第2話

「それでは雨音さんよろしくお願いしますね。雨音さんが管理することになる世界には後ろの扉から出てもらえばこちらが用意している場所に出るので、いきなり草原のど真ん中とかには出たりしないので大丈夫です。それと、雨音さんが剣術をできるということなので護身用に刀を用意しているので頑張ってください。私は次の人のところに行くのでここで失礼します」




 早口にそう言うと俳優サラリーマンさんは入ってきた扉から出ていった。




 あー、そういえば私が管理する世界ってどんなとこが聞き忘れちゃった。てか、私が剣術やってること一言も言ってないんだけどなんで知ってたんだろう?


 まぁ、いいや。よーし、それじゃぁそろそろ行こうかな。なんか用意はしてくれてるみたいだしありがたいね。




 てか、護身用に刀用意してるとかどんだけ危ない世界なんだろう……私生きていけるかな。あっ、私不老不死になったから死なないんだった。いやそれでもやっぱり護身用持たせるぐらいだから危ないんだろうなー。うん、うじうじ考えても仕方ないよね。




 よし、行こう私が管理する世界に!!












 扉を開けるとそこにはまたしても白い部屋が広がっていた………なんてことは無い。扉を開けて私が見たのは多分山小屋の中だと思う。


 だって部屋に窓があって外を見ると辺り一面木が生い茂っていたんだもん。




 まぁそんなことは置いといて、今私の目の前には机がある。そして机の上には多分説明書とスマホが置いてある。それと、机の下にはリュック、机の横には刀。それも私の胸元より少し低いくらいの刀が立てかけてあった。




 護身用にしてはなんかすごいんだけど!!あ、でもこれ私がいた世界で使ってたのと同じぐらいだ。


 ほんとに何でこんなところまで知ってるんだろ。もはやストーカーレベルだよ……。




 そういえば今気づいたけど、私の服装学校の制服だ。あー、そうだった刺されたの学校の帰りだったけ。刺されたところの傷もないし、学校の制服も新品みたいになってるし、もうこれは魔法と言ってもいいね!




 そしてそして、お待ちかね説明書を読むお時間になりましたー、時間なんて分からないけど。


 さて、この説明書分厚いし時間かかりそうだなー。スマホの方も調べないといけないし、はてさてどちらから調べるべきか……。


 うん、やっぱりはやく調べられそうなスマホからにしよーっと。




 えーっと電源はっと、よしついたいついた。あー、暗証番号打たないといけないのね。はやく調べられそうだと思ったけど、先に説明書読まないといけない感じだよねこれ。


 さて、この分厚説明書を読むのかー……うん諦めて読もう。
















 説明書を読んでわかったのは、この世界は私のいた世界と同じぐらい科学が発達していること。そして、魔法が使えて魔物がいるらしいこと。まぁ要するに魔訶不思議なファンタジーだね。


 あぁそれと、私は不老不死になったけど傷つきはするらしい。でも、痛みはないし傷もすぐ回復するって書いてあるけど、どうゆう仕組みか私にはよく分からない。けど多分すごい技術が使われているような気がする。




 まぁそれは置いといて。番号も分かったしこれで万事解決だね。


 さてさてー、スマホの中身を確認しましょうかねー。


 うん……、アプリが少ない!!電話帳とメモ帳と時計、メール、インターネット、カレンダー、設定しかないとかないわー。




 これネットとか使えるのかな?圏外ではないみたいだけど。


 おー、繋がった繋がった。よーし、私のこととか調べられるかなーっと。おっ、ヒット!えーとなになにー、女子高生刺され死亡、犯人は未だ逃走中。




 ……犯人捕まってないのか、警察は何をやってんだか。こんないたいけな少女が刺されたってゆうのに、もう本人はカンカンですよ。まあ、不老不死になったからそんなことはどうでもいいんだけどね。


 さて、もう夜も遅いしそろそろ寝ますかねー。




 明日は説明書の最後の方に載ってた地図でも見ながら街にでも行ってみようかな。


 身分証は説明書に挟んであったから大丈夫だし、話も通じるらしいから安心して、街に入れる。ありがたいね。


 よし、じゃあ寝よーっと。


 あっ、お金とかないじゃん、どうしよう?まぁ、明日になったら電話して聞こう。
















 あー、もう朝かー。動きたくなーい。でも、街には行きたいし……よし、起きよう。そして、電話だ!お金が無いと何も出来ない!街に入っても買い物が出来ない!


 さあ電話だ!電話をしよう!


 そして電話はどこにいった!


 ……うん、朝からこのテンションは辛い、てか飽きた。




 そういえばスマホどこ置いたっけ?


 寝る前に確か枕元に置いたような……。おー、あったあった枕の下にあったとは。私が寝ている間にズレたのかな?まぁ、それはいいとして。電話電話、電話しないことには始まらないからね。




 えっと、電話帳を開いてーっと。


 ……うん、あった。あったけど、名前が1つしかない。多分、ニューベルトってゆうのが、俳優サラリーマンさんなんだろうけど……日本語訳すると新しいベルトって、見た目が見た目だからギャップがすごいな。違うだろうけど。


 よし、それじゃあ電話しますか。
















 全然でない。朝早くっていっても今10時半なんだけどなー。もしかして私と同じ死んだ人達と話してるのかな?それだったらしょうがないかな、お仕事だもんね。メールだけでも送っておこう。




 だけど、内容どうしようかな?


『メールを見たら電話してくたさい』普通だ、でもわかりやすい。


 よしこれにしよう。送信っと。


 これで、心置き無く街に行けるかな。あとは着信音がなるかだけど、ならなくてもバイブでわかると思うし大丈夫かな。




 よし、そろそろ行こうかな。刀持ったし、説明書とスマホはリュックに入れたし持つものはもうないかな。




 まずは、この山を下りて、道でも見つけようかな。


 そうと決まれば、行動あるのみ!


 日が暮れる前に街に行けたら良しとしますか。
















 1時間ずっと歩いてるけど一向に山から抜け出せないでいる。


 なんでだよ!こんなに歩いているってのになんで全然山から出られないんだよ!もうイライラし過ぎてお腹も空かないよ!


 あれ?そういえば昨日から全然お腹が空かないような気がするけど昨日の夜と今日の朝って何か食べたっけ?……何も食べてない。説明書に食事をしなくても大丈夫みたいなこと書いてなかったよね。




 これは電話するしかないね。メール送ったのに返信きてないし。


 電話でなくても鳴らし続けてやる。私にとって大事な事だからね!


 さあ、出てくれよ新しいベルトさん!違った、ニューベルトさんだった。


 まず1回目。ワンコール、ツーコール。スリーコー……




『はい、もしもしニューベルトです。何かありましたか?』




 スリーコールで出たか。まぁ、許すか。




「もしもし雨音です。少し聞きたいことがあったので電話しました」




『聞きたいことですか?』




「はい、昨日から私何も口にしてないんですけど、全然お腹が空かなくて……。それと、お金がないんですけど」




『そうですか。お腹が空かないのは不老不死による効果ですね。お腹が空かなくても食べることは出来るので安心してください。お金の方は説明書に挟んであった身分証の方に入っていますよ。そちらの世界では、身分証=お金なので無くさないでくださいね』




 おっと、まさかの身分証の中にお金とは、想定外で驚きだよ。


 さらに、不老不死ってお腹が空かなくなるのかー。でも、不老不死になったからご飯食べられないとか嫌だったからよかったよかった。




「分かりました無くさないようにします。多分お仕事中でしたよね。すいません電話したりして」




『大丈夫ですよ。休憩中だったので気にしないでください。他に聞きたいことはありますか?』




「いえ、大丈夫です。お忙しい中ありがとうございます。それじゃぁまた何かあったら電話します』




『はい、お役に立てたのなら何よりです。それでは』




 よし、聞くことは聞いたしさっさとこの山を下りますか。

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