本庄と再試験

 本庄は基本的に成績がめっちゃ悪い。GPAで2.0に満たない(これがどれほどヤバいかは大学生ならわかるだろう)。


 進級さえできたらそれでいい、という怠惰なスタイルがこの惨状を生んでいる(学科順位とか本当に何の役にも立たないし)。

 親は最近の大学は成績の付け方が厳しいのだと思っているが、弟が大学に入ったら現実を知るだろう。怖い。弟、お前も成績が悪くあれ(追記:めちゃくちゃ弟は成績がいいです。名無)。


 うちの大学には本試験と再試験があり、再試験を受ける権利は一応保証されている。本試験に不合格だと再試験に引っかかり、再試験に落ちると基本留年である。

 なぜ再履修=留年なのかというと、2年以上は専門科目なので必修が多く、必修以外の科目も再履修が物理的に不可能(授業時間が被るとか)だったりするからである。これだから小さい大学はクソ。


 基本的に、再試験に引っかかると成績にDが付けられて、GP(評定)は1になるので、再試験に引っかかった科目が多いほどGPA(評定平均値)は悪くなる。本庄は2年次に9回の再試を受けているので……。ソウイウコトデス。そりゃGPAが2.0に満たないわけだ。

 ちなみに、今までに再試験を受けた回数は合計で18回である。プロって呼んでいいよ。


 だが意外にも、本庄のGPAはどす黒い色をしているものの、2年次の学科順位は意外と悪いものではなかった。意外とってレベルだけど。なぜなら、9再試と言えど、某科目ひとつで4再試も引っかかっているからである。1つの科目は何回再試にかかってもDは1つである。コスパ良いな(?)。


 再試にあたって用意するものは、過去問、本試験の再現、授業で配られたレジュメである。教科書は基本的に使わない。あれ高いし。こーんな薄い本で2000円!? ぶるぶる。無理無理。

 友達からPDFをAir Dropしてもらって違法ダウンロードしてもいいけど、結局パソコンの容量を圧迫するし、教科書はあまり使わない。レポートの時くらいじゃないかな、使うのは。


 本試験の再現が一番重要だ。

 本試験の問題は勿論回収されてしまうので、過去問は受験者が再現したものになる。受験者が手分けをして試験を再現するのである。スイミーもビックリの協力プレイである。

 再現してくれない人が多いと、スカスカの再現になる。50問中、20問も再現されていないとかザラで、そんな再現で勉強するごなると再試験組が死ぬ(実際、再試験対象者47人中40人が落ちた、点数調整されて23人に減ったけど)。


 先生「なんで過去問から出してるのに解けないの? 全然勉強してないの?」

 勉強してるよ。勉強する材料がないのよ。


 皆さん、お願いですから再現してください。無かったら死ぬんです。再試組が。

「再現なんかいらない、落ちたやつが悪い。落ちた奴は大人しく勉強しろ」?

 死ね。殺してやる。カス。あほ。まぬけ。


 再試の勉強をするときは、本庄の場合は基本的に3日前から。本試も3日前から。

 そりゃ落ちるわ。


 一番ヤバい試験の時は1週間前から勉強したけど、再試の勉強は割とメンタル勝負なところがあるので、あまり長引かせてもメンタルがたない。

 3日前から、レジュメを見て必死こいて覚えて(勉強スタイルは基本的に丸暗記である)、書いて覚えて書いて覚えて書いて覚えてである。


 生産性がない? 合格したらそれでいいんだよ(だから成績が悪いんだろうな)。


 そして前日の夜はもちろん徹夜だ。モンエナやレッドブルなどの飲み物は体質が合わないので、カフェイン値がコーヒーの数倍である緑茶をガブ飲みして、書いて覚えて書いて覚えて書いて覚えて、本番の試験で書く。書けないこともある。


 本番の試験で書けなかったらどうなるの?

 それは「本庄と再再試」をお楽しみにねっ☆

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