人身御供のフェルナンド~今日の仕事も蘇生前提です~

ポラリス

プロローグ

近年、増加傾向にある魔物。


これらに対抗するには、国付きの聖騎士たちだけではとても間に合わない。

頭数が違いすぎる。


ついに国は、傭兵業を奨励する政策を取り入れた。


政策はうまくまわり、様々な特性を持つ傭兵達がパーティーを組んで魔物討伐にあたるようになって、今日に至る。



パーティーの色は様々だ。


剣と魔法のバランスがとれたものや、攻撃・防御等一部に特化したもの。


汎用的に、どんな敵にも対応できる編成。

特定の魔物を狙い撃つためのチーム。



元国付きの聖騎士・フェルナンド。

彼がリーダーを務めるパーティー。

これはまた一風変わった色で─────


このパーティーは、彼の度重なる犠牲の上に成り立っている、と言っても過言はない…。

いや…比喩じゃなく、文字通りこう…肉体的な意味で…。


ただしフェルナンド自身がそれを悲観しているわけでもないのが、また不思議な所だ。

しかも何でか、パーティーの雰囲気は悪くない。


普通に見ていたら、こいつらが何でこうなのかさっぱりだろうけど…。

俺には何となく分かる気がする。



さて…今日はまた彼らが仕事をする日のはず。

ギルドを開けるのが、楽しみだ。

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