第15話 条件





驚愕の事実判明!


いやぁ、驚いたね。ステイラ婆ちゃんの回復魔法は赤ちゃんの時以来だったし、自分ではまだ回復系統の魔法を使えないから気づかなかった。




なんと、体の表面の傷だけでなく体内のケアまでできたのだ。






……俺としてはゲーム内の真理を1つ、知ったって感じだよ。






どうして同じ回復魔法でも回復するHPが違うのか。


今まではそういうものだと思ってきたけど、実は体力が回復するのではなく、回復可能な範囲の問題だったらしい。


筋繊維が潰れていては動けないもんな。


低位の魔法ではそこまで修復できないんだ。




おかげで俺の体はフル回復です。












バン!!






「爺ちゃん達!久しぶり!!」




ドアを豪快に開けて、俺がその部屋に入る。後ろには看病してくれた母さん達も一緒だ。




「おお、久しぶりだなアルヴィス。元気そうでなによりだ。」




「大丈夫か?違和感とかないのか?」




「もぉ!心配性だなぁビルガルド爺ちゃんもウィルザー爺ちゃんも!

婆ちゃんの腕は最高だったよ!」




全くだよ。

今の俺じゃ確かに父さんの攻撃で危機に瀕してしまったけれど、あの程度の攻撃はこれから何度も喰らうことになるからな。




「悪かったなアルヴィス。」




「全然大丈夫!それに加減を間違えたのも、父さんがヤバいって思ったからでしょ?最初から最後まで歯が立たなかったけど俺は一矢報いた気分で嬉しいよ!」




「そ、そうか。」




これはマジでそう。


不意をついただけではあるけど、それでも父さんを焦らせることが出来たのは収穫だ。


あと、そんな攻撃を受け切れたのはもっと良かった。俺の耐久、そこそこ高くなってるって感じ。








それにーーーー








「それにね、あのパンチで俺のスキルも更なる進化を遂げたからね。あと、昇華したスキルもあったし。宛ら収穫祭だったよ!アハハハハ!」




そう、あの瞬間、俺のスキル堅は城へと進化したのだ。


単純に堅よりも硬くなるだけだが、堅の3倍の硬度を誇る。これだけでも大分戦いの幅が広がる。



そして父さんとの戦闘中にバージョンアップしたスキルは他に2つある。

1つは跳躍、これは歩法に昇華した。効果は単純、色んなところを歩ける、それだけ。


でもそれは空であろうと水であろうと関係ない、という優れもの。跳躍の時は制限付きだったけど、歩法になった事で縛りは無くなる。




十中八九これからも重用するスキルだ。




もう一つは瞬足、これが瞬歩になった。

限られた範囲を一瞬のうちに移動してしまうスキルだ。


これが普通に強いんだけど、習得にはかなりの時間がかかると思ってた。


まさかこんなに早く手に入るなんて思ってなかったから驚いて攻撃の手を緩めちゃったんだよね。


もうね、こんなに順調だと笑っちゃうよね!仕方ないよね!まだ笑うな、何でできないよ!

アハハハハハ!




「スキルの、昇華?なんだそれは?」




「「アルヴィス!」」



父さんの疑問と2人のじいちゃんの圧で俺は一歩後ずさる。

お、おぉ。これはこれは…凄まじい圧。



「ちょっと、3人とも!アルヴィスが困ってるでしょ!」



さ、流石は母さん……

3人の勢いが一気に引いたよ。母親は偉大だなんて、よく言ったものだ。


しかし昇華が知れ渡っていないなんて予想外過ぎる。だから俺は苦笑のまま発言する。




「スキルの昇華は、要するに進化の事だよ。進化と使い分けるのは、ちょっと意味が違うから、かな。」




その場の全員が首を傾げる。




「昇華っていのは、前の自分が全く新しい上のステージに至ることを言うでしょ?一度手に入れたスキルが完全に別物へと変化することを昇華って呼ぶんだ。

でも進化って言うのは昇華と違って、前のスキルをそのままに、より強力な効果を備えたスキルを追加獲得することが出来る。」




「……し、知らなかった。」




姉ちゃん以外の皆は困惑の表情をみせる。確かにこんなこと、いきなり言われてもって感じだろうし。




「まぁ俺の場合は使い分けが面倒だから皆とは違って両方ひっくるめて昇華って呼んでるんだけど。どっちも強くなるのに変わりないからさ。」



そう、例を出すといくらでもあるけど、スキル跳躍は昇華に値する。歩法になったら跳躍スキルは統合されるからだ。


一方で防御系スキルである堅は進化で城を獲得するのに必要だけど、堅は城を獲得しても統合されずにそのまま残るってわけ。



「よしアルヴィス、今のはだいたい分かったのだが、他にも聞きたいことがあるんだ。」



「他に?何を聞きたいの?」



「そうだな、例えば訓練方法とかな。」








は?


何故?








「うん。でも何で?俺は大したことしてないよ。普通にトレーニングしてるだけなんだけど。」




そんな俺の問いに応えたのは父さんだった。




「実はアルヴィスが今日見せた魔法やスキルは、父さんやじいちゃん達も知らないものばかりだったんだ。

だから気になってな。」




「あ、なるほど。」




そういう事ね。


つまりスキルの解放条件を知りたいってことか。


でも瞬歩や空歩は兎も角、まさか跳躍や疾走、堅とかも知られてないのか?



これまた予想外だった。



「別にいいよ。でも後でいい?」



「あ、あぁ。しかしどうして後で?」



父さんの疑問にじいちゃん達も頷く。

相当気になってるんだろうな。


俺は苦笑を浮かべる。




「実は今から俺が料理を作るんだ。じいちゃん達とばあちゃん達が折角遊びに来てくれてるからね。」



「おぉ、そういう事か。楽しみにしてるぞアルヴィス。」



「まっかせてよ!」




俺はトンッと胸に拳を当てる。

が、じいちゃん達はフリーズしてーーー






「「アルヴィスが、ご飯を!?」」






ワンテンポ遅れてひっくり返ったのだった。




◇◇◇




用意した料理はこの前と殆ど同じ。

カレーのルーにポテトサラダ、しかし天ぷらは無しで、新メニューのハンバーグを追加。


ハンバーグは、似たような料理も無くはないが、この世界の似た料理と言えば、どちらかと言うとミンチに近い料理である。ハンバーグとの差別化は測れるのです。




一方でソースは完全オリジナル。

ほんとに良かったと思う、ゲーム時代にデミグラスソースのレシピを学んでて。じゃなきゃ塩で食べるところだったよ。




「う、美味い……」


「なんじゃこりゃ……」


「これアルヴィスちゃんが考えたの!?」


「凄いわよ、レシピなんて早々作れるものじゃないのに。」




とまぁ、手放しで褒めてくれる爺や達と婆や達。俺も嬉しくてニンマリしてしまう。

ただ、そのレシピもカンニングの賜物なんだけどね。




「ううんんん!!!アルヴィスの作ったハンバーグって料理、美味しいよ!!」




姉ちゃんは大騒ぎ。父さん達も大絶賛だった。


俺も頭を掻きながら照れ隠し。だってこんなに褒められるなんて思ってなかったからな。


正直……嬉しい。




「これ、パンをつけて食べるのか?」



「……まぁ、他家ではしない方がいいかもしれんが……」




困惑を表したのは爺ちゃん達。

今からカレーに手をつけるからだ。


この世界じゃ漬けパンやひたパンの類いは行儀が悪いって感じだから仕方ない。






とは言え、美味いものは美味いらしい。






「何だこれは!!深みのある味にピリッとした辛さのアクセント!美味い!!」




「確かに作法としては良くないがここまで美味ければ仕方ない!!」




とまぁ、この通り。

これが行儀悪い指定なら今後は考えなきゃいけないな。


俺はこの、パンをちぎって直接漬けて食べるのが好きなんだけど……












そんなこんなで料理は俺の圧勝。


このディナーの最中に、この場の全員が度肝を抜かれたような驚愕に何度も足を突っ込んだ。


ただ、確かに皆が目を丸くする光景は圧巻だけど、あまり褒められると俺は恥ずかしい。

嬉しいんだけども!




「……いやぁ、美味しかったわ。今までにない料理でしたアルヴィスちゃん。」



「そうね。アルヴィスちゃんは本当に天才ね!今度おばあちゃん達にも料理を教えてくれる?」



「うん!いいよ!」



こうして夕食を終えた俺達はそのまま雑談に興じる。セルタナ婆ちゃんもステイラ婆ちゃんも気に入ってくれてよかったな。










……あ、そういえば爺ちゃん達が俺のスキルの事知りたがってたな。




早速教えてあげーーーー










ーーーーいや、待て。これはチャンスなのでは?




よく考えろ、俺の今の急務は強くなること、でもそればかりに手もかけて入られない。


次点ですべき事は、この世界とゲーム世界との違いの調査だ。






思い出すのは森での一件。


謎の生命体と未知のスキル。




きっとリアルになった事でいくつかの齟齬が生じているんだ。HPとかのステータス系列が無くなったのもその1つ。






となると……




「じいちゃん、さっきスキルについて俺に聞いてたけど。」



「おお!そうだった!」



「あまりの美味さにそっちのけじゃったな。」



ハハ……どうやら相当お気に召したようで。良きかな。



「それで具体的にはどんな事が聞きたいの?」






俺の問いに爺ちゃん達はウッキウキ。

もちろん他の皆も気になってたみたいだけど、一番は爺ちゃん達と父さんだ。


父さんは俺と実際に手合わせしたから分かるんだけどね。まさか爺ちゃん達がここまではしゃいじゃうとは思ってもなかった。






要点を纏めるとこんな感じ。






一つ、修行方法。


二つ、スキル効果。


三つ、改変魔法について。


四つ、未確認の魔法。






噛み砕いてるけど、実際、俺がここまで理解するのにかなりの時間がかかった。


問題は認識の齟齬。

俺の思ってることと皆が思ってることがズレてたからだ。






「じゃあこの4つね!」




「頼むアルヴィス。」


「教えてくれ。」






「でも!条件があります!タダでは教えません!」




と、俺が言うと一瞬の間を置いて爺ちゃん達は大笑いして、「いいぞ、爺ちゃん達が出来ることならな。」と、快諾したのである。




狙い通り。

孫には甘いようです。




「でもそれなら婆や達にも何か交換条件出すべきではないかアルヴィス?」



「そうだな、確かアルヴィスが料理を教えるんだったよな?」




ニタァと笑顔になる爺ちゃん達。


もう、父さんも母さんも呆れ顔。婆ちゃん達は「ケチ臭いジジイだ事。」なんて言ってる。


微笑ましい光景だよね。






「爺ちゃん達、それはダメだよ?俺は知ってるんだから、レディファーストって言葉。」





俺は爺達に指を振りながらニヤつき顔を向けた。この世界にもこの考え方は存在する。


実際はこの考え方がこの世界でどれだけ幅を利かせてるかは分からないけど、ゲーム内ではほとんど機能してなかった概念だ。



ただまぁ一言言えるのは、あっちの世界もそうだったけど、この世界でも横暴な男が多いもので困りもんだよ。




まぁあ!俺は元日本人として弁えてるけど。

あ、もちろんそれが俺に敵認定されたのであれば別の話だよ。



「アルヴィス、お前できた人間だな……」



「全くだぞ。」




と、爺ちゃん達。




「よく言ったねアルヴィスちゃん。」



「ほんと、爺達はアルヴィスちゃんを見習って欲しいものよ。」




と、婆ちゃん達。








「と、に、か、く!俺からの条件だよ爺ちゃん!」




「「お、おう、すまんなアルヴィス。」」






ハッと我に帰った俺は指を上にあげてそのままピシッと爺ちゃん達へと向ける。




「俺を都市国家、アンバルレードに連れてって!!」





「「ん?」」




唐突な事に、父さんと母さん、シュラナさん以外がフリーズ。

逆にその3人は頭を抱えてため息。


その反応は酷くないです?




場が静まりかえる。




「アルヴィス、何でアンバルレードなんかに行きたいんだ?」



「どうせ15歳になれば行くことになるだろうに。」






そう、都市国家アンバルレードに俺は15歳になれば行くことになる。


理由は学校があるからだ。




しかしただの学校ならこの街にも、そして他の街や王都にだってある。


わざわざ外の国、アンバルレードの学校に行くのは、この世界で最も質のいい学校が集まっていると言われているためであり、競争率も高くなり、そこに通うだけで箔が付く。


故に各国の富裕層の子息はアンバルレードの学校に通うことを目標に受験勉強する傾向にある。



ここで、何故アンバルレードがそんなにも教育に関して抜きん出ているのか。それは都市国家アンバルレードは研究者の集まる場所だからだ。


この国の発展は研究が軸であり、それで有名になった結果、世界中から研究者が集まるようになった。研究内容は様々であり、各々が個人で、または集団で取り組んでいる。






今では都市国家アンバルレードの事を、学術都市と呼ぶ人も多い。






そんなアンバルレードでは毎週一度論文コンペが開催され、情報が逐一更新されているのだ。


失敗もあれば大発見もある。




それ故にアンバルレードでは多くの情報が自然と集まって来る上に、教育はハイレベルになり、多くの富裕層を魅了しているのだ。








因みに教鞭を取るのは教師の他に研究者も少なくない。


研究費を稼ぐ方法はどうしても必要だからだ。加えて、幅広い知見を持つ研究者の中には、突発的で柔軟な若者の思考が研究の鍵になることもある、という理由で教育の場に立つ者もいる。




殆どはゲーム知識だけど、アンバルレードの情報自体の入手は家の中で見た本の一節で知ったと言ってれば問題ない。






「ダメだよ、俺はすぐに調べたいことがあるもん。」



その一言に全員が、「調べたいこと?」と首を傾げる。



「この前の父さんの休みに森へピクニックに行ったんだけど、その時、俺は目に見えない何かから話しかけられたんだ、二人分の声だった。

でも皆には聞こえてなかったみたいだからずっと気になってたんだ。

家の本も漁ったけど、それに似た記述はなかった。」



「という事は、アルヴィスちゃんはその何かの正体が知りたいのね。」



「でも、それは凄いわね。きっとその声の主は精霊様よ。」




婆ちゃん達の言葉に聞き覚えのない単語が混じる。








ーーー精霊様。








ゲームの中では一度も出なかったワードに違いなかった。




「精霊?それって何?」




俺がそう問うと、今度は父さんが教えてくれた。




「精霊ってのは伝説上のクリーチャーだな。ただ、その伝承はまちまち。その加護を得た者は永遠の命を手に入れられるだとか、比類なき能力が使えるだとか、不明瞭だ。」




「それに残ってるのは伝承だけよ。誰も精霊を見たことは無いし、実際に精霊と契約した、なんて話もないわ。……そうね、もしかしたらアンバルレードに行けば、確かにその色々な伝承についての記述もあるかもしれないわね。」




父さんの後に母さんが話を続ける。

2人とも知ってたのかよ、それなら教えてくれてもいいじゃん。




「……なんで教えてくれなかったの。」




俺はムスッと問いかける。

が、2人はまさかそんな事があるはずないと、そう思ったらしい。


確かに確実性は無いが、また、完全に無いとも言えない。






「まぁいいけど、俺はとにかくアンバルレードに行きたいの!どうせ父さんと母さんは忙しいし、シュラナさんと2人で行くなんて許してくれないよ!」




「「そりゃそうだ。」」


「「その通りよね。」」


「当然だろ?」


「当たり前じゃない。」




上から爺ちゃん達、婆ちゃん達、父さんに母さん。

全く淡白な反応だよ!俺は辛いね。








「だから爺ちゃん達にお願いしてるんだよぉ。ね?いいでしょ?」


「えぇ!じゃあ私も行きたい!!」




と、ここで割って入るのは姉ちゃん。

ま、突然の流れだよ。




「姉ちゃんも行きたいよね!!」


「うん!アルヴィスとならどこでも行きたいよ!」




お、おう。

姉ちゃんやい、それはちょっと意味が違うと思うんだけどね?






「だがアルヴィス、それは爺ちゃん達には決められんな。」



「そうだな、お父さんとお母さんの許可がなくてはならん。」






そりゃそうか。

正直、説得まで付き合って欲しかったけど、まぁ仕方ない。


俺と姉ちゃんは同時に父さんと母さんへと顔を向ける。


2人は大きなため息をついて目配せをするとーーー




「分かった。しかしお爺ちゃんの言う事をちゃんと聞くんだぞ。その約束が守れないならーーー」




「ーーーやったぁぁ!!ありがとう父さん!!ちゃんと守るよ!」


「アルヴィスとお出かけ!それも街の外だァ!やった!」






俺と姉ちゃんは嬉しくて飛んで喜ぶ。

が、ここでもう一つ決めなきゃ行けないことがあった。



「で、どっちが連れていく?」



「まぁ、そうなるよなぁ。」



ウィルザー爺ちゃんがビルガルド爺ちゃんに聞いたけど、それも想定内らしかった。



「何言ってるの、連れていくってなると私達は無理よアナタ。」



と、言ったのはセルタナ婆ちゃん。ビルガルド爺ちゃんは、「……はぁ、確かにそうだよなぁ。」と凹む。

ビルガルド爺ちゃん達はアンバルレードとは逆方向の街で住んでいる。どちらかと言えば、この国の王都に近い。




対してウィルザー爺ちゃん達はアンバルレード方向にある街に住んでいる。

連れて行ってもらうとすれば100%でウィルザー爺ちゃんとスティラ婆ちゃん。






……とは言えこれじゃビルガルド爺ちゃん達が可哀想。若干しょんぼりしてる。

何か代替案でもあればいいーーーー








ーーーーそうだ!!








「ーーーねえ、ビルガルド爺ちゃん、次は王都に連れてって欲しいな!ダメかな?」




どうよ、これならイーブンでしょ。


そう思ったと同時にビルガルド爺ちゃんの表情がガラリと変わり、ガーハッハと笑い出す。




「それは名案だな!」


「えぇ!王都にも行けるの!」




もちろん返事はオッケー。


同時に姉ちゃんも大はしゃぎ。




これで俺も王都に行けるぞ。


実は王都には一度、早い段階で行っておきたかったんだよ。激レアアイテム眠ってるからね。



誰かに回収されてない事を祈ってるよ。



「じゃあ決まりね!アンバルレードにはウィルザー爺ちゃん達と、王都にはビルガルド爺ちゃん達と行くってことで。もちろん俺と姉ちゃんを連れて、だからね!」




いやぁ、これは大きな収穫だ。

嬉しいことこの上ないぜ。



認識の擦り合わせも出来るし、王都にもアンバルレードにも狩場はあるし。



順調じゃないか。






「分かった、じいちゃん達に任せておけ。」




「アルヴィス、これで契約成立でいいのか?」




俺は満面の笑みでそれに応える。




「うん!じゃあスキルと魔法に関してだよね。まずは何処から話そうかなぁ。あ、でも夜だから明日の朝でもいい?」








なんてこった……みたいな反応をする爺ちゃん達と父さん。


仕方ないことじゃない、そう女性陣が告げたことで渋々と引き下がってくれた。




何せ持ち越しはこれで二回目。




気持ちは分かるから俺は3人に、ごめんね、とだけ謝っておく。




「いや、仕方ないな。時間帯が悪かっただけだ。それよりアルヴィス、今日の夕食を作ってくれてありがとうな。」




そう言って父さんは俺の頭を撫でた。














取り敢えず明日は、朝から爺ちゃん達へのデモンストレーションか。


でも今になって思うけど、俺の使ってたスキルを持ってないって事は、この世界の人達って基礎トレーニングしないって事かな??




俺のスキルに、この世界での未確認のスキルがあるって、俺は驚きだよ。

確かにこの世界、マラソンとかスポーツとかないもんなぁ。

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