短い物語の中に、大きな幸せを見つけることができました。初恋は予想外の結末を迎えますが、初恋の魔法使いのおかげで主人公は将来、幸せになります。彼の魔法は、今も主人公の中で生きているのでしょう。二人の魔法使いのおかげで心が温かくなりました。とても素敵な作品です。
悲しい事象がありながらも、それを(劇的にではなく)優しく温かく乗り越えていく、その様を書けるというのは、なかなかうまくやれるものではないと思います。この作品にはそれがあって、読者を優しさに引き込みます。“魔法使い”というのは大きなギミックとなっていますが、物語の本質はそこにないでしょう。なぜ魔法を使うのか、なんのために。人の心に基づいてこそ、この物語は成り立っています。みなさんもぜひどうぞ。
迷子と花火。ひまわりと魔法使い。そして初恋。短いお話の中、ひとつひとつのキーワードがとても印象的でした。小さな初恋とその未来。やわらかな透明感に包まれた、迷子の少女と魔法使いの物語。ぜひ読んでみてください。