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さて、広場に来てみたけどリンネルはまだ来てないみたいね。昼過ぎまではもうちょっとあるし、ちょっとスマホでスキルでも調べてみましょうかね。


 まずは、非戦闘系またの名を生産系スキルを調べてみましょう!って言っても数多すぎて全部はさすがに見きれないかな、これは。ま、面白そうなのだけ見ていこうかな。


 えっと、鍛冶、錬金、細工……うん、上の方はなんかありふれた感じのスキルかな。色物はもうちょい下の方にありそうな感じだしなー。さてさて、何があるかなっと。




 ほうほう、接客、会計、執筆、電気工学、配達、手品、マッサージ、勉強……、色物っちゃあ色物だけど接客、会計、執筆とかってさ、自分で何か書いて売れと?コミッ〇マーケ〇トに行って売れと?この世界にあるのかどうか分からないのに?って並びがたまたまこれだっただけでそれは無いか。


 でも、そんなに色物でもなかったなー。もっとこう時間把握みたいなものだと思ったのに。……はい、私が今時間知りたいだけです。


 とりあえず取れるかどうかは後で試してみようかな。




 まあ、それは置いといて。次は戦闘系スキルいってみよう!って言ってもこっちも大体あるかなーって思ったものばっかりだね。あ、でも同じようなスキルなのになんでわかれてるんだろう?


 例えば、体術と格闘術とか、火魔法と炎魔法とか。でも下に進化前とか進化後って書いてある、それも小さいし。でもそっかー、炎魔法取るには火魔法を進化させないといけないのか面倒くさ。




 てか、進化前とか進化後ってもうゲームじゃん。実は私はゲームの世界に迷い込んだ?まあそれはないんだけどね。世界は世界でも異世界だし。それも迷い込んだっていうより自ら来たようなものだし。そうするとゲームで言えば私はゲームマスターなのか、管理者だし。


 でもあれだね、生産系と戦闘系合わせるといっぱいあるから取りたいのだけでいいかな取るのは。少なかったら全部取る気だったけどね。




 それにしてもリンネルが遅い。……もしやまた問題に巻き込まれてるんじゃないよね?!巻き込まれてたらそりゃ遅いくなるよね。いや、巻き込まれたかはまだ確定してないけど。


 とりあえずリンネルが宿を探しに行った方に行ってみようかな。
















 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 リンネル視点




 儂が美咲と分かれて宿を探してはや1時間。ちょくちょく変な男どもに声をかけられながらも宿を探したが全くと言っていいほど見つからん。


 これはあれじゃ、宿が見つからない呪いじゃ。それと、男どもにからまれる呪いじゃ。どちらも嫌な呪いじゃの、ほんとにかかってなければいいんじゃがの。かかっていたとしたら、かけたやつを見つけて滅ぼすしかないの。


 そういえば美咲の方は見つかったのかのう。……見つかってないような気がするんじゃが、まあ儂が見つければよかろう。と言っても残ってるのがお値段が高そうな場所ばかりでどうしたものかのう。




 む?なんじゃ周りが騒々しくなってきたのう。はあ、厄介事じゃなければ良いのじゃがのう。じゃが大体こういう時は厄介事なのがオチなんじゃよな。




「おい見ろよ、ボンボンが来やがったぞ。さっさと離れようぜ」




「そうだな、絡まれたら何をされるかわかったもんじゃないぜ」




 ふむ、周りの反応からするとまーた面倒くさそうな貴族の子か大手の商人の子か、まあどっちにせよ面倒なのに絡まれるのは嫌じゃから儂もさっさと離れるかの。




「おい娘!今俺の目の前を横切ろうとしたな?」




「い、いえ!横切ろうなんてしてません!」




「うるさい!貴族の俺が横切ろうとしたと言ったらしたんだ!俺にたてつくなんて生意気だな。おい!この娘を俺の部屋に連れていけ!俺が直々に手を下してやる」




 はあ、絡まれるのは嫌じゃが儂じゃない者が絡まれれている所を見るのもイライラするの。それも貴族ときた。今も昔も貴族の頭のネジは足りんようじゃな。それに今のは横暴すぎじゃろ。




「そこの兵士、ちと待たれよ!その娘を連れて行くのをやめるのじゃ」




「ああ?なんだ姉ちゃん、こいつの知り合いか?」




「いや、知り合いじゃないがの、貴族だからといって非力な娘を無理やり連れていくのは感心しないのう」






「貴様、先ほどから聞いていると俺のしている事が悪いことのように聞こえるがそんな訳がないよな?」




 ……うむ、こやつはただの阿呆じゃな。自分で言って気づかんとは。それにその部下も阿呆の類じゃな。


 先程からニヤニヤといやらしい目で儂を見おって。儂のブレスを1発お見舞してやろうかのう。




「ん?なんだ、俺が口を出してしまったがばかりに何も答えられないのか?ふ、無様だな。そんな程度で俺に歯向かうとはいい度胸じゃないか。よし、こいつも連れて行け」




 ふぅ、面倒臭いからさっさと潰すかの。殺すとのちのち厄介じゃから半殺しでいいかの。


 美咲には面倒をかけるが、美咲じゃから大丈夫じゃろ。




「小僧ども黙って聞いておれば好き勝手に言いよるのう。少しお灸を据えねばならんようじゃからな、儂が直々に据えてやろうと思うんじゃが……。ふむ、反抗的じゃのう。反抗しないようじゃったら気絶させる程度にしようと思ったんじゃが、儂に剣を向けてきたということはどうなってもいいということじゃな?手加減はせんからな」




「ふっ、舐められたもんだぜ。女にやられるなんざおと「ちと黙っとれ」ぐおぁっ!」




「なっ?!おい!こいつ強いぞ!気を引き締めろよ!」




「んなの見りゃ分かってんだよ!うわっ?!こっち来やがっ…ごぶっ!」




「おろろ?ちとやりすぎたかの?死んでないといいんじゃが……。うむ、死んでないようじゃの。さて、次じゃ次」




「おりゃああああああ!」




「気合いだけは十分じゃな。ま、しっかりと鍛えるんじゃな」




 それにしても兵士がどんどん来るのう。はてさてどうしたものかのう?




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


















 はっ!なんか今リンネルがやばいことに巻き込まれてるような気がする!やばいやばい急がないと!


 て、目の前で明らかに起こってるんですが?!あれ絶対リンネル関わってるでしょ!私の勘だけど!




「あのすいません!あれって何やってるんですか?」




「ああ?あの騒ぎか?いやな、ここの領主のバカ息子が自分の目の前を横切ろうとしたとかなんとかだかでどっかの娘さんを連れていこうとしたらよ、近くにいた背の高い黒髪のポニテの姉ちゃんが来てよ、連れていこうとしたのを止めようとしてこの騒ぎになったわけよ」




「そうなんですか、わかりました。教えてくれてありがとうございます!」




「おう、嬢ちゃんも巻き込まれないように気をつけるんだぞ」




「あはは、ちょっと巻き込まれないのは無理ですね。では!」




「ちょ、嬢ちゃん?!」




 はあ、背の高い黒髪のポニテってやっぱりリンネルが関わってたよ。黒髪なんて勇者か私かリンネルぐらいだし。私はないけどね。




「はいはい、ストップストップ!騒いでたら周りの迷惑でしょうが!やめたやめた!」




「なんじゃ?新手かの?……なんじゃ、美咲かの。儂が悪いわけじゃないから説教するならこっちの馬鹿共にしとくれ」




「うん、そっちにも説教するけどリンネルも後で説教だからね」




「何故じゃ?!儂はこの娘っ子を助けただけじゃぞ?」




「何故って?よーく周りを見ようね?この惨状を見て何か言うことはある?」




「う、む……。やり過ぎたのじゃ。周りの者たちよ。ちと、やり過ぎたようじゃ。すまんかったの。今直すから離れてくれると助かる。美咲もちと離れとれ」




「わかったけど何するの?」




「ん?今言ったじゃろ直すとな」




 取り敢えず言われた通り離れますか。……ここら辺でいいかな?うん、いいみたいだね


 さて何をするやら。て、なんかめっちゃ周りが光ってるんだけど?!え?もはやチートでは?光が収まったあとを見ると完璧に直ってるんですよ。それに少し他よりも綺麗になってるし……。




「ふぅ、こんなとこじゃな。どうじゃ美咲よ、これが儂の新しい力じゃ。凄かろう」




「……え、あ、うん、そうだね。よしそれじゃここから離れようか。その新しい力についても聞きたいしね。お説教もあるけど。」




「うむ、いいのじゃが。……くっ、説教のことを覚えておったか」




 HAHAHA、忘れるわけないじゃないですか。取り敢えず問題起こしたしこの街には居られないかな。どうせ高いホテルしかないし、野宿かなー。


 はあ、説教の前に食料とか買い込んでおかないと……。

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