第31話

 さて、楽しみの1つが出来たしそろそろ次元の狭間に向かうとしましょう!




「ギレゴウルさん、みんなの準備が終わってるみたいだし行きましょうか」




「ああ、そうだな。雨音で最後だったんだがな」




 うっ、それは申し訳ない。まあ、片付け終わったんだし無問題!




「そ、そうですか。ほんとすいません。それじゃぁ気を取り直して出発!」




「おう、ファギルス、リンネル!行くぞ!荷物持てよ」




 さてさて、次元の狭間ってどんな感じなんだろ?何も無いところがひび割れてるとかかな?それとも歪んでるのかな?むふふ、まだ見ぬ世界へ出航だー!


 ……言ってから気がついたけど大丈夫かな?なんかどこからか消されそうな雰囲気を感じたんだが?ま、私不老不死だしそんな簡単に消されないか。


 ……ほんとに大丈夫だよね?


















「ギレゴウルさーん、まだつかないんですか?かれこれ2、3時間は馬車に乗ってますけどほんとに方向合ってるんですか?」




「ファギルスに聴きながら向かってんだから、合ってるにきまっ決まってんだろ。それにしても雨音の言うとおりなかなか着かねえな」




「ええ、そうですね。ここまでは時間の歪みはまだ来ていないはずなんですが、次元の狭間もまだ閉じていないようですし、おかしいですね……。アマネさん、上司の方に連絡を取っていただけないですか?」




「それは必要ないですよ。ちょうどあっちからメールが来たので」




 タイミングがバッチし過ぎて怖いぐらいだけど、それにしてもこれは伝えてもいいのかな?




「アマネさん?どうされたんですか?」




「えーとですね、そのー、道が間違ってるのと、あとー、この速度だと間に合わないって来たんですよねー、あははは……」




「な?!マジかよ?!道を間違えたっていつだ?!それに速度が足りねえって言われてもこれ以上は出せねえぞ!」




「いつって言われてもさっきの分かれ道だそうです。速度に関してはまあ、手がないことはないんですけど……」




 いやー、この手だけは使いたくないんだよなー、ギレゴウルさんとファギルスさんにはどうせもうすぐでお別れで会わなくなるからいいんだけどリンネルはこれからも一緒にいる訳だからあんまし人間離れ(もう既に離れまくってる)したことは見せたくないんだよね……。




「あるならさっさとやろうぜ時間がないんだろ?それともなんか問題でもあんのか?」




「問題っちゃあ問題なんですけど……ギレゴウルさんとファギルスさんは問題ないんですよ。問題はリンネルなんですよ……」




「なんじゃ、儂が問題になるようなことでもあるのかの?なんじゃったら儂はギルドに戻っておいた方がよいかのう?」




「うーん、どうなんだろう?……とりあえずリンネルに1つだけ確認したいことがあるんだけどいい?」




「うむ、よいぞ。なんでも聞いとくれ」




「じゃあ、私がこれから人間離れしたことをやっても嫌いにならない?」




 うぅ、リンネルなんて言うかな?引かないよね?大丈夫だよね?ああ、心配になってきた。なんでこんな質問したんだろう……。リンネルなら大丈夫だよね?ここはリンネルを信用するしかないんだけど……。




「なんじゃ、そんなことかのう。大丈夫じゃよ。儂が美咲のことを嫌いになるような事はないのじゃ。それに、もう十分人間離れしたことをやっておるからの。もう何が来てもそれほど驚いたりはせんよ」




 ……うん、私の心配ってなんだったんだろうね。ははは、私の心配返して欲しいぐらいなんだけどこれは。


 はあ、全然問題じゃなかったじゃん。1人で落ち込んでただけとか恥ずかしい。


 まあ、終わったことはしょうがないしとりあえず話進めようかな。




「えー、とりあえず問題はなくなったというか元からなかったみたいので言いますけど、私がこの馬車を次元の狭間まで押していきます」




 うん、だと思った。やっぱり引くよね、見た目普通の超絶美少女がこんな意味のわからないこと言ったら。……すいません、超絶美少女とかナマ言いましたさーせん!




「いやー、やっぱりダメですよね。ちょっと上のh「その手があったか!うんうん、雨音なら出来るよなやっぱり。いやー、実は最初雨音に馬車引かせた方が速いんじゃないかとは思ったんだが、雨音も女だろそれはやっぱりダメだよなーって思ってたんだが、雨音がそう言うなら任せr、ぐほっっっ!」




「なるほどー、ギレゴウルさんはまだお仕置きが足りないと、いいですよ。色々コースがありますけど何がいいんでしょうね?」




「え、ちょ、雨音今のはほんの冗談だから真に受けんなよ。な?」




「えーと、まず天国から地獄に一直線コースとー、深淵コース、笑いすぎて呼吸困難1歩手前コースとかまあ、あとは色々ありますけどどれがいいですか?」




「いや!マジで悪かったって!もう言わねえ!今度こそ言わねえ!だからその手を止めてくれ!時間もないから!な!頼むよ!」




「はぁ、分かりました。ギレゴウルさんに言われるのも癪ですが時間もないですし私が引いていきますね。くれぐれも舌噛んだりとか酔って吐かないようにしてくださいね。では、行きますよー。美咲号出発!」




 ここから私の伝説が始まるのだー。
















 分かれ道に戻ってからもう1つの道を超特急で進んで何とか次元の狭間に着いたけど想像してた感じと違うんだね。


 私が想像してたのはこうなんて言えばいいんだろう、空間?にヒビが入っててファギルスさんの世界が見える感じだと思ってたんだけどまさかまさかの扉ですよ。でも色素っていうか扉自体が薄くなってるってゆう感じかな。これがニューベルトさんが言っていた次元の狭間が閉じるってことなのかな。閉じるって言うか消えるじゃんこれ。




「ファギルスさんこれが次元の狭間で合ってますか?」




「ええ、これが次元の狭間です。アマネさんは次元の狭間を見たことがありませんか?」




「はい、初めて見ました。リンネルは見たことある?」




「儂か?儂も初めてじゃ。次元の狭間と言うからにはもっと凄いのを想像していたんじゃがのう。案外普通じゃから少し残念じゃ」




 やっぱり次元の狭間って聞くともっと凄いのを想像しちゃうよね。ギレゴウルさんは……見たことない顔してるね。


 やっぱり滅多にないのかもね次元の狭間が出現するのは。ニューベルトさんの対応とかだと他の世界でも次元の狭間は出現してるんだろうね。それにこの世界でも過去に何回かありそうだし、やっぱり慣れてくれば対応の仕方は分かるんだろうね。結構焦ってたけど。




「それではアマネさんリンネルさん、ここまでありがとうございました。そして遅れましたが謝罪を。この度は私の世界の事情をこの世界に持ち込み大変申し訳ございませんでした」




「いやいや、そんな謝って貰わなくて大丈夫ですよ!それにぶっちゃけ私もこの世界の住人じゃないですし、これは私たちの間ではなかったということにしませんか?お互い部外者ですし」




 あれ?なんでみんな黙ってるの?私なんか変なこと言ったかな?




「ちょっと待ってくれ雨音。お前もファギルスと一緒で別の世界から来たのか?」




「あれ?言ってませんでしたっけ?」




「いや聞いてねえよ!今初めて聞いたわ!」




「そうでしたっけ?それでなんでリンネルも固まってるの?ギレゴウルさんとファギルスさんはいいとしてリンネルには言ったはずだけど?」




「……そうじゃった、儂は聞いたんじゃった。忘れとった忘れとった」




「まあ、リンネルのことは置いといてそれじゃあファギルスさんギレゴウルさんお元気で。ギレゴウルさんは新天地なので頑張ってくださいね」




「無理やりまとめやがったよこいつ。まあ、そうだな。雨音もリンネルも頑張れよ」




「ええ、それではアマネさんリンネルさん、もうお会いすることはないでしょうがお元気で」




















 そうして、私たちはファギルスさんとギレゴウルさんと別れたのだった!


 さて、無事2人とも向こうの世界に行ったしニューベルトさんに報告しますょうかね。それと、スマホの充電の仕方も聞かなきゃね。

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