よし!」
一通り終えて俺は鏡を見る。
あまりかっこつけ過ぎずラフな格好。
これなら引かれる事もないだろうし浮くこともないだろう。
そう思いながら家をあとにし、下関駅に向かう。
9時半には着くから大丈夫だろう、早すぎても気持ち悪がられるかもしれないからなと考えながら交差点に出ると向かい側に藍がいた。
あちらも気づいたようで手を振ってくる。
少し気恥しさを感じながら俺は合流した。
「おはよー!集合時間の30分も前だよ?」
「待たせたらやだからね、待ち合わせは早めに行くことにしてるんだ。」
「おぉー、私も一緒!今度待ち合わせする時はどっちが先か勝負だね!」
話しながらも下関駅に向かっていく。
駅舎に統合された大型ショッピングモールの中でまずはスターバックス・コーヒーに向かう。
約束通り俺は藍に奢った。
俺はアイスカフェラテ、藍はエスプレッソのフラペチーノ。
二人席を取り飲みながら作戦会議をする。
「茜ってどんなものが好きなんだ??」
まずはそこからだ。
「うーん、茜が相手なら本関係、例えば栞とかブックカバーとかが喜ばれるんじゃない?」
藍はそう言いながらフラペチーノを飲む。
「まぁ、定番だよなー」
「だよねー」
あれこれ考え意見を出し合ったが、結局栞かブックカバーにすることにした。
お互いの飲み物が無くなったところで俺達は店をあとにした。
「奢ってくれてありがとー」
「ん」
軽い会話をしながら文房具屋へと向かう。
その途中で藍が「あっ」と小さく声を出した。
俺は藍の見ている方に視線を向けて理解した。
ゲーセンのUFOキャッチャーを見ていたのだ。
「ごめん!少しだけ挑戦してもいいかな??」
「時間は沢山あるからな、大丈夫だ。行こう!」
そしてUFOキャッチャーに向かう。
藍が欲しがっていたのは水色のぬいぐるみらしく、UFOキャッチャーの、前に立つと一心不乱にアームを操作しだした。
が、しかしあまり上手ではない。
300円目を投入しようとしたところで俺が止める。
「俺に任せろ」
短く言って俺はお金を入れた。
「自慢じゃないがUFOキャッチャーには一家言あるんだぜ。」
そう言ってアームをぬいぐるみのタグに引っ掛ける。
「あっ」
藍は持ち上がるぬいぐるみを見て声を上げた。
そしてぬいぐるみは取り出し口へと落ちていった。
「はい」
そう言ってぬいぐるみを差し出すと藍は見たこともないような最高の笑顔で俺に言った。
「ありがとう!すごく大切にする!」
喜んでいる藍を見て俺は不覚にもドキドキしてしまった。
「さ、文房具屋に行こう」
そう言いかけたところでゲーセンの店員さんに話しかけられた。
「いい彼氏さんだね、特別にサービスしよう!」
そう言うと店員さんはピンクのぬいぐるみを差し出してきた。
俺はあえて否定せずにぬいぐるみを受け取り、
「ありがとうこざいます!」
と言いながらその場をあとにした。
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