第一期

第1話 キッカケ

魔法探偵になって3日。いろんな町や村に行った、だが依頼は来ない、、、どうやら俺の悪評は魔法協会から離れていても届いているらしい…


こんな話を盗み聞きした。


「元S級魔道士が問題行動をおこして追放されたらしい…危ないから逃げた方がいいぜ」だとよ。


絶対魔法協会が流しただろ…全くクソみたいな協会だな、あそこは、、、


俺は今歩いている。次の町まで。場所は特に決めてなくバラバラだ。だか流石に3日も食わずは辛いな…歩きながらも意識がもうろうとしてくる…


まぶたがどんどん重くなってくる、、、


うっ…ま…ずい…意識が…こんなとこで…


目の前が真っ暗になった、どうやら空腹で倒れたらしい--


「お兄ちゃん…お兄ちゃん…置いて行かないで…お兄ちゃん…」


「リサッッッ!」


俺は勢いよく布団から飛び出した。どうやら夢を見ていたらしい、、、


「え、布団?どこ?ここ?」


辺りを見回す。和室だな、今はどこも魔法を使った部屋や家が多いのにな、珍しいな…


戸を開けて誰かが入ってくる、、、


「起きた起きた。大丈夫か?」


白髪の少年が目の前に座って話しかけてくる


「全然大丈夫じゃない…腹が減って死にそうなんだが…あれ?腹が減ってない?なんで?」


「俺が無理矢理食わせたんだよ。えーと、カエルの串焼きとヘビの丸焼きと…」


「もういいよありがとう」


俺は吐きそうになったが何とか我慢した。口の中に何か残っているが気のせいだろう。やっぱり少し気持ち悪い…少しじゃないかなり気持ち悪い…


「オロロロロロロロ」


吐いてしまった


「大丈夫か?」


白髪の少年が言った。俺は、お前のせいだろとツッコミをいれたかったがやめておいた。


「何で俺を助けてくれたんだ?俺の噂を知らないのか?」


白髪の少年はフッとため息をついたあと話した。


「噂だけで判断するのは俺はしたくないし、倒れていたら助けるのが普通じゃないのか?」


俺は惚れそうになった、コイツめっちゃいいやつだ、と。


「お前こんなところで何してるんだ?この家にはお前しかいなさそうなんだけど…」


ちょっと気になったので質問した。


少年は答えた


「もともと俺は師匠と2人でこの家に住んでいたんだ…俺の師匠は剣の達人で魔法に頼らずに剣を極めていたんだ。俺はその師匠の初めての弟子だった。師匠は凄かった。拾った俺に生きる術や剣術教えてくれた。。。そんな師匠に悪魔討伐の依頼が来たんだ。魔法協会から」


「魔法協会から?何で?お前の師匠は剣の達人なんだろ?魔法は関係無いんじゃないのか?」


「俺も何で魔法協会から依頼が来たか分からないが師匠は疑いもせずこの依頼を受けたんだ。でもこの依頼の悪魔はA級魔道士でも倒せなかった悪魔らしい。おそらく魔法を使わず剣だけで進んだ師匠が気に入らなかったんじゃないかな?師匠はその悪魔を倒すために1週間前頃に出発したがそれ以来帰ってきてない…」


「その…言いにくいんだけど…お前の師匠はもう…」


少年は声を荒げた


「そんなことない!師匠はそんな弱くない!師匠は…師匠は…」


俺は思った。これは魔法探偵の出番では?と。


「その師匠はどこに向かったんだ?」


「北の山に向かったよ…何しに行くつもりなんだ?…」


「そうか、ありがとう。」


「後、お前の名前は何て言うんだ?」


「俺はシロウ、シロウ アライト」


「そうか!シロウって言うのか!では改めて言おう!」


俺は笑いながら言った。


「俺は元S級魔道士の魔法探偵レン マケドニクス。この依頼、俺が解決してやろう!」


シロウは困った顔をした。


「魔法探偵…?」


俺は自信の溢れた笑みで答えた


「あぁ…魔法探偵だ!シロウの師匠は俺が助けてやる!」

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