第1章 スライムを倒そう
第1話 とある4人のパーティー
4人は、既に死の気配を感じていた。
大量のスライムで覆いつくされた岩壁。
このスライム…物理攻撃の類いを受けると増えるタイプだったらしい。
そうと分かっていたら、多分闇雲に打ち据えたりしなかったと思う。
まあ、今となってはもう遅い。
このスライムは純然たる魔法で吹っ飛ばすしかないが────
肝心の魔法使いが、大量のスライムになぶられ、ろくに詠唱できない。
誰か、スライムを引きつけることができる者は─────
このパーティーは、4人編成。
魔法使い、弓使い、軽業師、そして自分…戦士で構成されている。
…敵を一カ所に集中させる役…。
どう考えても、適性は自分にある。
戦士は檄を飛ばした。
「私がおとりになる!皆は魔法で─────」
「うん!よろしく☆」
言い終わらないうちに、弓使いが返事をする。
「ごめんなさい、僕が遅いから…へぶっ」
魔法使いは相変わらずやられっぱなしだ。
寡黙な軽業師は…
「…」
いつも通り、何もしゃべらない…。
スライムは、光るものに寄ってくる。
戦士は、深呼吸する。
剣を構えた。
「光れ!閃光のフォトンセイバー!」
長剣が白く輝く。
戦士はその何より強い輝きをまとい、岩窟の中央に立った。
「私はここだ!来い!!」
何十はとうに越し、何百という数のスライム。
一斉に、戦士に飛びかかる。
戦士は、案の定、一瞬で息ができなくなった。
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