第4話

「俊介おはよう!」

「あ、霧島部長おはようございます!今日も会議ですか?」

「そうなんだよ、ところで俊介に良いことを教えてやる」

「え!何ですか?」

朝から珍しいこともあるもんだ。霧島部長がこんな風に言ってくる事なんてないので、凄く興味が湧き、つい大きな声で聞き返してしまった。

「俺らが腕に巻いているこの感情力発電装置。これで発電した電力を買ってくれる会社があるんだ」

「どういうことですか?」

「市や国が管理している公共施設や、大企業などの電力を大量に必要としている所があるだろ?そういう所に電力を安く提供する業者もあってだな。その業者に対して俺らが発電した電力を売ることができる」

「それじゃあ、お金がもらえるということですか?」

「そうだ、但し通常よりも格安の買い取りになるみたいだ。もし余っている電力があればやってみても良いかもしれないな」

「そんなのがあるんですね、ありがとうございます」

余るほどの電力は貯まっていないが、念のため頭の片隅にでもおいておこう。


「美香」

「どうしたの?」

「今日部長から聞いたんだが、この装置で発電した電力を買い取ってくれる業者があるらしいんだよね」

「へー、そんなこともできるんだね。でも売るほどの電力は無いよ。自分たちの生活に必要な電力の足しにするくらいだからさ」

「そうだよな、そんなに貯まらないよな」

「私たちが他の家庭よりも特に感情が乏しいって訳じゃないと思うけどね!」

そう笑って話し合っている時も俺と美香の[楽]メーターは増え、電力に変換されていた。その後、鈴花とゲームをして遊んだ時も、感情が電力に変換されていた。まあ売ってお金にしなくても、今のように楽しい生活が送れて、少しだけ節約になれば十分だ。

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