第28話

「はあ?1日ですか?全然時間に余裕がありますねえ。ですが、アマネさんの上司の方は急げと言ってらっしゃるのですか?」




「ええ、まあそうですね。あっちも次元の狭間を閉じるのに色々な人が関わっているらしくて……、それで1日っていうのは多分こっちと時間軸が違うから急いで欲しいんだと思うんですよね。なので、直ぐに支度して次元の狭間に行きましょう」




「なるほど、時間軸の違いですか。それはは思いつきませんでしたねえ。わかりました、ギレゴウルにも言って自分の分も支度をさせます」




「そうですね、ギレゴウルさんにも言って……はい?」




 え?ちょっと待って、ギレゴウルさんにも支度させるってどうゆうこと?え、まさかだとは思うけどギレゴウルさんもファギルスさんの世界に行っちゃうってこと?マジで?え、もしかしてまた、ニューベルトさんの仕事増えちゃう感じ?うわー、それはやばいって。でも、何かの聞き間違えかもしれないしとりあえず確認を。




「あ、あのー、ファギルスさん?ギレゴウルさんに自分の分の支度させるってどうゆうことですか?」




「ん?ギレゴウルからは何も聞いていないのですか?」




 は?え?ギレゴウルさんが自分から教えてくれるってこと?えー、何も聞いてないんだけど。大事な事言い忘れるって、あの人どこか抜けてるよね。抜けてる人に何回か説教されてるけど私。




「いえ、何も聞いてませんけど……。まさか、ギレゴウルさんも一緒に行ったりするんですか?」




「ええ、そのまさかですよ。ギレゴウルにはワタシの世界の魔王になってもらうんですよ。もちろん本人からもなってもいいと言う許可を貰っています」




 はい、ニューベルトさんの仕事が増えましたー。ニューベルトさんには申し訳ないけどもうひと仕事してもらおうかな。




「あの、ファギルスさん」




「はい、なんでしょうか?」




「ちょっと上司にギレゴウルさんのことを報告してきますね。現地の人が別の世界に行ったりしたらどうなるのか分からないので」




「ええ、わかりました。それではワタシは先に戻っています」




「わかりました。報告し終わったら私も戻ります。あと、ギレゴウルさんに自分から言うように言っておいてください」




「了解した」




 ……さて、ファギルスさんも行ったことだしニューベルトさんに電話しましょうねー。




 ……デデンッ、デッデッデッデデンッ……デデンッ、デッデッデッデデンッ……デデンッデッデッデッデデンッ……




 うん、もう何も言わない。着信音が変わってるだとか、着信音がどこぞのアイルビーバックしちゃうターミネーターのヤツになってるとか知らない。


 てか、1回1回変える必要ある?そっちの方が面倒くさくない?まあね、それはいいんだよ。いいんだけど、そろそろ出て欲しいんだけど、やっぱり大変なのかな?まあ、出ないってことは大変なんだろうね。あと、2コールで切ろうかな。


 ……はい出ませんでしたー。それじゃとりあえず戻りますかー。


 私のプリンが待っているギルドに!あ、そうだ。メールとかできるか確認してないけど、メールのアイコンがあるし出来るよね。とりあえずギレゴウルさんのことを書いて送っておこうっと。


 えーっと、件名は……『現地人が別の世界に行くようです』っと。なんかネット小説にありそうな件名になっちゃったけどいっかな。本文は適当に…………よし、これで送信っと。さて、次こそホントに戻るぞー。第2のプリンを食べるぞー。


 あ、現地人で思い出したけど勇者のこと書くの忘れてた。まあ、それは電話がかかってきた時にでもしますか。
















「たっだいまー。リンネル、第2のプリン!」




「やっと戻って来おったか。それと、儂は第2のプリンではないのじゃ。ほれ、こっちが第2のプリンじゃよ」




 おおおおおおおお!第2のプリンが私の手中に!本日2個目のプリンだからね味わって食べないとね。あと、私の初期プリンを食べた人には後でお話死をしないとね。第1のプリンを食べれたからといってそれは免れないのである。


 え?また文字が違う?いえいえこれが正解なのです。誤字ではないのです。




「それで美咲よ。ギレゴウルがの、ファギルスと話した後にすごい勢いでギルドを出て言ったのじゃが何か心当たりはないかのう?あと、ファギルスも出て行ったのじゃ」




「心当たりなら多分2つあると思う。どっちが正しいのか分からないけどね。もしかしたら両方かもしれないし」




 ファギルスさんの世界に行く準備かもしれないし、ファギルスさんの世界に行くのを私に言うのを忘れたから逃げたのか。どっちにしろ殴るけど。




「また、怖い顔をしておるぞ。あと、その拳をしまうんじゃ。絶対殴るきじゃろ」




 は!無意識のうちに怖い顔になっていただと!それに拳を無意識のうちに作っていたとは恐るべし私の無意識。


 とりあえずギレゴウルさんとファギルスさんが戻ってくるまでプリンを堪能しますか。




「とりあえず戻ってくるまでゆっくり待とう、リンネル」




「そうじゃな、そうするとしようかのう。美咲よ、少し待っておれ、今紅茶を作ってくるでの」




「はーい」
















「遅いんだけど。いつ戻ってくるのかな?」




「そうじゃのう、ちと遅いのう。じゃが今探しに行ってもすれ違いになるしのう。もう少し待ってみてはどうかのう?」




「分かった、そうする。はあ、リンネル紅茶お代わり」




「分かったのじゃ、少し待っておれ」






 〜〜30分後〜〜






「遅い!ねえ!なんで戻ってこないの!」




「まあまあ、これでも飲んで落ち着くのじゃ。もう少しで戻ってくるでのう」




「むうぅぅぅ、……あ、美味しい。さっき飲んでたのと違う」




「うむ、それはのニルgバン!!




「お、戻ってきてたのか。それで、ファギルスから聞いてんだろ俺があいつの世界に行っくてこと」




「戻ってくるなりそれですか?私が一体どれだけ待ったか!分からんのですか!」




「お、おう、すまん。だが俺がギルドから出て10分ぐらいしか経ってないぞ?」




「え?嘘、マジで?」




「マジでだ。てか、時間が色々狂ってるの忘れてるだろ」




 あ、そうだった。次元の狭間が開いてるから時間がおかしいんだった。美咲ちゃんったらドジしちゃった。てへぺろ。




「頼むからいきなり変な顔すんなよ。心臓に悪い」




「なっ、こんなに可愛いてへぺろを見て変な顔とは何ですか!」




「てへ、ぺろ?がなにかは知らんが無言でされたら普通変な顔だと思うだろうが。それと、自分で可愛いとか言うな。気持ち悪い」




「なっ、変な顔の次は気持ち悪いですと!もー怒った!怒りましたよ私!ここで決闘です!殺しはしませんが半殺しにしてやりますよ!覚悟してくださいね!」




「おおいいぞ!どこからでもかかってこい!最初で最後の稽古を付けてやるよ!」




「違いますー!稽古じゃないですー!決闘ですー!何が最初で最後の稽古ですか!カッコつけないでください!」




「そうかよ!そっちがその気ならヤッt「辞めんかこのたわけ達が!」ってえええ!何しやがるリンネル!」




「イったい!何するのさリンネル!」




「何をするも何もお主らが馬鹿なことをするからじゃろうが!ほれ、見てみよ。ファギルスが戸惑っておるじゃろうが!」




 むうぅぅぅ、まさかリンネルに怒られるとは。不覚っ!てか、私悪くないし。最初に馬鹿にしてきたギレゴウルさんが悪いし。




「そんな不機嫌な顔をするでない。最初に時間がおかしいのを忘れて突っかかったのは美咲が先なのじゃ。さ、謝るのじゃ。その次はギレゴウルじゃぞ」




「うっ、…………その、ごめんなさい。時間がおかしいのを忘れてました……」




「お、おう。その、俺もすまんな。変な顔だとか気持ち悪いとか言っちまって……」




「うむ。これで一件落着じゃな」




 一件落着じゃないような気がするけど、まぁここで終わりにしないとまたやりそうだしいいっか。

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