第5話 真実と嘘

俺が白竜を殺した?シロウの師匠をか?…そんなわけ無いだろ…誰だよそんなデマ流したの…


「俺が白竜を殺した?そんなわけ無いだろ…第一殺す理由が無いだろ…」


「殺してないのなら証拠を出しなさいよ!証拠を!」


証拠って…お前らも俺が殺したって証拠はあるのかよ…

するとシロウがこちらに近づいて来た…

「レンさんはそんなことしてない」

シロウは力強く言った。


「何よアンタ!アンタには関係無いでしょ!」


「関係あるよ…白竜師匠は俺の師匠だから…」


「アンタが白竜の弟子って言うのならその実力を見せてみなさいよ!」


「レンさん…コイツやってもいいですか?」


コイツ本当に大丈夫かな…でも一様大剣豪の1番弟子だし…しかも何かやる気満々…

やっぱりシロウには迷惑を掛けてしまったな。。。もしも俺1人だったら諦めて冤罪を受け入れていたのかもしれない…


「あぁ、いいぜ…でもこれでお前が負けたら2人仲良く豚箱行きだ。分かったな?」


「はい!任せてください!」

すまんなシロウ…


女の子がこちらに手を出して挑発してきた

「さぁ、いいから早く来なさ…え!?」


女の子が言葉を発した瞬間!シロウは光のような速さで剣を抜き女の子の首元に剣を突き出した!

「これで証拠になった?」


アイツ思ったより強いんじゃね?…アイツの速さ…俺が魔法を使った時と同じくらい早い。アイツが魔法使えれば最強になるんじゃね?駄目だ、リーダーとしての立場が無くなるからやめておこう…


女の子は動揺した様子だった

「わ、分かったわよ…アンタ達の話を聞いてあげるわ…」


シロウはこちらに走ってきた

「やりましたよレンさん!俺カッコいいでしょ!イケてるでしょ!」


こいつのこのテンションはうっとうしいが

まぁでも確かに今回ばかりは助かったしな…素直に誉めるか…

「あぁ!良くやった!今回ばかりはお前のお陰だ!ありがとう!」


シロウは誇らしげな顔をしていると

女の子がこちらに向かってきて喋りかけて来た。

「あそこにちょっとした広場があるわ、先ずはそこで話しましょ」


小鳥のさえずりの下、俺たちはすべてを話した。何故だかこの女の子には話しても良かった気がしたからだ。

「それじゃあ、あの大剣豪の白竜は悪魔に殺されたって事?」


「あぁ、嘘かと思うかも知れないが本当の話だ。」


「そうなのね…」


女の子は荷物を持ち立ち上がった。

「分かったわ!アンタ達が嘘をついているようには私には見えないし、私はアンタ達を信じるわ!逮捕状の事は任せなさい!協会のジジィどもに言ってきてあげるわ!」

女の子は歩き出した…


「あ、そうそう!私はカレン!また会ったらよろしくね!」


「あぁ、ありがとうカレン!」

俺はホッとした。何とか誤解が晴れて良かった。しかし俺は少し心配だった。魔法協会はその権力と名誉を使ってたくさんの魔道士を不当に追放してきたのだ…カレンもそうならないといいんだが…

俺とシロウはカレンを送り出したーー


「さぁ!仕事に戻るか!この町にはまだまだ助けを求める声が多い!行くぞシロウ!」


「はい!レンさん!」


俺とシロウはガイルの町をあちこち回って助けて行った。

飯が欲しいと言われれば狩りや釣りをして飯を提供したし、

薬草が欲しいと言われれば取り入った。


そうして、ガイルで色々稼いで1週間が経ったーー


「シロウ!そろそろ行くか!確かにこの町はまだ助けきってないがこの町ずっと居座っても俺の目的は達成しないからな!」


「そうですね!レンさん!そろそろ行きましょうか!次はどこに行くんですか?」


俺はガイルで貰った地図を広げた。

「ガイルから西に数キロ歩いたら町がある。先ずはそこに行こう」


「え…また歩くんですか?…」


「あぁ、歩くぞ数キロ」


「き、急に足が!くそっ!せっかく新しい町に行けると思ったのに痛い!痛い!ヤバいレンさん!これじゃ歩けな…あ、待ってください!冗談ですって!置いて行かないでぇぇぇぇえ!」


俺たちは次の町へと向かった。次の町はタリアの町だーーー





ーー魔法協会 会議室ーー

「だーかーらー!レン達はやってないって言ってるでしょうが!」


「カレンよ!貴様は犯罪者に加担するつもりか!まんまと口車に乗せられよって!」


このジジィ…カレンは唇を噛み締めた…

「そうやって!気に入らない人を追放してきたのね!こんなやり方じゃこの協会は落ちるわよ!」


「そうか…ならいい…」


カレンの周りに魔方陣が浮かび上がった。

「ちょっと!何するつもりよ!」


「カレンよ!貴様は今日から魔法協会追放とする!二度と戻ってくるでない!」


魔方陣が光り出した!カレンは怒りながら魔方陣を叩いて訴えた、

「そうやって何度も逃げて来たのね!そんなんだからちっとも良くならないのよ!ち、ちょっと待ちなさい!人の話は最後まで聞くものよ!この…」


魔方陣が消えると共にカレンは協会の外へと弾き出された!


「わしに歯向かう者はすべて消す…」


カレンは悔しそうに地面を叩いた。

「レン…ごめんね…アンタ達はやっぱり正解だったわ…」


ーーこの協会は腐ってるーー

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