第22話 柿のこと

「  柿のこと 」


そんなことはおかまい無しで

柿は枝にたくさんの実を付けるのだから


実は寒気に晒されていく

皮の内側は熟してとろとろになっていく

くちばしの鋭い鳥が啄んで落ちてしまう

悲鳴をあげるまでもなく道路を汚してしまう


まだ固い柿をあなたにあげよう

あなたは鳥より先に食べてくれるだろうか


柿を切れば

柿の断面はそれは柿で

細かいそばかすが付いている

それは毎年同じことなのだけれど

あなたの針は噛む度にカチッと進んでいく


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