本庄と過去問
大学の試験は過去問がすべてである。
たまに「過去問を使うなど学生の恥」などという人間が学生にも教員にもいるが、お前は大学に入るときに赤本を使わなかったのか? その発言が許されるのは指定校推薦とセンター利用で入学してきた人間だけだぞ。
先生としても、各範囲で重要な問題など限られているので、何年も新問を作っていると良問が尽きる。たまに無限に新問を量産してくるとんでもねー教員もいるが。
そして再現が非常に重要である。三年くらいになってくると、一つの科目がその学科専用の科目になってくるので、学科LINEで再現する問題を割り当てて、その問題を必死こいて覚えるのである。
これがまた大変で、ただでさえ徹夜明けに試験をしてヘロヘロ、暗記まみれで脳みそがパンクしそうな中で試験を解き、やっと終わったかと思ったら割り当て問題の丸暗記が始まるからだ。過去問通りの問題が当たったらいいが、新問が当たると厳しい。
英語で出題されると最悪である。ただでさえ覚えにくいのに、間違って再現してしまったら問題が破綻して苦労が水の泡になってしまう上、英文法ができないのがモロバレする。あと、専門用語を覚えるのに難儀する。
だが再現に協力してくれない人間はいつの時代にもどこにもいる。自分は不合格にはならないし過去問が無くても困るのは後輩で自分ではない、という自信からくるのかもしれないが、まあ成績下位者にはめちゃくちゃ嫌われる存在だ。お前絶対本試験の勉強で過去問使ってるだろ。
そういう人間が何人もいると、スッカスカのクソ再現が生まれる。
本試験不合格者44人中40人が落ちた某科目の再試は、実はクソ再現が原因でここまで大量に落ちたと言っていい。先生側も、せっかく過去問から出したのに出来が悪すぎて頭を抱えていたに違いない。
この本試験の再現は本庄が作ったのだが、半分以上再現できてないスッカスカの前代未聞の再現が生まれて本当に頭を抱えた。なんで1番の次は5番の問題に飛ぶんだよ。
もちろん、学生も人間なので、忘れてしまったり間違えてしまうことはよくある。あるいは時間が足りなくて再現しきれなかった時とかもある。それは別にいいのだ。問題は、余裕で教室を出る癖に再現は全くやってくれず、本試験であっさり合格していく人間である。
一応その人にも問題は割り振っているので、LINEで「○○の再現やってない?」などと送る。大抵が「ない」と返す。こちらは「そっかぁ、ごめんね💦」など送る。なんでこっちが謝らねばならないのだ。テメェはせっかく頭がいいんだから再現してくれや。
こうして作られた過去問であるが、うちの学年は特に再現率が低いので、後輩はうちの学年の過去問を見て頭を抱える羽目になるのだ。
「先輩の学年って、仲が悪いんですか?」
割と悪いと思う。
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