第36話 お腹と後輩ちゃん

 

 俺は今、枕になっている。仰向けで寝転んだ俺の身体を後輩ちゃんが枕にしている。

 今は俺の太ももに頭を乗せているが、さっきまでお腹だった。その前は俺の肩だった。

 後輩ちゃんはコロコロと転がりながら俺の身体全体を枕にしている。当然膝から下は行かない。骨が固くて痛いらしい。


「ぐへー」


 後輩ちゃんがコロコロ転がり、お腹にやってきた。顔を俺のお腹に埋めてスゥーハァーと大きく息を吸ったり吐いたりしている。汗臭くないのだろうか? 大丈夫かな?


「うへー」


 またコロコロ転がり、俺の肩にやってきた。至近距離で俺の顔をじーっと見つめられる。後輩ちゃんの綺麗で大きな瞳に見つめられてとても恥ずかしい。


「あうー」


 またコロコロ転がり、俺の腰当たりで止まった後輩ちゃんはじーっと一点を見つめる。そして、とある場所にふぅーふぅーと息を吹きかけてきた。


「後輩ちゃん? 一体何をしているのかな?」


「実験です。こうして息を吹きかけたら先輩が性的興奮するのか、という実験です。興奮しましたか?」


「しません!」


 ちょっとムラっとしてしまったのは俺だけの秘密。


「……そうですか」


「あれっ? 後輩ちゃんどうしたの? 何か落ち込んでるし」


「あははー。絶賛女の子の日の真っ最中で気持ちの波が激しくて……。ついでに身体がだるくて重くてお腹が痛いです。ぐへー」


 後輩ちゃんが辛そうに脱力する。できるなら変わってあげたい。俺は変わってあげられないのが辛い。


「何か俺にできることはあるか?」


 しばらく、うんうんと唸っていた後輩ちゃんが顔を輝かせた。


「あります!」


「お、おう! 何でもするぞ!」


「寝る準備は終わっていますね?」


「終わってるけど」


 俺たちは既にパジャマ姿で後は寝るだけだった。寝る前にリビングでゴロゴロしていたのだ。

 ちなみに、後輩ちゃんのパジャマはサクランボの柄である。最近暑くなったので布が薄い。後輩ちゃんの肌の柔らかさと温もりが伝わってくる。毎日毎日俺の理性が削られていく。


「ベッドに移動しましょう!」


 後輩ちゃんが俺の手を掴んで寝室へと引っ張っていく。最近はずっと後輩ちゃんと一緒に寝ている。何故か後輩ちゃんが隣に帰っていかないのだ。俺の部屋に後輩ちゃんの私物や着替えが増えてるし。


「これをこうして~! これをこう! こんな感じでいいかなぁ?」


 後輩ちゃんが何やら枕とかを移動させている。背もたれを作っているようだ。そして最後にペシペシと叩いた。


「さあ先輩! これにもたれかかってください! 背もたれです!」


「わかった」


 俺は訳が分からないけど、ベッドに座り、枕などで作った背もたれにもたれかかる。


「はーい、ちょっと足を広げてくださいね。そうそう、そのくらいです」


 俺が後輩ちゃんの言う通りにしたら、足の間に後輩ちゃんが座って、俺の身体を背もたれにしてきた。


「ふぇ~」


 後輩ちゃんがリラックスして一息ついている。


「後輩ちゃん? 何をしてるの?」


「先輩を背もたれにしてゆっくりしてます。先輩先輩! お腹撫でてください」


「わ、わかった」


 俺は後輩ちゃんの言う通り、後輩ちゃんの柔らかなお腹を撫でる。後輩ちゃんのお腹は余分なお肉がついていなくて、くびれている。ほっそりしている。


「ほぇ~気持ちいいですぅ~」


「それならいいけど…これでよくなるのか?」


「たぶん? 気分ですよ気分! 私が安心するのでいいのです! それに先輩って私のお腹が好きですよね? よく触ってますし」


「うぐっ!」


 バレてたのか。後輩ちゃんのお腹は一度触ったらやめられない、依存性のある魔性のお腹なのだ。そりゃほぼ毎日触っていたらバレるよね。毎日お世話になっています。


「私のお腹ってそんなにいいですかね? もっと他の場所を触ってもいいんですよ?」


「あっ今度太もも触っていい? というか膝枕してほしい」


「女の子の日が終わったらいいですよー! 先輩が積極的に甘えてくれるのは嬉しいです。たくさん甘えてくださいね。この間みたいに私のおっぱいで抱きしめてあげます」


「そ、それはちょっと……」


 俺の身体がカァっと熱くなる。先日俺はとっても苦手な蜘蛛を見て、後輩ちゃんに抱きしめていたのだ。何故か後輩ちゃんはノーブラの状態だった。正確にはブラのホックが外れてしまったらしい。俺は後輩ちゃんの胸の柔らかさを顔で………思い出すのは止めよう。興奮するから。


「ふふふ。私はいいんですけどね………今度は気絶するかもしれませんけど。あの時の先輩は物凄く可愛かったです!」


「忘れてくださいお願いします!」


「無理でーす! 私の脳内メモリーに永久保存されています。それにスマホで盗撮してたのでバッチリ録画されてますよ」


「はぁっ!? 盗撮!? 俺知らないんだけど!」


「そりゃバレないように録りましたから」


「くっ! こうなったらお仕置きだ!」


 俺はちょっと欲望を解放させて後輩ちゃんの服の中に手を入れる。そして、柔らかなお腹を直接触った。

 なにこれ気持ちいい! 柔らかい! 服の上から触るのと全然違う。


「ひゃうっ!」


 後輩ちゃんが可愛い悲鳴を上げるが、俺の手が止まらない。後輩ちゃんのお腹はフニフニでモチモチでスベスベで手に吸い付いてくる。お腹の中央に可愛らしいおへそがあるのがわかる。俺は欲に流されようとしたけれど、後輩ちゃんはお腹が痛かったことを思い出し、優しく撫でることに集中する。


「せ、先輩が積極的です! こうやって直接触るのは初めてですね。ご感想をどうぞ」


「………癖になりそうです」


「そうですかそうですか。いつでも触っていいですよ」


「気絶しないのか?」


「け、結構恥ずかしいですけど、お腹を直接見られなければ大丈夫そうです。触るときは絶対に私の後ろから触ってください。まだ無理そうです」


 よく見ると後輩ちゃんの耳が真っ赤になっている。相当恥ずかしいらしい。俺も恥ずかしいから、触るときは後輩ちゃんのお腹を見ないようにして触ろう。


「ふぇ~だんだん良くなってきました。流石先輩ですね。これからもお願いしていいですか?」


「もちろんいいよ。お腹を直接触るかもしれないけど……」


「大歓迎ですよ! ちょっとくらい胸を触っても目を瞑ってあげます。がっつり触ると……気絶するかもしれません」


 やっぱり後輩ちゃんは初心らしい。積極的だけど恥ずかしがり屋で初心なのだ。


「ぐへーしあわせですぅ~」


 後輩ちゃんは顔を緩ませて脱力し、だらけきっている。幸せそうだ。俺も後輩ちゃんのお腹を触れて幸せだ。

 こうして、この日から後輩ちゃんが女の子の日には俺がお腹を撫でることが習慣になった。俺が撫でると軽くなるらしい。

 俺は時々後輩ちゃんのお腹を直接触ることにしました。後輩ちゃんの身体は依存性がある。だから止められなかった。












<おまけ>


「先輩? 何やら固いものが私の身体に当たっているのですが?」


「………………何のことだ?」


「はっ!? まさかっ!?」


「………………」


「………えっ? マジですか? 冗談で言ってみたのに…」


「……うっさい。どけ!」


「嫌です! 離れません! チッ! 何でこんな時に女の子の日なんですか! 普通の日だったら襲ったのにぃ~!」


 というやり取りがあったとかなかったとか。

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