第115話、空より落ちる殺意
クジョウの和風な街並みを、ヒルデガルトと刀片手に練り歩く。
鮮やかな桜の色合いに感嘆の思いを抱き、心和やかになりながら……。
酒に酔う大人達や祭りにはしゃぐ子供達、他にも様々な笑い声も混じって耳に届く。
「……賑わってるねぇ。屋台まで出てるし。普段はここには屋台とか無いんでしょ?」
「そうだ。これらは祭りや行事、あとは今回のように桜が咲いた時にだけ出店が許されている」
フードを深く被ってお忍び状態のヒルデガルトに付いて、観光客の多い桜の木と屋台の並ぶ川沿いの道を歩いて行く。
わいわいガヤガヤと羽目を外して、桜を楽しみながら酒や食にと大忙しだ。
「それがいいんだよね。特別な時に食べるから屋台って美味しいんだよ。……でも知ってる? 王都のいつも出てる屋台って訳の分からない物は売ってる癖に、米とかはお断りなんだよ? カチンと来るよね。やってらんないっての」
「需要というものがあるんだ。王都は様々な職種の者が集まる。土地柄や栄養などで販売する標的となる層が違う。米はその層に入り難いのだろう」
「……ぐうの音も出ない正論は止めてよ。しょぼんとなるじゃないか。こういう時は適当に相槌打ってくれよ」
舞い散る桜の花びらの中、屋台の香ばしい匂いを嗅ぎながら歩んでいく。
……少し後方から、こそこそし過ぎている4人組に付けられてるけど。
あの子供達だろうから微笑ましく見守る。
「……そう言えば、俺達はどこに向かってるの? ヒルデは迷いなく歩いてるよね」
「あそこだ」
立ち止まったヒルデガルトが、斜め上を指差す。
そこは小高い山の上に建つ神社らしき建物であった。
ここからでも朱色の鳥居らしきものがいくつも見える。
「おおっ! いいね、かなり興味あるよ。ワクワクして来ちゃった」
きっとヒルデガルトは、初めて街を訪れた俺に少しでも観光させたくて連れ出したんだろうな。優しい子だ。
聞けば、ヒルデガルトは恵まれない子供達を積極的に雇い、この街で修行させてからスカーレット商会系列の会社へ送り出しているらしい。
それを聞きつけた子供が雇って欲しいと街へ来る例もあるようだ。
これはマダムの時代には無かった取り組みで、貴族や金持ちなどの選ばれたものこそが自分の会社に相応しいと考えていたマダムとは、完全に相反するものであった。
だから女皇などと言われて誰もが恐れる彼女も、ここの新入りや子供達には非常に慕われている。背後の子達もそうだろう。
「……ん?」
「……おいコクト、何をしている。よそ見をしているとハグれるぞ」
少し離れた建物の方を見て立ち止まっていた俺を目ざとく見付けたヒルデガルトが、人混みを避けて戻って来る。
「……………いや、何でもないよ」
「やはり変な奴だな、お前は……。行くぞ。私の背だけを見て追って来い。さっさと用を終わらせる」
「了解」
再び歩き出すヒルデガルトのすぐ後を付いて行く。
それにしても、ちょっと驚いた。まさか……。
「……おっ? ちょっと待ってっ、これは買って行くよ!」
新作料理の参考に気になったキノコの炭火焼きを買おうとする。
ホントに甘美な匂いだもの。椎茸っぽいキノコが芳ばしく焼かれてる。
「私の用がまず先だと言っているだろ。堪え癖の無い奴だ。帰りまで我慢しろ」
「お言葉だけどね……君の右手のそれ、何?」
ヒルデガルトの右手にガッチリ握り締められた、ジューシーな鶏肉の串焼きを指差して言う。
「……買ってしまったのだから食べないともったいないだろ、馬鹿者め」
「お、面白い事を言うじゃないか!!」
馬鹿者!? 焼き鳥の屋台をジッと見てたかと思えば我慢出来ずに買ってしまったヒルデに馬鹿者って言われちゃったよ!?
「まぁいいだろう。このキノコは焼けばそこそこ食べられる。私の分と一緒に買ってやる」
「え? ……いや、自分で買うよ? お金持って来てるし」
「貴様は田舎から出て来たばかりで知らないのだろうが、一人暮らしは金がいるものなのだ。取っておけ」
「俺、結構一人暮らし長いけど……」
手塩にかけた田園を置いて去る不安に満ちたあの日を思い出す……。
「何? どのくらいだ」
「8年くらいかなぁ……いてっ」
「くだらん事を言うな。赤ん坊を旅に出す親がどこにいる」
ヒルデのツッコミを受けた。
そういや俺は8歳くらいの見た目だった。
「おい」
「へ、へいっ!!」
強面の店主すら即座に配下にしてしまうヒルデガルト。
ビリビリと伝わる威圧感に、店のおじさんも汗を流してビクビクしてしまっている。
「ボサッとするな。
「6本! ありがとうございやす!!」
……へぇ、気付いてたのか。
ヒルデガルトは大きな商会の会長さんなのに、気配にも鋭いようだ。
多めの注文に上機嫌の屋台のおじさん。
「……へぃ! まず一本!」
「…………」
すっかり子分と化したおじさんは、いの一番にヒルデに串を差し出し、ヒルデも無言で受け取ってしまう。
「……先に商品受け取っちゃったら、両手塞がっちゃうじゃん。どうやってお金払う気なの?」
「…………」
食べて手を空けるにしても、でっかい焼き鳥もまだ結構残ってるし受け取った焼き椎茸も熱々だ。
仕方ないので、俺が巾着型の財布からお金を払う。
「すみません、おじさん。これで足りますか?」
「あ、あぁ、足りるよ。今おつりを用意するね?」
奇妙な沈黙だったが、残りの五本と共に店のおじさんがおつりを返してくれた。
普通だろうと思いがちだが、誤魔化す輩も多いのだ。
「……ふん、借りだとは思わんからな。礼は言わん」
「いや立派な貸しだよっ。貸しじゃなかったとしても、礼は言いなよっ」
一々ツッコミ甲斐がある子だ。
しかしそれにしても、大人と子供それぞれに対応する際の雰囲気がまるで違うようだな。
「…………」
少し不貞腐れたヒルデガルトが、少し遠くの木の陰に鋭い眼光を飛ばす。
すると、明らかにビビリにビビった4人組がこの世の終わりのような面持ちで歩み寄って来る。
「あ、あの……ヒルデガルト様……」
「これは……そのぉ……」
断頭台へ送られるときの足取りである。
「まぁまぁ気にしないで、まずはこれでも食べなよ」
きっとヒルデガルトが心配で付いて来たのだろう。
焼き椎茸を配って、叱られる工程をスキップしてあげる。
「……ふん」
………
……
…
近くにある名所で、落ち着いて焼き椎茸を食べる。
「あれが有名な『岩切り』の伝説よ? 初代剣聖ジューベ様が斬ってしまわれたんだってぇ。凄いよねぇ〜」
「おぉ……!」
目の前にあるのは、見上げる程の巨岩。
但し、真ん中から真っ二つにされて、鏡のようなツルツルの断面が見えている。
なんか縄の仕切りで囲まれて、御神木のように奉られている。
まだ初代勇者の仲間となる前のジューベが、修行時代に悪霊の封じられていたこの大岩を一太刀の元に断ち切ったのだとか。
「ジューベ様は今や剣の神様になられたって、この都市では信じられてるの。初代勇者よりも初代剣聖様の方が強いって言う人がほとんどなのよ?」
「ほぅ、それは興味深いね。初代勇者は滅茶苦茶強いって有名だから。少なくともそれと同等くらいだったみたいだね」
タマキさんとカエデさんが熱心に解説してくれるから非常に分かり易い。
「おい、もう行くぞ」
「君はこういうの興味ないの? 俺は歴史とか文化とかを感じられて楽しいと思うんだけど」
串焼きを食べ終えたらしいヒルデガルトが背後から急かしてくる。
急かしてくるので仕方なくヒルデの用を終わらせようと振り返る。
「増えてるじゃないか!!」
ヒルデガルトの両手には新たな串焼きが握られていた。
「俺がこれを眺めてるほんの少しの間で、よく二つも買えたね! また肉だしっ。お昼が食べられなくなるから皆に分けてあげなさい!」
「……うるさい、これは私のだ。誰にもやらん。それに貴様に数時間後の食事の心配などされる謂れなどない」
「よぉし分かった! そこまで言うならお昼にはきっちり野菜料理を食べてもらおうじゃないか! 緑たっぷりのやつだからね!」
踵を返して逃げるように歩き出すヒルデガルトを追いながら、特製野菜炒めを振る舞う決意を固める。
「あ、あのヒルデガルト様に、あんな口を利いて……」
「ホントに仲良いんだねぇ〜」
驚愕するカエデさんと笑顔のタマキさんも後を追って来た。
……後ろの方の二人は俺に否定的らしい。
♢♢♢
神社へ続く何百段とある階段を上り切る頃には、ヒルデガルトと俺を除く四人は息も絶え絶えとなっていた。
「おぉ……前も後ろもいい景色だねぇ。壮観な眺めだよ。風も気持ち良いし、苦労しても来る価値がある」
石の階段頂上から、階下に広がるクジョウの街並みを一望する。
「私は神主に用がある。他の子供達が上がって来たらここで待つように言っておけ」
「分かったよ、行ってらっしゃ〜い。何かあったら叫んでくれ。跳んで行くから」
「いらん」
正面に建つ立派な神社の方へとさっさと行ってしまった。
建物も立派だがお庭も手入れされているし、何より風情がある。本当に名所だな、ここは。
「あめぃじ〜んぐ」
「お、おぃ、お前……!」
「ん?」
虫の息のヒデ君が、木刀を杖に階段を上って来た。
少し下には、息を切らして必死に上っているカエデさんとラン君や、四つん這いで這って上るタマキさんが見える。
「早いじゃないか、ヒデ君。ヒルデがここで待ってるように言ってたから暫く休んでていいよ」
「お前はっ……も、もう帰っていい……、あとは俺がヒルデガルト様を、守るっ」
ヒデ君が、使命感に燃えるメラメラとした目で告げて来た。
「……脚が産まれたての小鹿になってるけど」
「くっ……!」
疲労に蝕まれた脚がカクカクになってる。いいパンチを食らったボクサーみたいだ。
「お、お前の、ヒルデガルトさまへの態度は許せんっ……! そんなやつはそもそも信用ができない!」
「……確かに」
一時と言えど、上司である会長や先輩への態度では無かった……。
ヒデ君……いや、ヒデ先輩の言う通りだな。
「な、なにを言い争ってんのよ、あんたらは……」
他の人達も上り切って来た。
座り込んで息を整え始めるカエデ先輩が、早速俺達の会話に入って来る。
「いえ、言い争いではなく、ヒデ先輩からヒルデガルト会長や先輩方への態度に関するご指摘を受けていたのです。私が間違えていました。これまでの無礼な振る舞いを謝らせてください」
「丁寧!?」
グラスの時にするような口調で自分を律する。
「い、いやいや、いいから! あたし達なんて仲間内でそんなに口の利き方に気を配った事なんてないし! タマキだってコクトの話し方が良いって言ってたし!」
「ぜーっ、ぜーっ……う、うぅ……」
当のタマキさんは、石畳みに倒れ伏してしまっていた。
しかし根性で、拳を微かに掲げる謎のアピールをしている。
「ヒルデガルト様だって嫌ならご自分で命じられるって! ……ヒデ! あんた後輩イビリなんてして恥ずかしいと思わないの!?」
「お、俺は間違えた事は言っていない! 俺達にまでそうしろなどとは言ってないぞ! ヒルデガルト様だけにはって話だ!!」
なんだそうだったのか。
ヒデ君はヒルデガルトを特に慕っているようだ。だから、会長のヒルデガルトにタメ口を利く俺が気に入らなかったんだな。
「ふむ……」
「おい新入り」
「え……な、何かな……?」
カエデさんとヒデ君の言い争いを眺めていると、いきなり無口だったラン君が高圧的に話しかけて来た。
同じくらいの身長に歳で、仲良く出来そうな男の子だったのだが……。
「おれはお前より先輩だな」
「う、うん、勿論そうだよ?」
「さっさと草餅買って来い。三分以内な」
「…………」
パシリにされそうになっている。
焼きそばパン的なノリで、草餅を要求されている。
「ラン! あんた、また後輩に草餅買って来させようとしてるの!?」
「っ……!!」
「君、常習犯なの……? 日頃からどんだけ草餅食べてるの?」
なんとラン君は、草餅恐喝の常習犯だったようだ。
気付いたカエデさんに叱られ、慌てて建物に逃げていくラン君。
どこにあの体力が残っていたんだろう。
「……さぁ、もうお前達は帰れ。護衛は俺だけでいい」
「…………」
どう言おうか迷ってしまう。
こういう時期の子はそのまま言ってもダメで、こっちも譲りつつ相手に引かせる巧みな話術が必要になって来る。
「はぁ? 道場でも大人に勝てないあんたがヒルデガルト様の護衛? そこら辺のチンピラ集団にも手も足も出ないレベルなのよ、あんた。……何言ってんのよ、ホント」
カエデさんがズバリと言ってしまった。容赦が無いから、爽快ですらある。
「う、うるさい! いざとなれば逃げる時間くらいは稼いでみせる!!」
「落ち着いて、ヒデ君。誰かの役に立とうとする君の気持ちは気持ちのいいものだけど、今のそれは良くないと思う。何よりヒルデガルトが望むとは思えないよ。そうでしょ?」
「……ヒルデガルト様が……」
「そう。ここは一つ、腹を割って話し合おう」
仲間の正論に頭に血が上り熱くなって来たので、笑顔を見せつつ冷静に諭す。
「まずその物騒な武器は無粋だよ。危ないから捨ててしまいなさい」
「刀持ってる子供が言うな!!」
しまった。
♢♢♢
頑ななヒデに、カエデの機嫌も悪くなる。
息の整って来たタマキも心配そうにおろおろしていた。
「ヒルデガルト様はお強いの。全部纏めて倒せるくらいに。……あんたは? 大人一人にさえ勝てやしないのよ? なのに相手が二人とか三人とか来たらどうするのよ。手加減してもらって、一人一人順番に戦ってもらう? その木刀で」
「このっ……」
言い方にも刺々しさが増していき、困り顔のコクトも対処に迷う。
「こ、コクト君、どうしたらいいと思う?」
「仮にも年上が取り繕う事なく頼って来たね……」
しかしコクトもただ見ている訳にもいかず、意を決して声を掛けようとした。
「…………」
だが……ふと、コクトが街のある方角の空へ視線を向けた。
「……? どうしたのぉ?」
「…………」
不思議そうなタマキの問いにも応えず、コクトはおもむろに――
「――――」
刀を抜いた。
「コクトくんっ!?」
放った鞘が石畳を打つ小気味いい音が鳴る。
「何だ!? ……っ」
「ど、どうしたの、コクト……」
三人が三人共に、刀の放つ本物の刃の光に恐れを抱く。
薄く、鋭く、硬く、冷たく、無機質な……。
その形状は正しく『斬る』、ただその使命だけを与えられて造られた物であった。
故に美しく、だからこそ恐ろしい。
自分達より小さな男子が持つには不相応で、今まではもしや玩具の類ではと何処かで侮っていた。
「…………」
しかしその刀を持つコクトの立ち姿は、今までのものとは別物。
神社の洗練された空気と共に、神仏のように何人も手の届かない厳かな気配を放っていた。
「……来たね……」
コクトの呟きに言い知れぬ怖さを感じた三人の視線は、自然と彼の目の向く道筋を辿る。
「……っ!?」
空から、寒気のする光が落ちる。
その光はあっという間に大きくなり、自分達へ向かっているものだと本能的に悟る。
そして声を上げる暇も無く、到達する。
「――――」
同時に、コクトの刃が振るわれた。
軽快に振るわれた刀が、煌めきの如く一瞬の内に跳ねる。
一つの甲高い高音が、タマキ達の耳を響かした。
「……う〜ん」
瞬きする間もなく終わった一太刀の次に聴こえて来たのは、コクトの嘆息混じりの声。
「……い、今のは……?」
「襲撃だよ。断言は出来ないけど、弓で狙われてるんだと思う」
カエデの思わず溢れた疑問に、コクトが簡潔に答えた。
その足元には、発言を裏付けるように二つに断たれた矢が落ちている。
「矢……? 今の光がか……?」
「かなりの魔力が込められてた。ここを俺達ごと吹き飛ばすつもりだったんだと思う」
「…………」
それも納得の光量であった。
本殿に届かないまでも、自分達を含む入り口付近は粉々になっていただろう。
「……また来そうだね」
この子供がいなければ。
「今度は多いなぁ……君達は動かないでね」
少しの動揺も無い平坦な声音。揺るがない平常心。
最も大きな違和感であった。
何故矢が、何故自分達に、一体誰が、どうやって。そんな事よりも気になって仕方のない大きな疑問。
子供の身には有り得ない、あの眩しい程に込められた魔力の矢を呆気なく斬り裂く技量。
「お前は……」
特にヒデは、多少の心得があるからこそ、今の一刀がどれ程の高みにあるのか想像出来ないまでも薄っすらと感じ取っていた。
それは道場の師範など、及びもつかない遥か先にあり……。
「……ッ!」
青い空より非情な矢が次々と飛来し、コクト達へと降り注ぐ。
先の一矢とは異なり、最小限の魔力だけを込められたそれ等がコクトを襲う。
弾丸の如く落ちて来る矢の速度と威力に、子供達は絶句する。
「ふっ!」
小柄な身体を精一杯使い、時に飛び跳ねるように振るわれる刀は、面白いほど的確に矢を斬り裂く。
舞か劇、だとしか思えなかった。
予め決められていた通りに動いているとしか思えない、コクトの美麗な曲芸じみた剣舞。
自分達は、殺意の矢と刀の剣舞による接触で生まれる凄まじい迫力に腰を抜かすばかり。
「――ッ!」
最後らしき矢を、強烈な斬り払いにより打ち落とした。
「……………お、おわったの?」
次は……降って来ない。
終わったようだ。
事態はあまり呑み込めていないが、自分達は生き延びた。三人が安堵し、強張っていた全身から力を抜く……。
……だが、残心として風を斬る音を立てながら巧みに刀を払い、逆手に構えたコクトは尚も空を見上げる。
「……確実に当てて来てるね。本当に狙ってこれをやれてるのか……。う〜ん、これは……困ったな」
あれだけの実力を見せたコクトが、真剣な表情で呟いた。
「……なにが……何が困ったのよ……」
「この矢を射た襲撃者は危険だよ。とってもね」
「え、えぇ……」
そんな事は込められていた特大の魔力だけでも百も承知だ。
「威力も正確さも脅威だし、それらだけでもとても見過ごせないんだけど……」
より眉間に皺を寄せて、コクトは告げた。
「……一番問題なのは、その襲撃者がどこにいるのか分からない事だ。正直に言って、……打つ手がない」
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