第21話 Tagesthemen
22:15 Uhr
Hier ist das erste deutsche Fernsehen mit den Tagesthemen.
ニュースキャスター「こんばんは。カドケウスの正体への大接近、しかし懸念も残ります。
昨日、連邦軍と
この作戦により46名の極右テロリストが検挙されました。中には違法科学者組織カドケウスとの組織的関与に協力したとされる幹部もいます。
作戦中、作戦の一部始終を録画したと思われる生放送がインターネットに公開されました。
BKAはこの動画の投稿者はカドケウス構成員であると見ています」
アリシア・ミュラー、
今回の北風作戦は、BKA、BPOLにとって、そしてカドケウスの正体を突き止める目的においては大きな前進と言えます。ただ、サイボーグ殲滅作戦の要であるフェーゲライン第4軍について大きな懸念が残る形となりました。
今回検挙されたネオナチ南ドイツ支部の幹部は、フェーゲライン第4軍に所属する兵士だったと明らかにされています。
インターネットに公開された動画によると、彼が第4軍の兵士であることは確実であると見られます。サイボーグ殲滅作戦を主導する第4軍にとっては、自らの兵士が敵に回ることは予想外だったでしょう。
第4軍がカドケウスと関与している可能性はまだ分かりません。二国間協定に基づき、フェーゲライン人は基本的にハノーファー市外での行動を著しく制限されています。国境の門の出入りは厳しく管理されており、兵士の誰がどこにいるのかは常に明らかにされています」
キャスター「フェーゲラインは北ドイツ・ハノーファー郊外の『白い門』の向こう側に位置する小国家です。帝国は門を介してしか出入りできず、ある種の異次元空間であると考えられています。
そこには帝国が独立した約1000年前の中央ヨーロッパの風景が広がっているとされていますが、帝国は自由な通行を制限しており、誰も正確な情報は知りません。
帝国は長らくどの国とも国交を断っていましたが、2030年、我が国との間で水資源に関する二国間協定が結ばれました。
この協定に基づき、フェーゲラインは産出された飲料水を我が国に供給し、資源の保安のために共同で国境警備を行うことになりました。
これによりドイツ・フェーゲライン合同旅団が設置され、司令部内に事実上の最高指導者を置くなど、良好な関係が継続されています。
本日、第4軍広報課課長とつながっています。こんばんは、ベルマーさん」
フェーゲライン第4軍アントレ・ベルマー「こんばんは、ノイアーさん」
キャスター「今回検挙されたネオナチ南ドイツ支部幹部が第4軍所属の兵士であったことが明らかになりました。これは事実なのですか?」
ベルマー「はい。逮捕されたフェルニ・ロレント曹長が我が軍に所属していたことは事実です。彼は2ヶ月前、南部地域の駐屯地兵舎から行方不明となっていました。国境の門を越えた記録は残されていませんでした。このことについて、我が軍では『時空震』が発生し、巻き込まれたものと考えられています。
時空震は、フェーゲライン帝国を取り巻く不可視の国境線に揺らぎが生じることで発生する現象で、年間10件ほど発生しています。この現象に巻き込まれた物体は行方不明となることが知られています。この現象の謎は完全には解明されていませんが、今回行方不明となっていたロレント曹長がこのような形で発見されたことは、時空震に巻き込まれた物体が国外に吸い出された可能性を示唆しています」
キャスター「では、彼が故意に出国したり、何者かが越境を助けたということはありえないということですね?」
ベルマー「そうです。時空震が発生し、フェルニ・ロレント曹長が行方不明となったことは事実です。そして我が軍の許可と登録なしに白い門を出ることは不可能で、白い門以外の位置から故意に出国することも不可能です」
キャスター「しかしながら今回の検挙でフェーゲライン第4軍に対して不安の声が市民の中から上がっています」
ベルマー「把握しています。我々とドイツ市民の距離は遠くとも、我々は常に耳を傾けるように心掛けています。我々のもとで心身ともに訓練を受けた兵士が、非人道的な犯罪に加担し、推進したことは我々も遺憾に思っています。我が軍の理念に基づく訓練に不足がなかったかどうか検証する必要があります。ドイツ国内に駐屯しているドイツ・フェーゲライン合同旅団の人員については、これまで以上の思想スキャニングを実施し、犯罪組織との関与がないか厳しく管理していくつもりです。
これらの検証については地位向上局から公式の報告が近々なされる予定です」
キャスター「続報をお待ちしています。どうもありがとう」
「戦災補償金を増額するよう政府への圧力が高まっています。一方、平和的なデモに極右組織が攻撃を予告し、社会不安が掻き立てられています……」
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