第7話 招待

ウラジオストク 8月7日

「我が国王からの親書であります」

「しかと受け取りました、この返事は近いうちにさせていたただきます」

「私たちは1週間ほどここに滞在します、できればその間に返事が欲しいです」

「分かりましたその様になるよう尽力致します」

そう言ってブルストの外交官は停泊する自国の船へと戻っていく。

その後のモスクワ

「しかし、面倒だな、軍事演習への参加招待とは」

「全同盟にも通達しましたが、多くが『モスクワに任せます』でした」

「そうか、、、では臨時軍会議を召集して対応する」

モスクワ 8月8日

「これより、臨時軍会議を始める、今回の議題は例のブルスト王国からの軍事演習への招待に対する参加艦艇の選定である」

「まずは軍事演習の内容から、ブルスト王国からの親書によると本演習は海戦での練度を競う、いわば大会のようなもので、参加艦艇上限は30隻、参加する水兵に関しては特に制限は無しとのことです」

「だそうだ、まずは参加艦艇を決めよう、なにか意見のあるやつは?」

「はい、私は参加艦艇は大きい物を30隻、上限用意するのがいいと思います、理由は彼らの船がルネサンス期の物だとすると、ドクトリンも数と大きさで勝負するものだと思われるからです」

「だが、多いと、対策を取られないか?」

「それなら、潜水艦を混ぜればよくないか?」

「確かにな」

と会議は夜通し行われ、結果決まった参加艦艇は以下の通りとなった。


ユーラリカ同盟海軍ユーラシア軍集団

キーロフ級×4

スラヴァ級×2

アルファ級×4

タイフーン級×1

ヤーセン級×4

ユーラリカ同盟海軍アメリカ軍集団

ジェネラル・R・フォード級×1

ズムヴォルトM級×2

タイコンデロガ級×4

シーウルフ級×2

バージニア級×4

アメリカ級×2


このうち、タイフーン級はたまたま最後に残った2隻を修理したうちの一つであり、ズムヴォルトM級はズムヴォルト級を軽量・低コスト化したものである。ちなみにジェネラル・R・フォード級は3番艦の「エンタープライズ」が選ばれた、その理由は異世界への冒険の第一歩として「冒険心」が相応しいとされたからである。


ウラジオストク 8月10日

「では確かに受け取りました、開催日に再びこちらに案内のためにやってきます」

「ありがとうございます」

ふぅ、とブルストの外交官は溜息をはく、そして、船室に戻って。

「どうでした、やはり、この転移したての蛮国は断ってきましたか?」

「この国を蛮国というなと何回言った、男爵、それに彼らは断ってないし、彼らの技術や礼儀を見れば、蛮国でないことは明らかであろう」

「むーっ、でも貴族の屋敷とかも見当たらないし、平民とかは荒れているんじゃないかしら?」

「お前は勉強不足だな、あとで勉強会を開いてやる、絶対くるんだぞ」

「えーーー」

―――――――――――――――――――――――――――――――文字が通じているのはあくまでも形だけ違っていてそれ以外は全く同じという設定だからです。

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