第3話 異世界元勇者、今後の活動資金を考える
あれから朋花に連れられ、彼女の母親の風花さんと合流して制服の採寸を終わらせて解散してから近場の商店街を歩く。
あぁ、あのゲームの最新作出てたのか。
お、このカードゲームも新しいパック出てたんだ。
……あぁ、そういえば自転車も買いなおさないとなぁ。
店先に並ぶ色々なものに目を引かれつつ、小遣いを計算しても全然足りない。欲しいものを絞っても余裕で足りないのである。ならばどうすればいいか。単純に稼げばいい。しかし、問題は
「こっちでは俺はまだ高校生だから下手に高価な貴金属類を捌けないんだよなぁ…。」
そう、年齢の問題である。俺は異世界チートで使える大容量のアイテムボックスに向こうの世界で手に入れた貴金属や宝石があるが、この姿では恐らく売れないだろう。かといって両親を通して売ろうとすれば…まぁ、面倒なことになりかねない。しかしギャンブルで増やすのも年齢の問題でアウト。となれば可能なのは
「そうなると、できるのはハンドクラフト品を売るか…起業しちゃうかだよなぁ。」
転売というのも可能だろうが手間とリスクが割に合わなそうなので除外しておく。一旦そこで考えるのを止めて、スマホで「ハンドクラフト 販売」と入れて検索してみる。
「なるほど、売れる物も結構種類があるんだな。」
検索で出てきたサイトをみると、アクセサリーや服、家具なんかも販売できるらしい。その中で俺が注目したのはアクセサリー。向こうの世界で手に入れた貴金属類を大量に流すのは価値を下げることになるが、アクセサリーならそれらも少量で済むし、なによりスキルで造形ならどうとでもなる。販売されている物を見ても指輪やブレスレットなんかもあるし、なんとかなりそうだ。最初は宣伝してもらう目的も兼ねて、自分の両親と朋花の両親にプレゼントしてみるのもアリか。多少なら小遣いもたまってるし、今いるのは商店街。
「……疑われない程度に材料と道具類も買っておくか。」
初期投資と割り切って、商店街の中で買い物をすることにした。
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