私は私の私のすべて
私は多少の嘘を混ぜるとはいえ、
関わりのあった女性をネタに短編を書いている。
書き溜めで言えばちょっとした本数だし、
没になった数で言えば数えきれない。
エッセイだって書いている。
彼女たちが私に向かって、私のために、あるいは彼女たちに向かって、彼女たちのために、
等身大に紡いだ言葉をコンテンツにしているのである。
コンテンツと書くとどこか軽薄に聞こえるが実際彼女たちの等身大に比べれば、軽薄なものであることは間違いない。
当然ながら私の言葉も人生も、悲しみも怒りも喜びも、
何から何まで、これっぽっちの欠片もなく、
私のものである。
私がコンテンツにした彼女たちのそれも、
全くの疑いなく、彼女たちのものである。
私や、あるいは貴方方が消費するためのものではなかったはずだ。
それでもなお、どこからが本当で、どこまでが嘘なのかハッキリしない彼女たちをこっそりと書き続けたいと思っている。
恐らく、私の払う敬意では許されることではないのだろうが、
それでも、私が後ろ暗いことをしていることだけは意識しなければならない。
あなた方にとって喜ばしいことに、
彼女たちは実在しているし、
彼女たちは私のものではないのだから。
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