第2話 無能な味方は敵より厄介?
俺には自信があった。なぜなら元はS級魔道士だからだ。A級が歯が立たないくらいならS級の俺なら大丈夫だろうと思っていた。
だが脅威は意外な所からやって来るのだった――
――北の山 麓――
「やっとついたな!シロウ、大丈夫か?」
「この…くらい…大丈夫だ…ハァハァハァ」
ハァ…何でコイツついてきたんだ…山まで歩いて30分しかないのにめっちゃ疲れてるし…。しかもまだ山の麓だし。。。コイツ本当に連れて来て大丈夫だったのか?…
――30分前――
「お前の師匠を俺が助けてやる!」
シロウが不安そうに言った
「いいのか?…でも相手の悪魔はA級魔道士でさえ歯がたたないんだぜ?…師匠も1週間帰ってきてない程強大な悪魔なのに…」
「A級魔道士が歯がたたない?シロウ、俺の噂ちゃんと聞いてる?」
「あぁ、聞いてるさ。魔法協会から永久追放をくらった性欲モンスターだって。」
何か違うぅっ!どこをどうなったら元S級魔道士が性欲モンスターになるんだよ…
「シロウ、その噂は間違ってる。俺は元S級魔道士だ。A級魔道士が歯がたたない?俺はS級だ。心配はいらない。あと性欲モンスターなんかじゃない。」
「S、S級!?だからそんなに自信満々に言ったのか…てっきり元魔道士で自意識過剰の性犯罪者かと思ってた。それはすまなかった。。。」
いや結構傷ついたんだけど…
「俺は今からお前の師匠を助けに行く。直ぐ終わらせるからお前はここで待っとけよ。あと、報酬として飯か金を準備しといてくれ。よろしくな」
そう言い残すと俺は立上がりそのまま戸を開けて行こうとした、するとシロウが俺の肩を後ろから勢いよく掴んできた。
「ち…ちょっと待ってくれよ!あの人は俺の師匠何だ…だから…俺も助けに行きたいんだ!この師匠から教えてもらった剣術で!」
俺は困った。とはいえ相手の悪魔も相当強いハズだ噂からすれば…師匠の前で弟子をみすみす危険な目にさらすわけにはいかないしな…結構強めに言っておこう。
「お前下手すれば死ぬぞ」
シロウの顔が一瞬強張った。ちょっときつく当たってしまったがこれでシロウがついてきてくれないならいいだろう。。。
シロウは顔が強張りながらもゆっくりと口を開いた
「俺を連れて行かないなら報酬は何もやらない。」
俺の顔も一瞬強張った。そして俺はゆっくりと口を開いた
「一緒に…助けに行こうぜ…」
最近の子ども怖すぎでしょ。。。
「ありがとう魔法探偵さん!」
シロウが気合いの入った声で言った。俺はまぁいいかと軽い気持ちだった。。。
「それで北の山はここからどれくらい何だ?」
「歩いて30分くらいの場所にあるぜ!早速行って師匠を助けに行こうよ!魔法探偵さん!」
北の山、結構近いな…まぁいい、行くか…
――そして今――
「師匠は多分、この山の頂上にいるはずだ…魔法探偵さん!早く行って師匠を助けようぜ!」
俺は不安になりながらも大丈夫だろうと思った。
「そうだな、お前の師匠を助けよう…よし!頂上まで登るぞ!」
――1時間後――
「もうすぐ頂上だな…シロウ、大丈夫か?」
「ハァ…ゴホッ…うう…もうすぐ…頂上なのか?…早く…ハァハァ…行こう…」
コイツ体力無さすぎだろ…本当に大丈夫か?とはいえ頂上はもうすぐだ…ほら見えてきた!
俺とシロウは走って頂上に行った。
「やっと着いたな、ここが頂上か」
「急に走るなよ…魔法探偵さん…う…オロロロロロロロ…」
疲れすぎでしょ!目の前で吐くなよな。。。
それにしても悪魔がいないな…シロウの師匠はこの山の頂上で戦っているんじゃなかったのか?まさか、山を間違えたとか?そんな事は無い思うが…
「シロウ、ここで合ってるのか?お前の師匠も悪魔もいないな…」
「ここで合ってるって!」
シロウは力強く答えた。どうやらここのようだ、しかし何もいない…俺は不安になって考えていた。
その時だった!山の上空がガラスのように割れ、何10本の大きな腕と恐ろしいガイコツのような顔がこちらを覗いてきた!そう悪魔の襲来だ。
「ククク…我が名はクランプス、サタン様の忠臣が1人。あまたの人間を喰らい、もはやサタン様をしのぐ力を手にいれた、最強の悪魔だ!次はどんな獲物だククク…ハッハッハッハ!!!!」
シロウはビビっていた
「こ、これが、師匠や魔道士様が戦っていた、悪魔か…ヤバイ…こんなの…勝てないよ…」
だが俺もビックリした。A級魔道士が歯が立たないくらいなら大丈夫だろうと思っていたが、この悪魔はレベルが違う。元S級の俺でも寒気がするくらいだ。シロウを連れて来たのは本当に間違いだった、、、俺とこの悪魔が本気で戦えばシロウは間違いなく巻き込まれる…どうすれば。。。
ん?シロウが何か悪魔に向かって言ってるな、
怖がりながらもシロウは口を開いて聞いた。
「お、おい!悪魔!俺の…師匠はどうした!…」
「ククク師匠?あの老人のことか?…」
「多分そうだ!その老人はどこだ!」
悪魔は笑いながら言った
「ククク…あの老人は最高に旨かった!これまでに無い最高の味だった…あの老人は強かったが俺の足元にも及ばなかったククク…ハッハッハッハ!!!!」
シロウは涙を浮かべながら地面に手をついた
「そ、そんな、俺の、師匠が、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…ウゥゥゥ…嘘だ!!!」
悪魔は笑いながら言った
「いいねその顔!その泣き声!たまらないよ!!!!ククク…それじゃあいただきまーす!!!!」
悪魔の巨大な腕がシロウに迫る!
「もう…ここで…死んでもいいや…師匠のいない世界なんて…世界なんて…」
「何諦めてるんだ!!!!」
ビチャッ! たくさんの血が飛び散った!
「ハァハァハァ…お前の…人生は…これから…だろ」
「ま、魔法探偵さん!?どうして!俺はもういいんだよ!師匠がいないなんてッッ」
「うるさい黙れ!!!」
「魔法探偵さん…」
「お前が死ぬことで…ハァハァ…師匠は救われるのか?…師匠を助けたいなら…ハァハァ…お前が!師匠の分まで生きろよ!」
「何でだよ!何で…師匠の所に逝かせてよ…」
「うるさい!いいから見とけ!今からコイツをぶっ殺す!」
レンの手のひらに魔方陣が描かれた、、
「これが…魔法だっっっ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます