第45話 作戦会議
モネから渡された偽のメモリーを持ち帰った後、菜々はシロと自宅のリビングで無言のまま向かい会っていた。
暫くこの空気が続いた後、シロが喋り始めた。
「どうやら、モネが何かを知ってると見て間違いないわね」
「・・・えぇ、始めからそう言ってるじゃない」
「信じたくなかったのよ、久しぶりに出来た友達だったから・・・」
「あはははは!!久しぶりに出来た友達ね」
「な、何がおかしいのよ!」
「おかしくはないわ、友達を作るって一般的なことじゃない。でも、あなたはそうじゃなかった。きっと小学校に入った頃から友達なんていなかったんじゃない?」
「そ、そうよ」
「前にも言ったけど、その始めの時にモネは話しかけてくれた?」
「・・・いいえ、むしろみんなと一緒で一切感心を持たなかったわ」
「でも、修学旅行の日突然話しかけて来た。おかしいと思わなかったの?」
「・・・思ってたわ」
「実はもうあの時にはもうデータは盗まれてた。この意味、わかるかしら?」
「その時にはすでにモネが持っていた。でも、どうして盗み出す必要があるの?」
「そう、そこなのよ。あんたみたいな例外なら分かるんだけど、マキちゃんはいたって普通の一般人。何も常人離れしたものなんかないの」
「それは私が一番よく知ってるわ。だからこそわからないのよ。マキちゃんを狙う理由が」
「私にだってわからないわ。だから、知るためにあの子を捕獲するわよ」
「それって犯罪じゃ・・・」
「大丈夫、本人の記憶をなくせば犯罪にはならないわ」
「そんな横暴な」
「とにかく計画が決まり次第追って連絡するわ。それまでマキちゃんから目を離さないでおいて」
そう言われた後、シロは強引に家を追い出されていしまった。
作戦会議なら私がいたっていいじゃない・・・わざわざ追い出さなくたって。
でも、私にも重要な役割ができた。それは
「あ、シロ。おかえり〜、御飯出来てるよ」
このマキちゃんの笑顔を守ることだ。
シロはマキに感づかれないよういつもの様子で振る舞った。
そう、全てはマキちゃんを守るために。私ならきっとできると思い込んでいた。
でも、それがあんな形で裏切られることになるとは思わなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます