本庄と進級会議
うちの大学には、進級発表という制度がある。どこの大学でもそうなのだろうか。あまり詳しくはない。どうなんだろ。
うちの大学は田舎にあるし学部数も学科数も非常に少ない。学部ごとにやっている内容も大きく違う。ということで、専門課程が始まる二年生以降は、「この授業を受けているのは○○学部の○○学科の人間だけ」という状況が頻発する。というかほとんど全ての授業でそうなる。学部ごとの交流は無に等しい。寂しい大学生活である。
最終的には、○○教室の○○教授は○○学部専門の先生、とかそういうことになる。そしてその先生たちは学年末になると進級会議を開き、誰を留年させようか、という恐ろしい会議が開かれるのである。
成績が微妙な人間は、この進級会議で名前が上がり、「こいつ成績何点?」「どうする落とす?」「○○先生どうですか?」「この人は58点なので通しましょ」ということになる。
本庄の場合、あまり関わりがなかった先生に名前を覚えられていたことが何度もあったので、たぶん1年次2年次共に、進級会議で名前が出ている。
「噂の本庄って学生は君か〜」じゃねぇんだよ。噂なってんのかよ。
ただ、進級会議で名前が出る程度では真の成績底辺とはいえない。本当の底辺は、留年が確定するか、「保留」という措置が取られるためである。
保留になったあと、誰が進級かどうかを決めるのかは謎である。
なぜこんな進級会議が行われるのか、それはうちの大学では再履修が実質不可能であるためだ。授業開講が少なすぎて必修と再履修がモロかぶりするので、再履修というシステムは機能していない。つまり必修を落としたら即留である。
そのせいで、あまりにもガンガン落とすとえらいことになるので、先生も「自分の授業しか落としてない学生なら、渋々ではあるが通そう」となるわけである。恨まれて刺されても嫌だし。時々「俺はなんとしても通さん、留年の一つや二つしろ」という先生もいる。
実は怖いのは、オムニバス形式の講座である。オムニバス形式の授業は、担当教員が多数いる上、試験もそれぞれの先生が作ったものを寄せ集めて作る(おかげで、ある先生は英語で出題して別の先生は
ところで、選択肢式の試験をマルチョイって呼ぶの面白すぎん?
丸書いてチョイチョイと選ぶからマルチョイだと思ってたら、multiple choice の略だったときの驚きよ(丸チョイって書く人も見かけるので、たぶん本庄と同じ勘違いしている人はいっぱいいるはず)。
話は戻って、オムニバス形式の授業は、各先生の裁量が限られているので、先生が通してあげようと思っても難しいことが多い。だって自分の試験範囲をなんとか満点にしても、満点が10点だったりしたら救いようがないのだから。
オムニバス形式の授業は、大抵致死率が高い。落ちたら100%留年という記録を叩き出したこともある。
だからオムニバス形式の授業は気をつけましょう、という話になるのだが、世の中はそう甘くはない。「自分が過去問から変えても、ほかの先生が変えなければ大丈夫」の精神で、いきなり傾向がガラリと変わるとんでもない試験が爆誕したりする。全範囲で傾向を変えられたら、多少の対策では勝ち目がない。大量不合格の大虐殺が起こる。
全ては先生たちの意思疎通の少なさが原因である。
先生たち、コミュ障かよ〜。
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