本庄と再再試

 今までに本庄は3度の再再試を受けたことがある。多い? うん、自分でも多いと思う。1~3年で1度ずつ律儀に再再試に引っかかっている。


 再再試というのは偉大である。本来は即留年(今まで落としたのは全部必修だから)なのに、先生が温情をかけてくれて再再試を行って単位を回収させてくれるからだ。

 え、必修を落とすな? 必修が一番難しいんだよォ〜。


 本当は、うちの大学では再再試はできない。本試験と再試験まで。それで評価しなければいけない。再再試は、正確には「参考試験」である。つまり、課題の一種として扱い、なんとか学生を60点に滑り込ませようというわけだ。


 先生の温情で、本庄の進級は成り立っています。本当にありがとうございます。

 いや〰〰〰優しいね〰〰〰。先生大好き。愛してる。


 一つ目の再再試、これは先生がすごく優しかった。本当は留年させたらいいのに、わざわざ再再試を受けさせてくれた。マジ仏。ちなみに、本試験も再試験も、56点で合格点に4点足りなかった。先生の研究室に行ったら、「どんなに甘く採点してもこれ以上の点にならないんですよ」って悲しそうに言われた。ごめん。


 二つ目の再再試、これは先生には再再試はやるつもりがなさそうだったんだけど、事情があってやらざるを得ない状況だったようだ。もちろん先生は優しいという前提の元だけど。


 その事情というのは、本試験でそれなりの数の学生を落とし、再試験でも学生がかなり落ち、最終的に大量留年などとなったら問題になるからというものだ。大学側から調査が入って、何かトラブルがあったのではないかとか、不適切な指導はないかとか面倒なことになるらしい。


 それを防ぐため、思いのほか学生がアホで留年者が沢山出そうだったこの科目の試験では、再再試が行われたのだろう、と思う。先生、ごめん。


 三つ目の再再試。これは先生が優しかったパターン。試験は難しくする、けどチャンスはたくさんやろうというタイプの先生だ。

 まあ本試、再試共に割と難しかったけどね。全受験者の二割ほどは再再試にかかって、ほとんどは無事に合格して、数名が再再再試にかかった。最終的には多分全員合格しているはずだ。


 この試験に落ちると、再再再試が行われる(やらない先生も多いが、上記の先生は皆やってくれた)。さすがに本庄は再再再試を受けたことはない。ゆくゆくは受けそうだけど。なんか前前前世みたいな響きだな、これ。


 この二つ目の再再試に落ちた友人の話なのだが、再再再試の数日前に友達と岐阜にスノボしに行ったのだそうだ。そのスノボ先でスーパー大転倒、骨折&頭の強打して現地で入院させられたそうだ。

「再再再試までに大阪に帰られへんわ……」

「どうする? 教授に岐阜にテレビ電話してもらう?」

「そしたらお医者さんにカメラの後ろで教科書持ってもらお。そしたら解けるわ」

 という会話が友人となされたらしい。


 いや、再再再試の前にスノボ行くなや。

 彼の再再再試はどうなったんだろう。結果は知らない。でも今も教室で顔を見るから進級はしている。よかったね。そして、大転倒した彼を病院に連れて行った恩人は留年したらしい。世の中……厳しいね……ウン……。

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