殺意の対消滅を実現する『サザナミシステム』が波及した日本社会。本作は”殺意”無き世界で物語が進んでいく。戦争の終結、新システムの施行。我々を規範し我々に潜む存在は首輪を以て抑制された。即ち、殺人の無い美しき世界。——零れ落ちた獣の泪。殺人の無い、約束された世界で起こった殺人事件。サザナミシステム開発者の失踪。テロ、強襲、陰謀、そして二振りの光。ミサによる福音書が導く先へと進め。悍ましき“我々”が今、牙を剥く———