第6話 悪魔か人か

紫色の空。吹き荒れる風。

ここは魔界。そして魔界の中央にして魔界で一番大きな国、


『魔帝国ディサピア』


そしてディサピアの城

『ディサピア 玉座』


「サタン様」

音も無く何者かが現れた。


「ベリアルか…人間界の様子はどうだ?…」


「はっ!12幹部が1人、大悪魔クランプスの消失が確認されました。」


「ほう…クランプスがか…して、クランプスを消した人間は誰だ…」


ベリアルは膝まつきながら言った

「人間界の元魔道士だと聞いております」


「名は何だ」


「マケドニクス家の生き残り、レン マケドニクスです」


「マケドニクス家か…これは面白い…ベリアルよ、マケドニクス家の生き残りを監視せよ。」


「御意」

ベリアルは音も無く消えた…


「ククク…マケドニクス家か…リーム マケドニクスよ…貴様の子どもを見つけたぞ…これは楽しくなりそうだ、ククク…ハッハッハッハ!」

……



はっくしょん!

「どうしたんですか?レンさん風邪ですか?」


「いや、何か俺の噂をされていたような気がしてな…気のせいか…」


シロウは笑いながら言った。

「ちょっ!レンさん!そんなことあるわけないでしょ!全くレンさんったらお茶目ですね!素直に風邪って言ったらいいじゃないですかー!」


何だコイツ殺してやろうかな…そうこうしているうちにタリアの町についたーー

この町もまた物々しい雰囲気に包まれている

「レンさん…これって…」

シロウが何かに気付いたように言ってきた。


「お前も気付いていたか…」

勿論俺も気付いていた。

そう、この町には巨大な悪魔がいるーー


「シロウ!先ずは手分けをしてこの町の事情を聞くぞ」


「分かりました!」


俺とシロウは手分けをして町の事情を聞いた

住民から聞いた話だがこの町の一昔前は悪魔による災厄が訪れたとされているらしい…

そしてこの町には悪魔が住んでいてその悪魔に生け贄を捧げなければこの町は消されると言う…だからこんなに重い雰囲気なのか…

そう、悪魔は人を喰らって生きる。だから生け贄が必要なのだ。


「レンさ~ん!」

シロウが走ってきた。


「シロウ、そっちはどうだ?俺はかなりこの町の事情を聞けたぞ」


「それが面白い話を聞けたんですよ!」


面白い話?こんな雰囲気の中か?コイツバカだからこんな重い雰囲気なのに笑顔で喋りやがる…


「何か魔法協会から1人追放者が出たみたいですよ!」


何?魔法協会から?俺以外は最近そんな事聞かなかったんだけどな…何故だろう…何だか嫌な予感がする…

「どんな奴か分かるか?…」


「え~と、噂によるとですね!気が強く何事にも臆しない性格で自分に凄く自信がある女の子でして、ツンデレロリ逆レイプ魔 って呼ばれてるらしいですよ!全く笑えますよね!」


うわー…1人しか思い浮かばねぇ…コイツほんとバカだよな気付いてないのか?…

あれだよな…カレンだよな、てかカレンしか居ないよな…


「カレンだろ…それ…」


「え!?カレンちゃんですか!?そんなわけ無いでしょ!全く冗談が上手いですねレンさんは!レンさん!もう騙されませんよ!」


やかましいなコイツ…今度寝てる時に口にガムテープ貼ってやろ、コイツ喋れないと多分死ぬから。

やっぱりカレンにも迷惑掛けてしまったか…次会ったら謝ろう…そんな気がしてた。やっぱり俺と関わった奴はみんな迷惑を掛けてしまう…考えても仕方ない先ずはこの町の事だけを考えよう…


「シロウ、この町の協会に町長がいるらしい…先ずはその町長に会いに行こう」


「え?蝶々ですか?ち、ちょ!レンさん何ですかその見たこともない顔は…痛い痛い痛い!ごめんなさい嘘です嘘!あっ!許してぇぇぇぇえ!」


俺たちは協会の扉を開けた。するとそこには大きな女神の石像に祈りを捧げる老婆がいた…俺が協会の扉を閉めたら老婆はこちらに向かってきた。

「ようこそ…魔道士様…先ずは来ていただきありがとうございます…」


「はじめまして、俺はレンって言います。そしてそこで泡を吹いて倒れてるのがシロウです。事情は聞きました。悪魔がいるんですよね?この町に」


老婆は静かに語り出した。

「えぇ…最初は物を取るや人を脅かすと行ったイタズラ程度だったのですが、ある日突然その悪魔が凶暴化したのです。今では生け贄を捧げるくらいしかうちの町を守る方法はありません…おそらくかが力を与えたのでしょう」


か?何者ということは人がか?人が悪魔に力を分け与える?そんなこと今まで聞いたことがない…一体どうゆうことだ?…考えても謎が深まるだけだ…


「それで町長、今その悪魔はどこにいるんですか?」


「今はこの町の地下洞窟にいます…魔道士様どうかお助けください…」


「町長…1つ間違いがあります。俺は魔道士ではありません。俺は魔法探偵!この問題!魔法探偵のレン マケドニクスが解決してみましょう!」

久しぶりに言ったなこれ…


「おぉ…ありがとうございます…魔道士様…」


ん?何だこのばーさん耳悪いんか?ま、まぁいい。

「町長、生け贄はいつ必要なのですか?」


「明日です…どうなされるのですか…魔道士様…」


俺はニヤリと笑みを浮かべた

「町長、俺に考えがあります…」

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