第4話 まりえ、登場。

 6人から遅れること小1時間。出現した光のカーテンが消えると、まりえがいた。鉄の兜、鉄の鎧、鉄の盾、鉄の剣を装備している。見た目は勇者そのものだった。


「まりえ! どうしたのその格好?」

「勇者だよ。女神様がくれたんだよ! すごいでしょう!」


 かなり興奮気味で、重たそうな鉄の剣をブンブンと振り回している。


「まりえ、ズルイわ! どうして貴女が勇者なのよ?」

「才能があるんだって!」


 鉄の剣は、子供にもたせたら危ないということを、その場にいる皆が思った。


「テストはあったの? おっさんとアイドルさんの!」

「あったよ! 面白かったー!」


 優姫がまりえをなだめ、鉄の剣を片付けさせたあと、ゆっくりと話を聞いた。特にアイリスは、どうすれば勇者になれるのか、興味津々だった。しいかも、気取っているが、内心は気になっていた。


「アイドルさんの隣に並んだんだー!」

「隣に、並んだ……。」

「そーだよ。おっさん達と握手したんだ! 楽しかったよ」


 まりえの右手が鉄の剣をつかもうとする。また興奮しだしたのだ。慌ててみんなで取り押さえ、剣を抜かせないようにした。


「あっ、あの状況でそんな行動を取るなんて……。」

「……勇者だ!」

「まりえは、紛れもない勇者だわ!」


 みんな、何となく納得する。そのあと、また光のカーテンが出現した。

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