ファーストコンタクトもの。
女の子の日常をベースに繰り広げられる異星人との邂逅。ファーストコンタクトSFとしてはかなり王道的な内容であり、SF好きとしては終始ニヤニヤしながら楽しめました。王道的というか、むしろオマージュともいえるかも。さらにはオマージュを通り越してパロディの域に達しているシーンもあり、元ネタを知っているとより楽しめる作品と感じました。もちろん元ネタを知らなくても楽しめます。
お話としては地球外生命体の価値観と合わさることで、改めて人類文明や人間の在り方を見つめ直すといった、ある種の皮肉の効いたもの。まさに正統派ファーストコンタクト作品。ただそこまでシリアスに傾いているわけでもなく、作品全体としてコミカルな要素が強いため、ブラックジョーク的に受け取ることもできるかと。
ライトな作風なのでSF慣れしていない方でも楽しめる作品かと思いますので、とりあえずSFを読みたいという方にオススメです。
普段執筆をされている書き手の方が読めば、作品に対する見方・考え方を見つめ直したくなるかもしれない……!
読み専の方が読めば、理想の『物語』をご自身の手で書きたくなるかもしれない……!
小説やアニメ、ドラマや映画や舞台。
創造が形になり、他人の目に触れることとなった『物語』には、創造主である作者の様々なメッセージが含まれていますが、『物語』に何を乗せて何を込めることが正しいのか、それは誰にもわかりません。というより決められません。
読み手の捉え方によってメッセージの形は変わり、伝わるか伝わらないか、残るか残らないかは、受信する側のアンテナによって変わります。
ただ、人からより多くの感情を引き出し、より多くの心を動かせた作品は良い作品だと言えると思います。
そしてそんな作品がこの小説の世界にもっと増えていけばいいなぁ、と思います^^
タイトルにもなっている〝ンガポコ〟。
その存在はこの作品のメッセージを形にする上で必要不可欠ですが、最後の辺りは作者の方も悩まれたんじゃないかなぁと思ったり。
本当に難しいんですよね、自分だけの力で誰かの気持ちを動かすって。
でも、自分の意思に反していることでも、それで救える人がいるのなら、それで誰かを早く救うことができるのなら、間違った選択ではないです。
ンガポコと熱い握手を交わそう! 助け合えたことも大切なんだ! お千代ちゃん頑張ったねぇ(●´ω`●)←うるせぇ
個人的に、自分が書いている作品にも似た主張やテーマがあり、読んでいて嬉しく思いました。
ずっとニヤけながら読んでいた自分はさぞかし気持ち悪かったでしょう( ´∀` )笑
自主企画にご参加いただきありがとうございました!!
この作品と作者様に出会えてよかったです!!☆