【番外編】彦星の独り言


 ホント。

 織姫と1年逢えないとかありえないよねー……


 ってなるとさ、どうしても寂しくなる訳じゃない?

 男としては、さ。


 やっぱ『出会い系』とか走っちゃうワケ。


 でっしょ?

 そんなもんしょ? な? な?


 スマホって、便利だよねー。

 いつでもドコでも出会えるじゃん?


 でもさぁ俺ってある意味『ニート』っしょ?


 いや、『ニート』なのね?


 だから、あんま金かけられない訳。しょーがねーよな。

 と、なると『必然的』に出会い系は『無料』のトコに限られてくる訳じゃん。


 ダチの『オリオン』とか、『ペガサス』に、良い出会い系サイト知らないか聞いたんすょ。


 でもほら、あいつら『イケメン』じゃん?


「しらねー。そんなの必要ねーし」


 とか言われちゃてさ。


 まぁヤツらは、そんなん使わなくても『モテまくりヤリまくり』だから出会い系なんて必要ないんだろうけどね。


 しょうがねーから、検索して出会い系に登録してみたぜ。


 ……んもー!

 ありゃスゴいわ!


 エロス☆彡


 エロエロカーニバル☆彡


 オンナが異常に積極的で。


 欲求不満的な書き込みで誘ってくるのさ。


 写真も可愛かったし、そりゃメールするっしょ!

 むしろメールしなきゃ『失礼』にあたる。キッパリ


 そりゃもう心をこめてメールしましたよ。そりゃもう二千文字ぐらい打ってやった!


 あとは、返事を待つだけ!


 待つだけ……


 十秒経過……


 きたっ!


 ……業者だった。泣く。


 ったく、紛らわしいなっ!!


 さらに十秒経過……


 きたっ!


 また業者……


 これ十回以上繰り返しなんだけど、なんなん?!

 ふざけるな。バカにしてんのか!!


 かわいこちゃんからエロエロメールきませんょ?悲涙


 それよりも、俺のスマホさぁ……


 エレクトリカルパレード状態で、ピカピカが止まらないんですけど!!


 なにこれ?!


 …………


 って、もしかして俺騙された?


 おぃら騙された?


 くっそー


 エリカめぇ!!


 …………


 え? エリカ?

 ああ、出会い系のかわいこちゃんな。


 やっぱね。

 俺には『オリ』だけなんだよ。


 待つよ。

 1年でも2年でも。


 何光年離れてたって、


『愛する気持ちは同じ』


がんばらなきゃな。


 ……


 あ。


 出会い系のところ『カット』で。


 恋人が居るやつらは、両想いって時点で幸せなことなんだよ。たくさん居る人の中から自分のことを選んでくれるなんて、ものすごいことなんだからさ。好きになったばかりの時のこと、覚えているようで忘れがちだから気を付けようぜ。


 それに片思いの人だって『好きな人』が居る時点で、幸せなんだぜ。


 悩んで悩みまくれや。


 なんて、出会い系に引っかかった俺が言っても説得力ないよな。


 ま、いいか。


 んじゃ、また来年。

 したらなッ!!


〈注〉この物語はフィクションです。実在のものではありません。


〈注2〉作者とも全く関係ありません。


〈注3〉途中出てくる登場人物の本来の性別なんて、知ったこっちゃありません。心で感じましょう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

梅雨空の憂鬱 桐生夏樹 @tomox9209

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ