第18話 医務と投薬

 話は少し前に戻るが、拘置所や刑務所での【医務】はどうなっているのか。

 ある時田久保は歯の治療の申請をした。

 医務についても担当のオヤジが受付をしにくる。医務の受付は火曜日で、通常の願箋の受付をした後改めてやってくるのでその時申請するのだ。


 「医務あるか?」

 「○○番田久保です。歯の治療お願いします」

 「おぅどうしたんだ?」

 「歯が少し痛くて……」


 と言うように軽いやり取りがあり、数日後治療の為お声がかかる。


 しばらくして田久保は歯の治療を終え戻ってきた。

 その治療は驚愕で――。


 ただ少し麻酔を打たれ歯を抜かれる、という治療と呼ぶには雑なものだった。

 これが治療の全てではないとは思っているものの、満足な治療はやはりここでは出来ないという事もあるのだろう、歯の治療は全て麻酔を打たれ歯を抜かれるだけという噂もあった。

 祐介はそんな田久保を見てしまった事もあり、歯磨きだけはしっかりとしようと心に決め、いつも以上に歯磨きをするようになった。




 【投薬】はその名の通り薬を貰うこと。これには2通りあり、自分で所持することが許されるものとオヤジが指定のタイミングで投与するものとがある。


 所持が許されたものは虫刺されや赤切れ等の塗り薬に加え、軽めの睡眠導入剤などがある。

 重要なのはオヤジが投与する薬で、糖尿病の薬のインスリンなどがある。

 これを食後などのタイミングでオヤジがやって来て渡すのだ。だがただ渡すだけではなく、ちゃんと飲んだのかどうかを見るためその場で飲ませて口の中まで検査する。

 これは薬を飲んだと見せかける輩がいて、飲まなかった薬を集め自殺を図る人間もいるからだ。



 祐介は3年間運良く薬に頼ったり治療を受けることなんかはなかったが、拘置所や刑務所では体調管理自己管理には十分気をつけて健康な毎日を送れるようにすることが1番望ましい。


 だがそうは言っても高齢者なんかは持病があったりするので、難しい部分もあるのだが。


 なんにしても、拘置所や刑務所では満足な医療を受けることは出来るわけもない。

 ちなみに病院通いなどの医療が絶対必要な人達は【医療刑務所】なんかもあるのでそちらに送られる場合もある。


 もし貴方が刑務所に入るようなことがあるならば健康第一の生活を送って欲しい。

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